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2017-06-21

ブラステルのいいところ、悪いところ

ブラステルの利点と悪い(改善して欲しい)ところをいくつか挙げていきたいと思います。



ブラステルカード(左は表、右が裏)


ブラステルは、「ブラステルカード」というもので取り扱われています。

このカードはコンビニなどに置いてあり、無料です。

カードの裏側に、そのカード固有のアクセスコードと、PIN番号、初期パスワードが見えないようにスクラッチされています。使用に際してはこのスクラッチ部分をコインなどで削って使います。

カードだけで、第三者課金サービス* や、国際発信サービス、国際送金サービスなどが受けられます。

※ 第三者課金とは、プレフィックス型の発信サービスで、このサービスが定める料金で
  発信できるサービスをいいます。
  NTT や携帯サービス会社が定める料金によらない、一般に、それらよりは安い料金で
  使えるサービスです。


公式アプリ「050 Free」を Google play (iPhone の場合は AppStore) からダウンロードし、最初の起動時に、アクセスコードと初期パスワードを入力すると、sms 認証のあとで、050 番号が発行されます(iPhone の場合は少し手順が異なります)。

sms 認証手段がない場合は電話で認証コードを発行して貰えます。

これについてはブラステルのホームページの「インターネット電話」→「050 Free」に詳しく記述されています。


【利点1】遅延が少ない、音声品質がいい

IP 電話ですから、これが一番大事なポイントです。いろいろある 050 サービスの中でもピカイチだろうと思っています。

しかし、ネットの遅延が大きいと、いくらブラステルがいいといっても、その魅力を十分には引き出せません。

ping 値 100ms以下がギリギリでしょう。できれば、50ms以下が望ましい。
固定ネットの場合は、ADSL では不安定な ping 値になりがちです。

光回線の場合は 10ms 前後だと思いますので、快適に使えると思います。

モバイルはどうでしょうか。

3代キャリアは概ね 4〜50ms 程度なので、問題はありません。
MVNOの場合、3大キャリア並みのところもありますが、中には100ms を超えるところもあります。

平均的には、混雑する週日の正午前後で 80ms程度です。この範囲ならばまず、使えるといっていいでしょう。
帯域はどうでしょうか。コーデックに μLaw を使った場合でも200kbps あればまず、問題ありません。

LTE の制限量を超えると、大抵の場合、100〜200kbps に制限するところが殆どですが、実質帯域がどうか、というのが問題です。

100kbps ではブツブツ切れると思います。
安定的に 200kbps でることが求められます。

MVNO の陰の良し悪しは、実はこの点もあるのです。

バーストはブラウザなどでは有効ですが、sip の場合バーストするかどうかは、殆ど関係ありません。
一般には LTE の速度を気にしますが、IP 電話から見ると、ping 値、速度の安定性、とくに低速制限時の実質帯域が大事です。


【利点2】複数端末にレジストできる

ブラステルがほかの 050 サービスと一番異なっているがこの点です。

ほかは、最後にレジストした端末しか有効ではありません。

固定電話化したときでも ATA(アナログ・テレフォン・アダプター)も端末の一つです。

複数端末にレジストでき、着信が複数端末にきて、どれかをオフフックすれば、ほかの端末が鳴動停止する、これはスゴいことです。

例えば、ATA 使って固定電話化し、併せてスマホにも設定したとします。

着信は、どちらも鳴動します。例え、スマホを外で使っていても鳴動します。

このときに固定電話でもスマホでも着信を受け取れるのです。

我が家でイエデン化を行うにあたって考慮したポイントの一つです。

家族のスマホにイエデン番号をそれぞれ設定したとします。

それぞれがまったく別々の場所で誰かが着信を受け取ることも可能です。


【利点3】通話料が安い

業界最安値といっていいでしょう。

実は、モバイル向け通話料がブラステルよりも少し安い事業者が1社ありますが、例えば、31秒通話の場合だと、ブラステルが安いのです。
少し安い事業者は1分課金です。これに対してブラステルは30秒課金(2017/12/15 料金改定で1分課金になった)なので、こういう結果になるのです。実質この部分でも最安値、といっても差し支えないでしょう。

料金改定で差は殆どなくなってしまいました。
では、どれくらいなのでしょうか(以下は税抜)。

         国内固定電話向け  国内IP電話向け  国内携帯電話向け
  ブラステル    8円/3分       8円/3分      18円/1分***
  ひかり電話    8円/3分               10.5円/3分     16円/1分
  携帯電話*     14〜15.5円/30秒      ←               15.5〜17.5円/30秒
  携帯電話**     20円/30秒       ←                        ←

  *  ドコモの場合、プランにより異なる。
  ** MVNO の場合。第三者課金サービス(プレフィックス型電話)利用時半額
  *** 2019-2-1 再改定され 18円/1分(税抜)となり優位性はなくなってしまった。

一般携帯電話と比較すると、ダントツの安さです。

ひかり電話と比較しても 5円/1分、違います。第三者課金サービスとの比較でも約半額で済みます。

海外向けはもっと安くて済むケースが多い。
例えば、フランス向けの場合 3.99円/1分です。

ひかり電話が 20円/1分ですから、劇的安さです。
しかもブラステルの場合、6秒課金ですから、無駄が非常に少ないという利点も有ります。

例えば1分1秒かけたとします。ブラステルが 4.39円に対して、
ひかり電話の場合は 40円です。


【利点4】0120 が使える

これは、ほかには 050Plus(NTTコミュニケーションズ)が有りますが、050PLusの場合は、同じNTTコミュニケーションズの 0120 サービスに限定されます。
ブラステルでもすべての 0120 にかけられるわけではないのですが、大抵はかかるようです。
例えば、海外在住時に日本国内の 0120 にかけたいときなど、非常に重宝すると思います。

海外といえば、ブラステルの場合、ネットさえ繋がれば、日本の固定電話や携帯電話に、国内と同じ通話料でかけられます。

とくに国番号の指定などは要りません。
つまり、国内にいるのとまったく同じです。

これは、ブラステルを使っている人に、ほかの人が電話するときも同じです。

つまり、海外にいるブラステル電話に国内から、国内通話料でかけられる、ということです。

あたかもワンナンバーのように使えるのです。


海外で国内電話をなさるなら、大変おすすめです。


【利点5】転送機能がある

ブラステルにかかってきた電話を、例えば携帯電話に転送設定することができます。
着信から 60秒以内で何秒で転送するかを設定できます。
一般的には転送サービスは月額利用料がかかりますが、ブラステルは無料です。


ただし、転送先には転送元の番号が表示され、最初の発信元番号は表示されません。

あとで記述する「欠点」の一つに留守電機能がないことがありますが、FUSION IP-Phone SMART と組み合わせれば簡易留守電を行うことができます。
これは FUSION IP-Phone SMART に留守電設定しておいて、ここにブラステルから転送するのです。
そうすると、FUSION IP-Phone SMART の留守電に録音され、メールで通知が貰えます。残念なのは、発信元番号が転送したブラステル番号になってしまうことです。

国際転送サービスというのが別にあります。これは、固定電話や一般携帯などを国際転送することで、例えば、

  携帯電話 →(転送)→ ブラステル番号 →(国際転送)→ 海外現地の電話

といったことが可能になります。

この時の料金は携帯電話からブラステルは携帯電話の通話料(発信者負担)、ブラステル番号から国際転送サービスへは国内通話料(ブラステル番号利用者負担)、国際転送時は国際通話料(ブラステル番号利用者負担)になりますが、国内でかかる通話料も国際通話料もブラステルの安い料金ですから、高い国際ローミングを使わなくてすみます。

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いいことばかり記述してきましたが、ものごとには勿論欠点もあります。
決定的に欠点になるかどうかは、利用する人の使い方や環境などに左右されるところもありますので、利点と併せて、皆さんがご判断ください。

【欠点1】ブラステル以外への発信時に残高に関するアナウンスが流れてわずらわしい

発信の際に「こちらはブラステルです。◯◯分お話しできます。ブラステルのご利用ありがとうございます。このまましばらくお待ち下さい」というアナウンスが流れます。

このアナウンスの途中で接続開始しているので、待ち時間が実質的にあるわけではないし、発信相手に聞こえるわけでもないのですが、これを便利と捉えるか、不便と捉えるかは意見の別れるところです。

「◯◯分お話しできます」というアナウンスで残高があるということがわかるので公式版の 050 Free アプリ以外の、ほかの IP 電話アプリでもわかる点はいいのですが、チョット煩わしい感じはします。

これは「ブラステルの見解」では公衆電話などからかける人たちに必要、ということですが、おそらく不要と考える人たちの方が多いのではないでしょうか。

これが理由ならば、マイページで「要」/「不要」を選択できるようにして欲しいと要望していますが「検討する」といってきてから1年以上放置されており、最大の不満点です。

家族などがかける際にこのアナウンスに戸惑うのです。 

最もヤメていただきたい点です。

 

発信時にダイヤルボタンで「**(アスタリスク二つ)」を押すとこのアナウンスは中止されます。

これよりも問題なのは、ときに CM が、先のアナウンスの前に入ることがあることです。これはカスタマーサービスに電話すれば(0120 で電話できます)、なくしてもらえますが、初めて使う人に大変失礼な CM です。

これはブラステルには抗議しています。

まあ、なくしてもらえるのですが、そのことがブラステルのホームページにも、公式アプリでもわからないことも問題です。

これは明らかな「欠点」といえます。



【欠点2】チャージ方式

ブラステルは 050 番号取得から 30日以内に「050 Free」という公式アプリからレジストしないと、カード(050番号)が無効になります。これは、単にやればいいだけのことですから、欠点というほどではないのですが。

加入料も月額利用料もかからない代わりに、有料通話のためのチャージが必要です。
ブラステル同士は無料ですが、少し注意が必要です。というのは、ルールが変更されて、2017/07/10より有効期限が 050 番号取得日から1年になりました。

1年以内に有料利用(発信)がなければ、050番号は抹消されます。
まぁ、これはチャージするか、クレジットトランスファーするかして有料使用(通話)すればいいだけのことですが。

1年以内に、チャージ(通話料にあてられます)するか、有料発信(チャージを使って有料発信先に通話利用すること)がないと、無効になります。
チャージはコンビニで簡単に行なえますが、最低チャージ額は 2,000円です。代理店がいくつかあり(どうも外国人居住者がチャージ代行してるっぽい)、ここでは 500円からチャージできます。

また、クレジットカードによるチャージもできます。
この場合は、500円からチャージ可能で、チャージ額が一定額を下回ったら自動的に追加チャージする、ということができます。

有料発信(通話)すれば、その時点から有効期間が1年になります。この有効期間は有料発信の都度更新されますから、事実上、有効期限なし、ともいえます。

電話をかける頻度が極端に少ない、とか、複数番号を取得していて主に使う番号は有料発信するけれど、ほかはそうでもない、とかで、知らず知らず1年間有料発信がされなかった、というような場合は抹消されるので注意が必要です。

発信が極端に少ない場合は、月に1度は自分の携帯番号に発信するなどの、決まった管理方法が必要でしょう。

これも 30秒以内でいいので、5.94円(税込)で済みます。
1年間でも71.28円(税込)です再改定後通話料は 14.58 19.44円/1分、1年間・12回では 174.96 213.84円)。
これでずーっと維持できると思えば安いものです。

ここらあたりが、非常にわかりずらいのが「欠点」でしょうか。

チャージした金額はクレジットトランスファーという機能で、他のブラステル番号に一部または全額をトランスファー(移動)することができます。
複数のブラステル番号を利用しているときに、メインの番号でチャージし、それ以外には、メインにチャージした金額の一部をほかのブラステル番号に移動できるのです。移動は 500円単位です。

ここでも注意が必要なのは、単にトランスファーしただけでは、移動先の電話番号の有効期限の更改には適用されないということです。
移動先の電話番号で有料発信して、初めて「有効期限」がそのときから1年間に設定されるのです。これも有料発信の都度、有効期限が更新される点は同じです。

チャージ残金は公式アプリの「050 Free」では、画面に表示されますので確認できます。


例えば、最後の有料発信からの有効期限が1年なので、殆ど使っていないような場合、有効期限が残り1ヶ月前にはメール通知するとか、残高が一定額以下になったらメール通知するなどです。
もっとも、メールアドレスの登録も任意ですから、こういうサービスを受けたい人は登録が必要、というような運用は要ります。


【欠点3】電話番号帳がない

NTTの加入電話(ひかり電話を含む)の場合、分厚い番号帳を1年に1回貰えますが、そこにはブラステル番号は当然、掲載されません。
ブラステルに電話番号問い合わせができるかといえば、これもありません。

最近は、番号掲載はヘンな勧誘電話や詐欺電話を防止するため、NTT の電話帳に非掲載の人が増えています。
我が家もずーっと以前から非掲載にしていますので、これは欠点というほどではありません。ただ、法人利用の場合、タウンページには掲載されたいと思うでしょうね。

050 サービスは NTT コミュニケーションズの運営する 050Plus も同じく掲載されないので、ブラステルだけの欠点ということではありません。


【欠点4】留守電機能がない

ブラステルには、留守電機能がありません。イエデン化した場合、使用する電話機に留守電機能があれば、これを使うことはできます。
でも、モバイルなどの端末では留守電機能がありません。

アプリによっては通話録音する機能を持っているものもありますが(GS Wave や Zoiper など)、留守電とは明らかに異なります。

この場合、「利点5」に記述した FUSION IP-Phone SMART を使った簡易的な留守電にするぐらいしか手段がありません。

Asterisk などのPBX サーバーを持っていれば、そこに留守電機能を付加できますが、あまり一般的ではありませんので、ここでは割愛します(我が家にはAsterisk サーバーがありますから、自由にできますが)。

実は、転送機能も確か、昨年からブラステルに装備されました。留守電もいずれ、装備されるかもしれませんが、それまでは FUSION と組み合わせるしかなさそうです。

ちなみに、FUSION は加入料無料ですが、通話発信は 8円/30秒 とちょっと高めです。
FUSION もまた、有効期限は1年で、有料発信があれば、有効期限が延びます。
この点はブラステルと似ています。
加入料無料、月額無料なので、有効期限があるのは仕方がないことかもしれません。
使えば(有料発信)、有効期限が延びる点もブラステルと同様です。

ただし、加入に際しては、クレジットカードが必須ですし、個人情報の登録も必要です。有料使用料は登録されたクレジットカードから引落しされます。

ブラステルは加入に際して、クレジットカードも不要で、個人情報の登録も任意ですから、秘匿性を持った運用も可能です(悪用はしないでください。ブラステルの評判が悪くなりますので、これを善人(?)として使っている人の評判も落とすことになりかねません)。


【欠点5】緊急電話や3桁番号にかけられない

110 や 119、NTT などがサービスする 3桁番号(時報、天気、番号問い合わせなど)にはかけられません。

緊急電話の場合は地域制ではないため位置特定ができないことが理由にされていますが、090 などの携帯からは現在は可能になっています。
位置特定ならば、GPS でピンポイントで特定可能なわけですから、これはブラステルというよりも、警察や消防署になんとかして欲しいところです。
NTT のサービスは競争相手なので、仕方ないところがありますが、「巨人 対 蟻」なので、NTT は懐具合が太っ腹なところを見せて欲しいものです。

緊急電話は携帯電話番号でかけるか、警察・消防署の場合は最寄りの署の代表番号にでもかけるようにするかしかないでしょう。
よくしたもので、このような場合を想定した、最寄りの署を簡単に見つけられるアプリもあります。
ただ、ホントに緊急時は焦っていることが多いので、通常発信するようにした方が無難です。

そう何度もあることではありませんが、備えは必要でしょう。

これもブラステルだけの欠点ではなく 050 サービスに共通する問題です。

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まだまだ、他にもあるかもしれませんが、ざーっと挙げるとこんなところでしょうか。

利点はブラステルに固有なところがあり、欠点は 050 サービスに共通しているような感じです(留守電を除けば)。

他に気が付かれた方や、ご質問のある方は是非、コメントをお寄せください。









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