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2023-08-16

Mac mini M1 の SSD を換装した猛者(?) [2023/08/18 更新]

 

 

GetNavi web に Mac mini M1 の SSD を換装した人がいる、との記事がありました。

 

たとえば M2 Mac mini の場合、256GB モデルと 2TBモデルでは 11万円以上も価格差 があり、それで換装を強行したみたいです。

 

 

 

M1 以前の Mac はネジを外して簡単に換装できました。

 

しかし、Mac mini M1 の SSD 換装は極めて難易度が高く、ハイリスクです。

 

このようなリスクを背負ってまで換装する意味があるのかは疑問です。

 

 

外付けの M.2 SSD を Thunderbolt3(または 4)で接続し、これを起動ディスク化すれば済むからです。

 

Thunderbolt3/4 で接続するとマザーボードのバスに接続した PCIe と等価な接続になります。

 

つまり、実態的にマザーボードに PCIe カードを差し込んで、これに M.2 SSD を装着したことになるのです。

 

換装ではなくディスク増設です。

 

この増設ディスクを起動ディスクにするということですから換装リスクを回避できるということです。

 

 

ウチの Mac mini M1 は 256GB 版ですが、512GB の M2.SSD NVMe(Kingmax 512GB)を Thunderbolt3 接続し、起動ディスクとして使用しています。


 

現在の空きは 内蔵SSD が 256GB のうち 180GB ほど、Kingmax 512GB が 512GB のうち 290GB 弱です。

 

Mac デバイス情報では次のように PCIe になっているのがわかります。

 

上が内蔵SSD、下が外付けSSD です。

 



 

 

 

 

Mac mini M1 内蔵ディスクの性能値は次のようになっています。




一方、Kingmax 512GB は次の性能値です。

"PCIe" 表示のように、Thunderbolt3 は マザーボードの PCIe 接続と等価


 

 

単純に比較するとシーケンシャル Read/Write は内蔵SSD が大変高速で優れています。

 

ですがランダム性能値はさほど高性能ではないのです。

 

 

Kingmax 512GB も結構速く、ランダム性能値も悪くはありません。

 

RND4K/QD64 値はむしろ内蔵SSD を凌駕しています。

 ※ RND4K/QD64 は、4KB ファイルのランダム読み書きを、64個同時に実行する

 

 

 

参考までに Western Digital Black 500GB について AmorphousDiskMark 3.1 での性能値は次です。




 

こちらもランダム性能値はよく、RND4K/QD64 は内蔵SSD を凌駕しています。

 

 

単純なファイルコピーはシーケンシャル性能に依存します。

 

 

 

しかし通常処理の多くはランダム性能値が大きく影響します。

 

 

わざわざリスクを背負ってまで換装する必要はないのです。

 

 

外付けSSD で 1GB(内蔵の場合:+56,000円)でも 2GB(内蔵の場合:+112,000円)でも好きなだけ載せて起動ディスク化すれば済みます。

 

 

現在 SSD の価格は以前よりは安くなっており、1TB では 1万円切りしていますし、2TB でも 2万円前後です。

 

 

SSD を載せる Thunderbolt3/4 のケースは 1〜2万円です。

 

この費用を含めても、純正で内蔵SSD の高容量タイプを CTO 選択するよりも安くて済みます。

 

 

ウチの Mac の周辺装置を含めた接続図は下記のようになっています。

 


 

 

StarTech Thunderbolt3 拡張ボックスに Kingmax 512GB 用の PCIe カードを装着して使っています。

 

少々高いのですが、Thunderbolt3 ポートを余分に空けておくためです。

 

現在 Luna Display ドングルを挿していませんので Thunderbolt3 ポートは一つ空いています。

 

 

Mac mini M1 のもう一つの Thunderbolt3 ポートは Wavlink のドッキングステーションを接続してあります。

 

その結果、Wavlink と StarTech 拡張ボックスに、それぞれ Thunderbolt3 ポートの空きがあります。

 

 

ちなみに iMac 2019 の方は HDD モデルですが、こちらは Samsung 970 EVO plus 250GB を起動ディスク化しています。

 

HDD モデルは安いのですが、動作は遅いので M.2 SSD を外付けで起動ディスクにして高速化しているのです。

 

 

 

 

外付け SSD を起動ディスク化すると内蔵ディスクの書き込みがなくなりますから、寿命が伸びるというメリットがあります。

 


SSD だけを見ると外付けと内蔵で 2倍に長寿命化するわけです。



S.M.A.R.T.Smart-mon-tools)で SSD のチェックをすれば、交換時期を判断できます。

 

 

Kingmax 512GB の S.M.A.R.T. の Health Information は今日現在次のようになっています。

 

SMART/Health Information (NVMe Log 0x02)
Critical Warning:                               0x00
Temperature:                                     47 Celsius
Available Spare:                                100%
Available Spare Threshold:               5%
Percentage Used:                               2%
Data Units Read:                               13,050,604 [6.68 TB]
Data Units Written:                           9,195,233 [4.70 TB]
Host Read Commands:                     294,011,271
Host Write Commands:                    189,352,651
Controller Busy Time:                      508
Power Cycles:                                   36,712
Power On Hours:                              20,820
Unsafe Shutdowns:                           162
Media and Data Integrity Errors:      0
Error Information Log Entries:         51,460
Warning  Comp. Temperature Time:0
Critical Comp. Temperature Time:   0

 

 

Spare 領域がまだ十分に残っているか、Write 量が 150TB を上限とみた場合に対し、現在までにどれくらいの書き込みが行われたか、が交換時期の目安です。

 

Spare 領域は SSD メモリ素子の部分エラーで代替として使われる領域です。


SSD には一定の代替領域が必ず用意されています。


 

上の Health InformationAvailable Spare Threshold: 5% に対して実際の使用率 Percentage Used: 2% はまだ余裕があることを示しています。

 

Data Units Written: 9,195,233 [4.70 TB] は書き込み量上限値といわれる 150TB よりも格段に少ない書き込み量ですから、こちらも問題はありません。


Percentage Used: 4% になる方が早いかもしれず、この数値になったら交換でしょう。


まだ最低でも数年は大丈夫でしょう。

 

 

これは内蔵か外付けかで違いはありません。

 


SSD の寿命は特殊な使い方で激しく書き込みをしない限り 10年以上です。

 

 

macOS の最新版サポートがなくなる方が SSD 寿命よりも早いので、Mac の買い替えは OS サポートがなくなったときになるでしょう。


 

 

 

 

 

 

 


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