今回は FAX 機能を設定します。
iaxmodem パッケージで FAX 用のモデム機能を Asterisk に付加し、併せて Hylafax という FAX 送受信のパッケージをインストール・設定します。
また PC (windows/Mac)から Hylafax と連携して使える FAX 用のクライアント機能も実装します。
クライアント機能は、英語表記ながら、送信先・題名・概要説明・などのカバーページを付加したり、テキストファイルや、pdf、画像、などの本文ページ(もちろん複数ページが可能です)をカバーページに続いて送信してくれる機能を持っていて、Java で動きますからプラットホームフリーで使えます。
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❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする
❏ Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる
❏ Asterisk にボイスメールを設定する
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる ⇐ いまココ
❏ Asterisk の各種設定ファイル
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まず iaxmodem、Hylafax と関連パッケージをインストールします。
# apt-get update
# apt-get install iaxmodem hylafax-server hylafax-client libtiff-tools sharutils
後ろの2つはそれぞれ tiff2pdf と uuencode のパッケージです。
tff2pdf は単独でも tiff ファイルを pdf に変換できます。
$ tiff2pdf -o ファイル名.pdf ファイル名.tiff
パッケージをインストールしましたら、/var/spool/hylafax/etc のファイル一覧を確認してください。
typerules、pagesizes、lut18RS.pcf があるはずです。
もしないようでしたら、
https://packages.ubuntu.com/artful/i386/hylafax-client/download
から hylafax-client_6.0.6-8_i386.deb をダウンロード、解凍してこれら3つのファイルを取り出して /var/spool/hylafax/etc にコピーします。
【各種設定ファイルの編集】
編集対象は以下のものです。
・/etc/asterisk/asterisk.conf ➡ ボイスメールの設定時に変更済み
・/etc/asterisk/extensions.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/asterisk/iax.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/asterisk/sip.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/iaxmodem/ttyIAX ➡ 次回に記載
・/etc/init.d/iaxmodem 起動スクリプト ➡ 次回に記載(バグ修正済み)
これらのファイルの設定をしましたら、iaxmodem の起動をします。
# /etc/init.d/iaxmodem start
起動を確認します。
# ps -ef | grep iaxmodem
uucp 2992 2249 0 13:31 pts/3 00:00:01 /usr/bin/iaxmodem ttyIAX
上のように確認できたら OK です。
・/etc/hylafax の中の設定ファイル群をすべて /var/spool/hylafax/etc にコピーします
(すでにコピーされていると思いますが、ls コマンドまたはファイルマネージャーで確認してください)。
次に faxsetup を実行します。
# /usr/sbin/faxsetup
以下の箇所を設定しますが、そのほかの箇所は 'enter' し、最後の行だけ 'no' とします(ここ重要)。
/etc/hylafax の配下のファイル群を確認します。
これらのファイル群の権限は hosts.hfaxd 以外は '755 rwx r-x r-x' でいいのですが、hosts.hfaxd は ’600 rw- --- ---' としてください。
この権限を誤ると起動時に思わぬエラーに見舞われます。
また、pagesizes、typerules は以下の各1行を最終行に追記してください(’~~~’ の ~~~ の部分のみ)。
pagesizes:; 'default A4 9920 14030 9240 13200 472 345'
【FAX 送信ユーザー登録と sendfax の hosts 許可】
# /usr/sbin/faxadduser -a ルートパスワード root
# /usr/sbin/faxadduser -a ユーザーパスワード ユーザー名(例:pi)
また、/etc/hosts.allow の最終行に下記の1行を追記します。
これをしないと localhost 参照時に DNS エラーになります。
sendfax: all
iaxmodem と faxgetty を起動します。
# /usr/bin/iaxmodem ttyIAX &
# /usr/sbin/faxgetty /dev/ttyIAX &
Registration completed successfully.
となれば OK です。
ならないようならば、hylafax の再起動をして、上の2つの起動順序を
入れ替えてみます。
FAX 機能の状態を確認します。
# faxstat -s
HylaFax scheduler on SERVER: Running
Modem ttyIAX (+81.050.abcd.efgh): Running and idle
のように送信元電番 050.abcd.efgh が表示されるはずです。
また、タスクマネージャーで faxgetty faxq hfaxd iaxmodem が起動されているはずですので確認します(hfaxd は2つあるかも)。
ここまできましたら、FAX 送信テストができますので送信してみましょう。
# sendfax -n -f ”送信者名” -d 相手番号 送信ファイル名
送信テストにはエプソンのテストサイト(0425858501)を使うといいでしょう。
このサイトは送信すると折り返し、送信元電番に FAX を送り返してくれますので、送受信テストができます。
無事に送信して、折り返し受信できましたら FAX 機能は正常にインストールされたことになりますので、一旦リブートし改めて状態確認をします。
# reboot
リブート後に、ターミナルから次のコマンドを入力します。
# /etc/init.d/hylafax status -l
再度、エプソンのサイトでテストしてみましょう。
OK ならば、クライアント側のソフトウェアを落とし込みます。
【yajhfc-0_6_1.jar を使う】
注)送信時の設定内容は、後から本ブログに掲載のために仮に設定して
みたものです。
上の受信ページとは関連はありません。この受信ページはカバーページのみをテスト
で送ったときに折り返し送られてきたものです。
今回はここまでです。
次回は各種設定ファイルの設定内容一覧を記載します。
まず iaxmodem、Hylafax と関連パッケージをインストールします。
# apt-get update
# apt-get install iaxmodem hylafax-server hylafax-client libtiff-tools sharutils
後ろの2つはそれぞれ tiff2pdf と uuencode のパッケージです。
tff2pdf は単独でも tiff ファイルを pdf に変換できます。
$ tiff2pdf -o ファイル名.pdf ファイル名.tiff
パッケージをインストールしましたら、/var/spool/hylafax/etc のファイル一覧を確認してください。
typerules、pagesizes、lut18RS.pcf があるはずです。
もしないようでしたら、
https://packages.ubuntu.com/artful/i386/hylafax-client/download
から hylafax-client_6.0.6-8_i386.deb をダウンロード、解凍してこれら3つのファイルを取り出して /var/spool/hylafax/etc にコピーします。
【各種設定ファイルの編集】
編集対象は以下のものです。
・/etc/asterisk/asterisk.conf ➡ ボイスメールの設定時に変更済み
・/etc/asterisk/extensions.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/asterisk/iax.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/asterisk/sip.conf ➡ 関連部分の例のみ次回に記載
・/etc/iaxmodem/ttyIAX ➡ 次回に記載
・/etc/init.d/iaxmodem 起動スクリプト ➡ 次回に記載(バグ修正済み)
これらのファイルの設定をしましたら、iaxmodem の起動をします。
# /etc/init.d/iaxmodem start
起動を確認します。
# ps -ef | grep iaxmodem
uucp 2992 2249 0 13:31 pts/3 00:00:01 /usr/bin/iaxmodem ttyIAX
上のように確認できたら OK です。
・/etc/hylafax の中の設定ファイル群をすべて /var/spool/hylafax/etc にコピーします
(すでにコピーされていると思いますが、ls コマンドまたはファイルマネージャーで確認してください)。
次に faxsetup を実行します。
# /usr/sbin/faxsetup
以下の箇所を設定しますが、そのほかの箇所は 'enter' し、最後の行だけ 'no' とします(ここ重要)。
Country
code [ ]? 81 ;
国番号
Area
code [ ]? 50 ; エリア番号
Long
distance dialing prefix [ ]? 0 ;
外線発信時のプリフィックス
International
dialing prefix [ ]? 001;
国際番号発信時のプリフィックス(実際は extensions.conf
で制限するといいでしょう)
〜
〜
Do
you want to run faxaddmodem to configure a modem [yes]? no
config
config.ttyIAX FaxDispatch hfaxd.conf hosts.hfaxd pagersizes
sendfax.conf (setup.conf) (setup.modem) typerules
これらのファイル群の権限は hosts.hfaxd 以外は '755 rwx r-x r-x' でいいのですが、hosts.hfaxd は ’600 rw- --- ---' としてください。
この権限を誤ると起動時に思わぬエラーに見舞われます。
また、pagesizes、typerules は以下の各1行を最終行に追記してください(’~~~’ の ~~~ の部分のみ)。
pagesizes:; 'default A4 9920 14030 9240 13200 472 345'
typerules:; '0
byte x ps %F/textfmt -f Courier-Bold -u -p 11 -s %s >%o <%i'
【FAX 送信ユーザー登録と sendfax の hosts 許可】
# /usr/sbin/faxadduser -a ルートパスワード root
# /usr/sbin/faxadduser -a ユーザーパスワード ユーザー名(例:pi)
また、/etc/hosts.allow の最終行に下記の1行を追記します。
これをしないと localhost 参照時に DNS エラーになります。
sendfax: all
iaxmodem と faxgetty を起動します。
# /usr/bin/iaxmodem ttyIAX &
# /usr/sbin/faxgetty /dev/ttyIAX &
Registration completed successfully.
となれば OK です。
ならないようならば、hylafax の再起動をして、上の2つの起動順序を
入れ替えてみます。
FAX 機能の状態を確認します。
# faxstat -s
HylaFax scheduler on SERVER: Running
Modem ttyIAX (+81.050.abcd.efgh): Running and idle
のように送信元電番 050.abcd.efgh が表示されるはずです。
また、タスクマネージャーで faxgetty faxq hfaxd iaxmodem が起動されているはずですので確認します(hfaxd は2つあるかも)。
ここまできましたら、FAX 送信テストができますので送信してみましょう。
# sendfax -n -f ”送信者名” -d 相手番号 送信ファイル名
送信テストにはエプソンのテストサイト(0425858501)を使うといいでしょう。
このサイトは送信すると折り返し、送信元電番に FAX を送り返してくれますので、送受信テストができます。
sendfaxの形式:
sendfax
-C カバーシートのテンプレートファイル
-f
"送信者名"
-m -r "件名"
-x "相手の会社名"
-d "送信先名前@相手のFAX番号"
送信するファイル
※ ”送信者名” は省略可
※
-mは高解像度(196dpi)の指定。
無事に送信して、折り返し受信できましたら FAX 機能は正常にインストールされたことになりますので、一旦リブートし改めて状態確認をします。
# reboot
リブート後に、ターミナルから次のコマンドを入力します。
# /etc/init.d/hylafax status -l
●
hylafax.service
- LSB: Start and stop the hylafax server
Loaded:
loaded (/etc/init.d/hylafax; generated; vendor preset: enabled)
Active:
active (running)
since Thu 2017-11-23 13:54:59 JST; 8min ago
Docs:
man:systemd-sysv-generator(8)
Process:
531 ExecStart=/etc/init.d/hylafax start (code=exited,
status=0/SUCCESS)
CGroup:
/system.slice/hylafax.service
├─569
/usr/sbin/faxq
├─572
/usr/sbin/hfaxd -d -i 4559
└─581
/usr/sbin/faxgetty -D ttyIAX
11月
23
13:54:59 raspberrypi systemd[1]: Started LSB: Start and stop the
hy…er.
11月
23
13:54:59 raspberrypi HylaFAX[572]: Listening to [::]:4559
11月
23
13:54:59 raspberrypi HylaFAX[572]: HylaFAX INET Protocol Server:
re…ed.
11月
23
13:54:59 raspberrypi FaxQueuer[569]: HylaFAX (tm) Version 6.0.6
11月
23
13:54:59 raspberrypi FaxQueuer[569]: Copyright (c) 1990-1996 Sam
Le…ler
11月
23
13:54:59 raspberrypi FaxQueuer[569]: Copyright (c) 1991-1996
Silico…nc.
11月
23
13:54:59 raspberrypi FaxGetty[581]: OPEN /dev/ttyIAX HylaFAX (tm)
…0.6
11月
23
13:55:08 raspberrypi FaxGetty[581]: MODEM WWW.SOFT-SWITCH.ORG
spandsp/
11月
23
13:59:27 raspberrypi HylaFAX[1125]: `-> Got a: ::1[7]
11月
23
13:59:27 raspberrypi HylaFAX[1125]: `-> Got a: 50663[13]
Hint:
Some lines were ellipsized, use -l to show in full.
このように確認できれば結構です。
再度、エプソンのサイトでテストしてみましょう。
OK ならば、クライアント側のソフトウェアを落とし込みます。
【yajhfc-0_6_1.jar を使う】
http://www.yajhfc.de/downloads/current-version
から
Java
JAR file (all platforms) 2.00MB yajhfc-0_6_1.jar
をダウンロードします。
開いて(クリックして起動)初期設定します。
受信リストの画面 |
送信時の宛先やカバーページの有無・題名・説明などを設定する画面 設定後、右上の "send" をクリックで送信が始まる |
エプソンのテストサイトに送信するとこのようなページが折り返し送られてくる |
みたものです。
上の受信ページとは関連はありません。この受信ページはカバーページのみをテスト
で送ったときに折り返し送られてきたものです。
このソフトウェアは英文での設定項目ですが、設定内容自体は日本語でかまいません。
もちろん FaxCover の設定も日本語で OK です。
また色々なファイル形式を扱えます。
YajHFCのreceivedタグに受信リストを扱えるようにするには、
/etc/hylafax/hosts.hfaxd
を次のように編集します。
localhost
127.0.0.1
^ユーザー名@:::pppppppp
^root@:::qqqqqqqq
192.168.xxx.* ➡
ここに、クライアントとして接続許可する PC のアドレスグループを指定する
^ユーザー名@:::pppppppp ➡
2行目と同じものをコピペ
^root@:::qqqqqqqq ➡
3行目と同じものをコピペ
また、YaiHFC の方も、Extras メニューで Admin
mode を選択します。
これをしないと Received タグに受信リストが表示されません。
例での設定は送受信とも FUSION
IP-Phone Smart の番号ですが、例えば送信は通話料の安いブラステルにして、受信を FUSION IP-Phone Smart またはブラステルにする、ということも可能です。
送信の折り返し受信テストは、エプソンのテストサイト(0425858501)を利用します。
このサイトを使う場合は、当然ですが送受信ともに同じ電番で行います。
今回はここまでです。
次回は各種設定ファイルの設定内容一覧を記載します。
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