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2020-01-06

Mac HDD モデルは外付け SSD で速くなる




古いか新しいモデルかを問わず、HDD モデルは SSD を外付け起動ディスクとして使用すると動作が速くなります。




結論的なことを先にいいますと、古い USB2.0 ポートの iMac HDD モデルでも確実に速くなるのです。




SSD は大きく次の3種類あります。


  1.  SATA SSD(SSD 性能:500 MB/s 前後)

     インタフェース速度: 5 Gbps(USB3.0)

     SATA 速度・最大 6 Gbps



  2.  USB3.1 Gen2 対応の SSD(SSD 性能:800 〜 1000 MB/s 程度)

     インターフェース速度・最大 10 Gbps

     SSD は M.2 NVMe SSD:1000 MB/s 以上の性能の SSD



  3.  Thunderbolt3 + M.2 PCIe3.0x4 NVMe SSD(SSD 性能:2000 MB/s 以上)

     インターフェース速度・最大 40 Gbps





これらは Sequential R/W の性能値ですが、普通に使っていて速さや遅さを感じるのはほとんど Random R/W の性能に依存します。



ファイルコピーなどは Sequential R/W 性能が効いてきますが、大量にしょっちゅうコピーでもしない限りはあまり影響はないでしょう 。








次の実測値は SanDisk SDSSDH3-500G-G25 を ineo の C2561c ケースに装着して USB3.0 接続で計測したものです。



USB3.1 Gen2 ならばもっと速度はでますが、ここでは本題から外れますので触れません。




この SSD は マザーボードの SATA-III スロットに差し込んだ場合の最大性能値は Read
:560 MB/s、Write:530 MB/s となっています。



外付けの場合はその性能値の 70 〜 75 % ですが、それでも十分に速い。









一方 iMac 2019 の HDD の実測値は次のようになっています。

どの時期の iMac かによらず、HDD モデルはほぼこのような性能値と思います。









注目すべきは、Random R/W は HDD が 1 MB/s 前後なのに比して、SSD は 100 MB/s 前後と100 倍ほどの性能である点です。




同じ SSD を USB2.0 ケーブルで接続した場合の実測値が次に示すものです。





 




USB2.0 の場合はインターフェース速度が最大で 480 Mbps ですから同じ SSD が Sequential R/W は 45 MB/s 前後にとどまり、HDD の約半分です。



この SSD が持つ本来の性能を得られないので効果を期待できないと思いがちですが、そんなことはないのです。



Random R/W 性能が HDD に比して 10 倍以上という性能が、実運用上は効いてきて「速さ」を体感できます。


その結果 HDD のときのようにアプリ起動が遅い、レインボーマークがしばしばでる、というようなストレスを感じる場面は大いに減ると思います。



さらに iMac 起動時間も大幅に短縮されます。




実際に起動時間は iMac 2019 でも HDD の場合は 1 分を軽く越えますが、SSD は USB2.0 接続時でも 30 〜 40 s です。


  ※ USB3.0 ポートでも、USB2.0 ケーブル使用時は USB2.0 接続性能になる




この Random R/W 性能の向上が、ほかの色々な処理でも体感できる速さにつながってきます。



ですから iMac 2011 以前のモデルのように古くて USB3.0 ではなく USB2.0 であっても、実効果がありますので安価な SSD で構わないので使った方がいい、ということになります。



ネットでの事例はこの点に触れたケースは皆無です。


最初から USB2.0 は性能面で「使えない」という先入観があるのでしょうか。







古い iMac HDD モデル(USB2.0 モデル)の性能向上は Thunderbolt 1 接続できる SATA SSD の事例しかありません(Transcend StoreJet)。



Transcend StoreJet は SATA SSD のため Thunderbolt1 の性能を十分には引き出せておらず、SATA 性能で抑えられています。



USB2.0 であってもあえて SSD を外付け起動ディスクにするというのは、SSD が持つ本来的な性能は得られなくても 5,000 円程度で体感的な性能向上を得られるのです。





ましてや USB3.0 や USB3.1 インタフェースを備えた機種ならばシーケンシャルも激速になりますから、HDD モデルの場合は起動ディスクを外付け SSD に変えない手は "な・い・や・ろ〜〜!?" です。





一番効果があるのは Thunnderbolt 対応デバイスを Thunderbolt で接続することです。



Thunderbolt 1/2/3 を問わず、その機種で望み得る最大性能を得ることが可能ですが、少々投資コストもかさみます。



とくに Thunderbolt 1/2 の場合は現時点では選択肢がほとんどありません。




なぜかというと Thunderbolt 1/2 は Apple から見捨てられたインターフェースなので、これに対応したデバイスはもはや在庫があるのみで、新しく製造されないと思われるからです。


しかも、結構高くつきます。







Thunderbolt 3 ポートを備えた機種ならば、



 " M.2 PCIe3x4 NVMe SSD + Thunderbolt 3 ケース + Thunderbolt 3 ケーブル "



の組み合わせで起動ディスクを作成して外付けで使用すると次のように爆速化します。









この場合の投資コストは、500 GB SSD の場合で、ケース・ケーブルを合わせて 27,000 円程度です(M.2 NVMe SSD が 12,000 円程度、ケース [ケーブル付き] が 15,000 円程度)。


250 GB ならばさらに 4,000 円程度安くて済みます。







ほかの手段は? というと、iMac を開けて HDD を SATA SSD に換装する手がありますが、一般の方にはハードルが高く、失敗のリスクがあります。



買い換えるのを前提で、そこそこの技術と労力で換装するのはありでしょう。

失敗ならば、買い換えるつもりでしょうから。


でもまだ現役で使い続けたい場合、「外付け SSD」でもその効果を期待できます。






かりに将来買い替えた場合でも、投資した SSD は新しい HDD モデルとの間で Fusion Drive 化するなり、TimeMacine にするなどの活用が可能ですので、全くの無駄にはなりません。




少なくとも High Sierra のサポートが終了すると思われる 2020/秋まではリスクなしで現役で使えますし、その頃には Catalina 後継 OSもデリバリーされているでしょうし、Catalina 自体もいまよりは安定しているでしょうから。












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