Mac が、現在設定している起動ディスクの異常などで起動できなくなったときのために予備の起動ディスクを作成しておくと慌てないで済みます。
例えば内蔵ディスクが壊れた、とか、外付け起動デイスクが壊れた場合などを想定します。
こんなときにもう一つの起動ディスクがあれば、簡単に切り替えて起動できますので復旧がやりやすくなります。
次のような使用法が考えられます。
- 内蔵 SSD や Fusion Drive を起動ディスクにしている(内蔵ディスク性能がいい)
外付けディスクに予備の起動ディスクを作成しておく
内蔵ディスク異常時はこの外付け起動ディスクを使って起動する
- 外付けディスクを起動ディスクにしている(内蔵ディスク性能がそれほどではない)
内蔵ディスクが HDD や Fusion Drive の場合、M.2 NVMe SSD を外付け起動ディスクにすると、内蔵の起動ディスクよりも性能アップが可能になります
外付けディスク異常時は内蔵ディスクを予備の起動ディスクとして使う、または別の外付けディスクを予備の起動ディスクとして用意しこれを使う
これまで私が検証してきた結果、外付けであっても M.2 NVMe SSD を Thunderbolt3 ケースに装着してこれを Thunderbolt3 接続して起動ディスクとして使用の場合、Mac 純正の内蔵 SSD と遜色のない同等以上の性能が得られています。
ですから、Fusion Drive よりも確実に性能は上です。
ちなみに M.2 NVMe SSD のおすすめは WD Black SN750 です。
低発熱で高性能だからです。
Samsung 970 EVO Plus もいい製品ですが、Thunderbolt3 接続、または内蔵スロットに差し込んで使う場合はファームウェアアップデートが必要です。
また、発熱量も少し高い。
Mac は複数の起動ディスクがある場合、"option" キーを押しながら電源をオンにすると十数秒で起動ディスク選択画面になり、起動ディスクを選択して起動することが可能です。
また複数の起動ディスクがある場合に、どれをデフォルトの起動ディスクにするかも設定できます。
デフォルト起動ディスクで起動する場合は "option" キーを押して起動しなくても単に電源オンでその起動ディスクで起動されます。
そこで、異常時に備えて事前に別の起動ディスクを用意しておくのです。
これは新しいバージョンの MacOS を使う場合にも同じやり方で試用できます。
いま使っている起動ディスクでアップグレードするよりも、別の起動ディスクにインストールして試用してみて問題がなければそのまま使う、といったやり方ができます。
問題があれば、元々の起動ディスクで起動すればすぐに戻ることができます。
例えば過去の OS アップグレードを経験すると、新 OS デリバリー直後は大抵は何らかの問題がでています。
そこで安定バージョンになるまでアップデートを見合わせるのですが、新しい機能は使ってみたい、ような場合にアップグレードリスクを最小限にできますから便利です。
今回の Catalina はめぼしい機能がない割に問題が多く、過去のアップグレードの中でも最低ランクに位置づけられるアップグレードです(あくまで私見ですが)。
ですので、わたしも普段使いのためのアップグレードは見合わせています。
このまま Catalina は使いたくない可能性があって、大変危惧しています。
インストーラ USB を作成するやり方もありますが、異常が発生した場合の復旧に時間がかかりますのでここでは触れません。
なお、データについては TimeMachine などの手段でバックアップ運用をしておくと異常時にデータを失わなくて済みます。
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前置きが長くなりましたが、本題に戻ります。
最初にディスクユーティリティでインストール先の予備ディスクをフォーマットしておきます。
APFS / HFS+ / FAT のいずれでも構いませんが、GUID パーティションマップ方式でフォーマットします(Mojave はインストールされると APFS に強制的にされてしまいます)。
まずはインストーラーをダウンロードします。
をクリックします。
そのページの「
macOS をダウンロードする」のすぐ下の行に
「
macOS インストーラをダウンロードします*。macOS Catalina、macOS Mojave、macOS High Sierra、macOS Sierra、OS X El Capitan へのアップグレード手順を説明した記事 (それぞれのリンク先の記事) に、適切なダウンロードリンクが掲載されています。」
とあって、それぞれの MacOS バージョンのリンクがありますからそこからたどって Apple Store にいくと "macOS Mojave" の入手ページになります。
【入手】をクリックしますと次のウインドウがでて「アップデート検証中」になります。
検証はすぐに終了して「ダウンロード」の可否を問われますので【ダウンロード】をクリックします。
インストーラーのダウンロードが始まります。
6.04 GB ありますので、ネット回線速度に依存して時間がかかります。
100 Mbps 回線で 12 〜 15 分程度です。
ダウンロードが完了すると自動的にインストーラーが起動します。
すぐにはインストールをおこなわないのであれば、インストーラーを終了します。
ダウンロードされたインストーラーは「アプリケーションフォルダ」に "
macOS Mojaveインストール.app" という名前で保存されていますので、いつでもこれをダブルクリックすればインストーラーを起動できます。
今回は引き続きインストールしますので、次のインストーラー画面から続けます。
【続ける】をクリックすると画面が遷移します。
同意を求められますので【同意する】をクリックします。
プルダウンで再び同意を求められますので【同意する】をクリックします。
インストール先のディスクがデフォルト(現在の起動ディスク)になっていますので【すべてのディスクを表示...】をクリックします。
カーソルを左右に動かすとインストール先のディスクを選択できます。
この例では【HD-PNFU3】を選択して【インストール】します。
ユーザ名とパスワードを求められますからこの Mac のログイン時の「ユーザ名」と「パスワード」を入力して【ヘルパーを追加】をクリックします。
インストールが始まります。
3分程度で初期インストールは終わり、再起動になります。
【再起動】をクリックですぐに再起動します。
放っておいても表示された秒数を経過すると自動的に再起動になります。
再起動で暗転して「りんごマーク」とその下に横バーが現れます。
10分〜30分程度(時間はディスク性能による)で MacOS Mojave のインストールが終わり、再び暗転して「りんごマーク」と横バーが現れます。
二度目の「りんごマーク」と横バーは、通常の起動プロセスに準ずる処理になっていて長くても2,3分で初期起動し次の画面になりますので初期設定を行っていきます。
「国」選択画面になりデフォルトで「日本」のはずですので、このまま【続ける】をクリックします。
キーボード選択画面になり、デフォルトでは「U.S.」ですが「日本語」にすると右側に表示がでます。
【続ける】をクリックします。
【続ける】をクリックします。
【続ける】をクリックします。
Apple ID を入力して【続ける】をクリックします。
パスワードを入力します。
このパスワードは Mac へのログインパスワードではなく Apple ID に紐付いたパスワードです。
二段階認証の場合コードが iPhone などに送られてきますので、そのコードを入力して認証を受けます。
この後、位置情報を使用するか、Siri を使用するか、エクスペリエンスに協力するか、を問われますので、答えていくと MacOS Mojave のインストールが完了し、ログイン画面になります。
以上で起動ディスクが作成できました。
ログインして起動を確認します。
デフォルトの起動ディスクが新しくインストールされたディスクになっていますので元のディスクに再設定し直します。
これは「システム環境設定」画面から「起動ディスク」と進み、左下の鍵をクリックして解錠し、元々の起動ディスクを選択して「再起動」をクリックするとそのディスクを起動ディスクにして再起動されます。
元々の起動ディスクで再起動後は、予備として作成した起動ディスクは接続したままでも取り外しても構いません。
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起動ディスクの作成方法を記載してきましたが、実はもっと簡単に行う方法があります。
”CCC 5(Carbon Copy Cloner 5)" というアプリを使うのです。
このアプリで現在の起動ディスクをそっくりとコピーして予備の起動ディスクにするのです。
OS だけでなくデータも含めてすべてを一括してコピーできますし、時間も圧倒的に短時間で済むのです。
"CCC 5" は有料アプリですが 30 日以内は試用が可能で機能的制限などはありません。
現在、通常起動ディスクは
- Samsung 970 EVO PLus + Thunderbolt3 Enclosure
ですが、これは "CCC 5" を使って
- WD Black SN750 + Thunderbolt3 Enclosure
からカーボンコピーしました。
コピーは数分で終わります。
また、インストール方式の場合 APFS 形式にされてしまいますが、HFS+ 形式のディスクにコピーの場合は、HFS+ 形式が維持されます。
コピーは APFS 形式のディスクへと、速度検証のために HFS+ 形式へのコピーもしてみました。
"CCC 5" を使った予備ディスクの作成は、別に記載する予定です。