前回は Asterisk をインストールして、基本的な利用が可能な状態まで設定しました。
今回は googletts を使ってみることにします。
Googletts は 120 ヶ国語の対応した Text-To-Speech、つまりテキストから音声変換して発声してくれるもので、翻訳までしてくれるすぐれものです。
ウェブでは google 翻訳サイトで知られているもので、これを Asterisk の agi プログラムに仕立てて、Asterisk のアプリケーションとして動作できるようにしたものです。
これは作者も触れているように、google の公式なプログラムではなく製作者が GNU ライセンスのもとで作成して公開してくれているものです。
ここにこの作者のホームページがあります。
今回はこれを実装してテストしてみることにします。
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❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする
❏ Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる ⇐ いまココ
❏ Asterisk にボイスメールを設定する
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる
❏ Asterisk の各種設定ファイル
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まず、さきほどのホームページの「ダウンロード」の項目の中に zip または tar 形式のファイルがありますから、ここをクリックするとダウンロードされます。
解凍をして googletts.agi を抽出し、/var/lib/asterisk/agi-bin にコピーします。
# cp /home/pi/Downloads/googletts.agi /var/lib/asterisk/agi-bin
実行権限を与えます。
# chmod 755 /var/lib/asterisk/agi-bin/googletts.agi
次に、必要なソフトウェア(さきほどのホームページの「README」に書かれています)をインストールします。
# apt-get update
# apt-get install libwww-perl libcrypt-ssleay-perl sox mpg123
これで使う環境は揃いました。
では実際に extensions.conf に記述して動かしてみます。
exten
=> 300,1,Answer()
exten
=> 300,n,agi(googletts.agi,"これはテストです",ja)
exten
=> 300,n,Wait(2)
exten
=> 300,n,agi(googletts.agi,"this is a test.",en)
exten
=> 300,n,Wait(2)
exten
=> 300,n,NoOp("Now googletts tested")
exten
=> 300,n,Hangup()
クライアントの内線 210 または 220 から内線 300 をダイヤルしてみます。
google 姉さんの声で記述したとおりに喋ってくれます。
うまくいかないときは CLI>
agi set debug on とし、
googletts.agi
の中の
72行目辺りにある
my
$debug = 0; ➡ my $debug = 1;
に変更すします。
CLI でエラー内容を確認できますので、エラーの原因を調べられます。
私の場合、実際に「実行権限がない」というエラーになったので、実行権限を与えてOKとなりました。
うまく再生できた場合は、上のデバッグモードを戻しておきます。
【googletts.agi の使い方】
exten=>s,n,agi(googletts.agi,"text",[language],[intkey],[speed])
”test" ;; テキストを記述
[language] ;; スピーチする言語(テキストと異なる言語の場合は
ここで指定の言語に翻訳
[intkey] ;; 割り込みキー(省略可)
IVR で再生途中でも割り込んで受け付ける文字を記述。
'any' は任意の文字で割り込む。
[speed] ;; 再生のスピード(初期値 1.2)
1.2 は英語などは丁度いいが日本語は遅く感じるので
1.5 くらいがいい
1.5 くらいがいい
intkey を 'any' にして、そのあとの exten で WaitExten などで得た文字を解釈し、IVR 処理を行うことが可能になります。
【googletts.agi を使うことによるメリット】
① Playback アプリケーションで使用する音声ファイルが標準で用意されていないとき、
これを作成することになるが、その必要がなくなる。
② Playback アプリケーションでは使う音声ファイルの内容を core-sounds-text で
確認する必要があるが、googletts.agi の場合はテキストを直接記述なので見ただけで
わかる。
③ IVR にも対応できるので、使い勝手がいい。
④ 実際の使用場面は少ないかもしれませんが、翻訳にも対応しています。
ちなみに、ブラステルは最近翻訳サービスアプリの提供を始めましたが、使っているのは google 翻訳エンジンだそうです。
いいことづくめですネ。
是非活用してみてください。
今回はここまでです。
次回はボイスメール(留守電)の設定をします。
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