変えてよかったと思っていますが、人によっては躊躇があるでしょう。
そういう人たちも安心して 050 化するために不安材料を取り除くことを主眼に取り上げてみたいと思います。
今回はその第一回として、050 電番について記載します。
第二回以降は改めて、その使い方やソフトフォン、アダプターの使い方などを記載していきます(これらは、このブログのほかの項目に記載済みなので、お急ぎの方はそちらをご参考ください)。
まず、050 番号の取得ですが ITSP (Internet Telephony Service Provider : IP電話サービス事業者) から取得します。
取得方法は ITSP により異なりますから、それぞれの ITSP のサイトでご確認ください。
ITSP はいろいろありますが、ワタシの場合はブラステルを使いました。
Fusion とか、050Plus とか、ほかにも有名どころはありますが、なぜブラステルかというと、以下の点が優れているからです。
1.通話料が国内固定電話向け、国内携帯電話向け、海外向けのどれも最安値です
国内固定向け:8.64円/3分
1分課金ですから、1分以内なら 2.88円です。
国内携帯向け:5.5円/30秒 (2017-12-15 改定 14.58円/1分)
海外向け(例:フランス):3.99円/1分
6秒課金ですから無駄が少ない。
例えば、30秒ならば 1.995円で済みます。
また、海外にいてもそのまま発着信できますから、国内にいるのと同じです。
これはすごいことです、国内向けの通話料は変わりません。
携帯電話だと国際ローミングでとてつもなく高くなりますし、現地で電番を取得しても日本国内向けはその国からの海外発信料金になります。
その代わり、現地の電番にかける際は海外向け料金での通話料になりますが、これも安いのであまり気になりません。
あとで述べる 0120 に海外からでも国内同様にかけられます。これがどれくらい便利かというと、海外居住をしてみるとおわかりになると思いますが、意外と国内のいろいろなサービスに問い合わせしたいときがあるのです。
例えば、帰国に際して確認しておきたいこととか、予約を取るとか、発券してもらうとか、インターネットでもできる場合が殆どですが、電話でないと細かい部分でわからない、ということもあります。
2.複数着信(ブラステルのみが対応している特長の一つ)
一つの電番をレジスト(登録)した複数デバイスで発着信できる。
ほかの 050 サービスは最後にレジストしたデバイスのみが有効。
これがなぜいいかというと、例えばイエデン化した番号をスマホにも登録しておくと、イエデンもスマホもどちらも発着信できます。
ですから、携帯電話 (090/080/070/〜〜) を使わなくて、安い通話料でモバイルもできるのです。
ちなみに、モバイルで使えるの? という方もいらっしゃるでしょうけど、遅延もなく、音質も優れた通話が実際に使ってみてできていることを申し添えます。
遅延や、音質は使うソフトフォンアプリに左右されることが多く、また設定によるところも大きいので、アプリを適切に選び、適切に設定すれば問題ありません。
3.初期費用、月額利用料ともに無料です
通話発信の場合に通話料のみが発生します(もちろん着信は無料)。
ブラステル同士は無料ですから、家族でそれぞれブラステル電番を保有すれば家族間は無料になります。
4.0120 に発信できる(ブラステル特長の一つ)
様々なサービスの問い合わせや、サポートなどに電話する必要があるときに 0120 番号に通話発信できるのは大変便利です。かからないサービスもありますが、殆どの場合、OK です。
ソフトバンク系のように 050 からだと 0120 では受け付けないというところもありますが、ほかは OK です。なぜソフトバンク系が受け付けないのか不思議です。
おそらく、050 では最初からダメと決めつけているのでしょう。
ほかの ITSP でも例えば 050Plus などはごく一部限定で 0120 にかけられますが、ブラステルほど殆ど OK、ではありません。
5.銀行の口座開設時にイエデンとして認められる
(ブラステルに限らず 050 共通)
携帯電話番号では口座開設できませんが、個人でも法人でも 050 番号は口座開設時の電番として認められています。
また、お子さんが幼稚園入園などで連絡先電番が必要なときにも使えます。
法的には、従来型固定電話=050電話 > 携帯電話 となっていて問題はありません。
もちろん、ほかの社会インフラなどへの連絡先電番として使えますので、まったく問題ありません。
6.転居時や、ネット契約変更時に電番を移行する必要がない
(050 共通)
昔からのメタル線のアナログ電話にしろ、ひかり電話(これは IP電話です)にしろ、転居やネット回線業者を変更する際に電番を引き継ぐには結構大変な手続きと費用が発生します。
また、引継ぎできないケースもあります。
光コラボ契約時に新設したひかり電話の場合は、ネット回線業者変更時には電番を引き継げません。
フレッツで使っていた電番でも引き継げるのはアナログに戻せる電番だけです。
もちろん、電番が変更になると、いろいろなところへの電番変更の連絡手続きが発生します。
親族・友人・知人、銀行、社会インフラ、保険会社、カード会社、ETC、クルマディラー等々、どこに変更連絡すればいいか一々覚えていないのではありませんか。
050 変更に際して、一回だけこの煩わしい手続きを踏んでください。
あとは、この 050 電番をずーっと使い続ける限り、転居しようが、ネット回線を変えようが、電番の変更連絡など不要になります。
7.050 の ITSP 業者って大丈夫?
(050 共通)
どんなサービスであれ、永久に(生きている限りですが)持続する保障はありません。
東証一部上場の一流企業でも二部転落や、倒産、売却などがあり、そのときにそれまでに受けていたサービスが影響を受けないという保障はありません。
NTT といえども将来に渡って今のサービスが保障されているわけではありません。法律や政府によって、突然変わるということはないかも知れませんが、制度は変わり得ると考えるのが自然です。
実際、NTT 内部インフラはすでに IP 化され始めています。ラスト1マイルが全 IP 化するのは時間の問題でしょう。
ブラステルの場合、昨年の売上規模は国内で35億円ほどの中堅企業(外資系)です。全世界ではその何倍もの売上規模を持っています。
まぁ、なくなったらそのときに最適と思えるほかの ITSP に変えれば済むことです。
ですから、050 への変更時の電番変更連絡先をメモして、備えておきましょう。
殆ど杞憂に終わると思いますが(ワタシの感想であって、保障するものではありませんので、悪しからず)。
8.チャージ方式について
ブラステルは通話に際して、あらかじめ一定額をチャージし、チャージされた金額範囲で有料発信できます。
チャージは代理店とカードで行う場合は 500円からです。
コンビニでチャージの場合は 2,000円からです。
2,000円でどれくらい通話ができるかというと、国内固定電話向けで 11.5時間です。ほぼ、半日通話しっぱなしできる、ということです。
また、家族向けに複数電番を利用する際はトランスファーといって、チャージした電番から、ほかの電番に 500円単位でチャージを移すことができます。
気をつけないといけないのは、年に一回は有料発信することです。
そうすれば、その有料発信時から1年間、電番の有効期限が再設定されます。
有効期限が切れてしまうと、その時点でその電番は使えなくなります。
チャージ方式がいいか悪いかは意見の別れるところです。
チャージ金額が少なくなって再チャージするのが面倒くさい、ということもあるでしょう。
見方を変えてみれば、チャージ方式も悪くはありません。万々が一アカウントを乗っ取られてもチャージ金額までの損失で済む、ということでもあるのです。
IP 電話は乗っ取り被害は結構ありますが、適切なセキュリティ対策がなされていれば、そんな心配は無用です。
ひかり電話とて同じリスクはあります。
こちらはカードまたは口座払いでしょうから、ごっそり持っていかれるリスクがあります。
ブラステルの場合もオートチャージといって一定残額になったら 500円単位から自動再チャージの仕組みはありますが、私はあえてカードでの自動再チャージは設定しないでいます。
万一の場合の被害額を少額にしておきたいからです。
9.緊急電話がかけられない
(050 共通)
これは、050 サービス側の問題ではなく、緊急電話側の問題です。
位置特定ができない、というのが理由ですが、いまは携帯電話は OK です。
その昔は、携帯電話からの緊急電話も NG でした。理由は位置特定できない、だったのです。
GPS でいくらでもピンポイントで位置特定できる時代に、なんとも考え方が遅れています。
110/119 などの緊急電話がかけられませんが、携帯電話番号からはかけられるので問題ありません。
携帯電話番号は、この緊急電話のためだけに保持しているということです。
MVNO の場合、通話付きだと通常 700円前後/月額 がデータ通信にプラスしてかかりますが、それでも固定電話・携帯電話と利用するケースに比べればわずかです。
また NTT の3桁サービスも使えませんが、これは NTT がサービス開放していないためで、050 側の問題ではありません。
これも携帯電話からは OK ですから割り切れば済むことです。
10.FAX は使えるの?
FAX って一般家庭では年に1回あるかないかですが、それでも FAX 付き電話機の方もいらっしゃると思います。
ブラステルの場合、FAX は公式にはサポート外ですが、T.38 をやめて T.30 にすればできるようです。
アナログ電話機(FAX 付きを含む)を接続する場合、ATA (Analogue Telephony Adapter) をインターネットと電話機の間に接続しますが、T.38 パススルー設定 (T.30 設定) できるタイプの ATA があります。
例えば、Grandstream 社の HT701/702 はこの設定ができます。
ワタシの場合は、Asterisk で FAX が使えるようにしてあり、電話機自体は FAX 機能は付いていません。
また、Fusion は加入料/月額費用は無料で、少し通話料はブラステルよりも高めですが、T.38 FAX が使えますので、受信専用にする手もあります。
この場合は2回線使える HT702 がいいかも知れません。
11.スマホだけ(ATA なし)運用もできる
電話機を使わないで、スマホに登録しただけでそのスマホ(複数デバイス OK)をイエデンとして使えます。
家では WiFi で、外では LTE で使えば、「いつでもどこでもイエデン」になります。
つまり、スマホだけで銀行口座も開設できる電番が手に入るというわけです。
これは、わざわざ電話回線を引けない方には有り難いのではないでしょうか。
我が家では、ATA に一般の電話機を接続していますが、スマホにも登録してありますので、普段の発着信はスマホで使っています。
通話相手には 050 だといわなければわからないほど、これまでのひかり電話と同じように音声品質もよく、遅延もなく問題なく会話できています。
11月にひかり電話は完全廃止する予定ですが、それまでは、ひかり電話をイエデン化したブラステルの電番に Asterisk で転送設定してあり、通知していないところからいまだにひかり電話に着信、ブラステルに転送、受話、していますが相手はまさか転送されているとは気がついていないと思います。
12.ブラステルには留守電機能がない
ブラステル自体にはセンター側で預かる留守電機能はありません。
ATA に接続した電話機の留守電機能を使うことになりますが、これはひかり電話時代と同じ使い方ですので、違和感はありません(もっとも Asterisk を使って別途留守電も機能するようにしていますが)。
スマホだけで運用の際は、自動着信・通話録音すると留守電代わりになります。
13.ブラステルの転送は発信元電番が表示されない
ブラステル自体の転送機能は発信元電番が表示されないので、どこからかかった電話なのかが電番ではわかりません。
これはブラステルの欠点です。
唯一の欠点かも知れません。
転送は発信元電番が表示されないとホントには使えませんネ。
Fusion はきちんと発信元電番が転送先に通知されますから、問題ないのですが。
ブラステルもこの点を改善してもらいたいものです(一般の人たちが普通に転送が使えるように、です)。
我が家の転送は、発信元電番が表示されるように Asterisk で設定してありますから、どこからの電話かは番号が一目瞭然で、問題はないようにしてありますが、どなたでもできることではありませんから、改善点だと思います。
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