前回は googletts を設定しました。
今回はボイスメール(留守電)の設定をします。
例えばひかり電話に限らず、留守電って有料のケースが多いのです。
もっとも電話機の留守録機能でもできるのですが、IP 電話だと留守録機能があるところとないところがあります。
例えば、ブラステルにはまだ留守録機能がありません。
FUSION IP-Phone Smart は無料で留守録機能が使えます。
Asterisk を使えば無料で留守録し放題、というわけです。
そこで今回は留守録機能を設定します。
-------------------------------------------------------------------------------------------
❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする
❏ Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる
❏ Asterisk にボイスメールを設定する ⇐ いまココ
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる
❏ Asterisk の各種設定ファイル
-------------------------------------------------------------------------------------------
今回は変則的方法と正攻法の2つについて記述します。
①
FUSION
IP-Phone Smart を利用する方法
これは FUSION IP-Phone Smart(A)
から FUSION
IP-Phone Smart (B) 呼出しで
留守電にするというものです。
この場合、(B)
はあらかじめ
FUSION
IP-Phone Smart のマイページで留守電&
メール通知設定しておきます。
また(A)=(B)
の場合は自分自身への呼出しですからビジーになりますので
必ず留守電になる、これを利用します。
本来の電番に着信時、extensions.conf
で FUSION
IP-Phone Smart 電番から自分自身を
呼出すように設定しておくと、必ず留守電になるということです。
FUSION
IP-Phone Smart は加入料ゼロ、発信時のみ課金、FUSION
IP-Phone Smart
同士、および提携
ITSP との間は無料なので、留守電に使う分には無料で済ませられる
ことになります。
ただし、この方法での留守録ではメールに留守電音声は添付されますが、発信者は(A)
に
なってしまいます。
これが唯一の欠点といえますが、電話の着信記録には誰からか、が記録されていますから
わからなくはないでしょう。
sip.conf
に FUSION
IP-Phone Smart の電番を register
設定します
(下記事例では’fusion’)。
extensions.conf
に以下を記述します(FUSIONNUMBER はregister した電番)。
exten
=> s,1,Dial(SIP/${FUSIONNUMBER}@fusion)
exten
=> s,n,Hangup()
;********
FUSION IP-Phone Smart は、自分自身をコールすると留守電になる。
;********
留守電は通知メールアドレスに添付ファイル付きメールで通知される。
② Asterisk の Voicemail 機能を設定する方法
まず、留守録をメール添付して通知するためメール送信パッケージをインストールします。
#
apt-get update
#
apt-get install ssmtp mailutils
次にメール送信のため、
ssmtp
を設定します。
#
leafpad /etc/ssmtp/ssmtp.conf
オリジナルのファイル内容を以下の内容で書き換えます。
ここではメール通知に gmail を使った例になっていますが、もちろん現在ご使用の gmail
以外のメールアカウントでも構いません。
root=gmailアカウント名
➡
xxxx@gmail.com
Mailhub=smtp.gmail.com:587
AuthUser=gmailのユーザ名
➡
@の前の名前
AuthPass=gmailのパスワード
➡
パスワードに記号 ’#’
などが含まれると認証エラーになる
AuthMethod=LOGIN
UseSTARTTLS=Yes
UseTLS=Yes
hostname=gmail.com
➡
初期値の ‘raspberrypi’
ではあとで設定する FAX(hylafax)で DNS
エラーとなるので変更しておきます。
**「gmail
の
パスワード」は2段階認証がオンの場合、通常パスワードではエラーになる。
のアカウント
へのログイン
➡ アプリパスワード ➡ 新規に追加する。
「アプリを選択
➡ “メール”」「端末を選択 ➡ その他(名前を入力)
=
“RaspberryPi”」
「生成」ボタンをクリック
➡ 新しいパスワードが提示されるので、そのパスワードを上の
「gmail
のパスワード」欄に入力する。
次に
asterisk.conf
の以下の箇所を変更します(これはすでに設定しているでしょう)。
#
leafpad /etc/asterisk/asterisk.conf
languageprefix=yes
defaultlangeage=ja
続いて voicemail.conf
を編集します。
#
leafpad /etc/asterisk/voicemail.conf
[general]
format=wav49
servermail=asterisk
attach=yes
maxmsg=999 ;
最大保存メッセージ
maxsecs=180 ;
最大メッセージ長(録音時間:秒)
skipms=3000 ;
デフォルトのまま
maxsolence=10 ;
最大無音許容時間(この時間内(s)に録音されなければ切断)
silencethreshold=128 ;
maxlogins=3 ;
最大ログイン数
charset=UTF-8 ;
日本語メールのための文字セットをUTF-8にする
emailsubject=[PBX]:
音声メールボックス:
${VM_MAILBOX} の
${VM_MSGNUM}
番に新しいメッセージです
;
メールの題名
emailbody=電
話 番 号:
${VM_CALLERID}¥n¥nメッセージ長:
${VM_MSGNUM} 秒\n¥n${VM_DATE}¥n¥n¥t¥t---
by Asterisk Server
emaildateformat=着
信 日 時:
%Y/%m/%d, %r
mailcmd=/usr/sbin/sendmail
-t ; コメントアウトを外す(sendmailを指定)
saycid=yes
sendvoicemail=yes
delete=yes ; 個別メールボックスのボイスメールを通知送信後に削除
[zonemessages]
japan=Japan|Q
PHM ‘jp-ni’ ‘vm-received’
[default]
500
=>
1111,名前・任意,gmailsアドレス,,delete=1|tz=japan
; 1111 はメッセージを再生するときのパスワード
;
送信先名前、送信先メールアドレス、タイムゾーン
** ”delete=1" は通知メール後に、ボイスメールを削除
extensions.conf
の内容は巻末の設定ファイル内容で確認ください(留意事項だけ以下に記載)。
ボイスメールを録音するアプリケーションは Voicemail(’番号’) で、再生するときの
アプリケーションが VoiceMailMain('番号',[s])になります。
VoiceMailMain アプリケーションは最新バージョンでは 's' オプションでパスワード入力が
不要になります。
VoiceMailMain(${CALLERID(num)},s)
➡ 呼び出す人の番号でメールボックスに保存している場合の再生のとき。
呼び出す番号を間違った場合にも留守録できるよう、共通の音声メールボックス
として例えば 500
番を使用する場合は下記のように記述します。
Voicemail(500) ; 留守録音時
VoiceMailMail(500,s) ; 再生時
留守録されると、留守録が添付されてメール送信されてきます。
また、再生用の
exten
に設定の内線番号を呼び出すと、留守電の確認が音声でできます。
(留守電ボックス番号は例では「500」、パスワード「1111」は 's' オプションで不要です)。
留守電内容を内線で確認するときの(IVRの)ダイヤル数字のそれぞれの意味は
次のようになっています。
1:
メッセージ聴取
2:
フォルダの変更
0:
新規メッセージフォルダ
1:
聴取済みメッセージフォルダ
2:
ワークメッセージフォルダ
3:
家族メッセージフォルダ
4:
友人メッセージフォルダ
#:
キャンセル
3:
アドバンスオプション
1:
返信
3:
録音メッセージの再生
5:
録音
*:
メインメニューに戻る
4:
前のメッセージを再生
5:
現在のメッセージを繰り返す
6:
次のメッセージを再生
7:
現在のメッセージを削除
8:
他のメールボックスに転送
9:
他のフォルダに移動
0:
メールボックスオプション
1:
不在時(呼出タイムアウトや電源未投入等)等の応答メッセージの録音
2:
話中時の応答メッセージの録音
3:
ユーザ名の録音
4:
パスワードの変更
*:
メインメニューに戻る
*:
ヘルプ/再生中は巻き戻し
#:
終了/再生中は早送り
今回はボイスメールの設定までを記載しました。
次回は FAX の設定をします。