2017-11-29

Asterisk の再セットアップ -- Raspbian STRETCH をクリーンインストールする



Raspberry Pi 3 model BRaspbian STRETCH 版をクリーンインストールしましたので、Asterisk も再セットアップします。



当初 Asterisk Jessie 版で apt-get ではうまく落ちてくれなくて(動かそうとするとエラーがでまくり)、当時のパッケージ版の最新版を make && make install して落と込みました。



その後、現在の PIXEL 版が出てきて、クリーンインストールが好ましい、ということでこれを Jessie 版と同じ手順で落とし込んで使っていました。



今回、STRETCH 版を使うにあたり、apt-get で落とし込んでみようとトライしました。



➡ 最初は問題なさげに思えたのですが、Asterisk が謎のクラッシュをします。

 ネットで調べると、類似のクラッシュはバージョン13 で発生している模様。



 二度、やり直しましたが、やはりクラッシュします。

 この時点で apt-get でインストールすることは諦めました。



 apt-get だと、2〜3分で Asterisk のインストールが終わりますが、ソースからの ./configure,  make && make install だと小1時間かかります。 



仕方ありませんからパッケージ版を make && make install することにしました。









PC 側の作業で使ったのは Mac です



Windows は microSD への焼き込みに際して、フォーマットするツールが違うかも知れません。

Windows 機がないのでわかりません(スミマセン)。



類似のツールを使ってください。



ターミナルコマンドも微妙に違うかも知れません。





-------------------------------------------------------------------------------------------

❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする ⇐ いまココ

 Asterisk をインストールする

❏ googletts.agi を使ってみる

❏ Asterisk にボイスメールを設定する

❏ Asterisk で FAX 送受信してみる

❏ Asterisk の各種設定ファイル

-------------------------------------------------------------------------------------------






Raspbian STRETCH をクリーンインストールする




Raspbian の公式サイトにはクリーンインストールが推奨、とありますから、PIXEL 版からのアップデートではなく、クリーンインストールしていきます。





準備作業は PC 側(Mac)での作業です。



後々リモートで設定変更作業などができるように、あらかじめ、RealVNC を落とし込んでおくといいでしょう。



Jessie 版では TinyVNC と ssh はデフォルトで使用できるようになっていましたから、ディスプレイ/KB/マウスがなくても PC からリモートでセットアップできたのですが、PIXEL 版と今回の STRETCH 版は  RealVNC に変わったため、最初からリモートでの作業はできません。



これらの設定を終えてからでないとリモート作業は行えません。





そのため、Raspberry Pi にはディスプレイ(HDMI-IFのもの)/KB/マウスが必要です。









【準備作業1】 -- microSD カードの準備と Raspbian を入手する



最初に、落とし込む microSD カード(SHDC以上)を準備します。

容量は 16GB もあればいいでしょう。

最低 8GB 必要ですが、メモリ素子エラー時の代替メモリ領域が確保できる 16GB がいいと思います。



新品であれば初期化は不要です。

そうでなければ初期化します。

初期化は SDFormatter を使います。

初期化の場合「論理整合性はオフ」にして初期化します。





 https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/



から、RASPBIAN STRETCH WITH DESKTOPzip 版をダウンロードします。



2017-11-15 現在の最新版は 1.6GB ほどですが、なぜかダウンロードサイトが遅くて 20分くらいかかります。



ダウンロードした 2017-09-07-raspbian-stretch.zip を解凍して .img ファイルを取り出します。









【準備作業2】 -- microSD カードに .img を焼き込む



PC のターミナルを起動し、microSDカードのディレクトリを確認します。








 MacBookAir:~ xxx$ df -h

 Filesystem    Size   Used  Avail Capacity iused ifree %iused Mounted on

 〜

 〜

 /dev/disk3s1 30Gi 2,4Mi   30Gi    1%       0       0   100% /Volumes/NO NAME

   MacBookAir:~ xxx$



ここでは、最終行に表示の /dev/disk3s1 が対象の microSD カードです。容量やデバイス名などを見て判断します。



例の場合、「…3s1」の「s1」はパーティションです。初期化しても1個はパーティションができていると思いますが、Raspbian は /dev の先頭から焼き込まないと起動しません。

パーティションに焼き込んでも NG になりますので注意が必要です。



microSD カードをアンマウントして、.img を焼き込みます。



   MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3


   MacBookAir:~ xxx$ sudo dd if=/Downloads/2017-09-07-raspbian-stretch.img of=/dev/disk3 bs=4






このとき、デバイスの先頭から書き込みますから /dev/disk3s1 ではなく、/dev/disk3 としないといけません。






焼き込みは 4.92GB ありますので、2時間近くかかります。


途中経過は「control+t」で、ターミナル上で確認できます。










焼き込みが完了したらアンマウント/エジェクトして取り出します。


   MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3 

   MacBookAir:~ xxx$ diskutil eject /dev/disk3


















【Raspbian での作業1】-- 起動までの作業をする






ここからしばらくは Raspberry Pi での作業です。






電源を接続しない状態で Raspberry Pi の SD スロットに焼き込んだ microSD を差し込みます。






ディスプレイ/KB/マウス/LAN を接続して電源に接続(通電)します。






起動が始まり、デスクトップ画面になれば起動は完了です。









【Raspbian での作業2】-- 基本的な設定をする






まだ日本語設定していないので、英語表記になっていると思います。


左上のメニューボタンをクリックして、「Settings」➡「Raspberry Pi Configration」をクリックして基本設定をします。






① System : パスワードの変更(初期値は 'raspberry' )➡ 任意のパスワード


  解像度は、いまは初期値でいいでしょう(VNC での見え方でこれを適切なものに変える)






② Interfaces : VNC、SPI を有効化


③ Localization : 下記の設定をします


 ・Locale : ja(Japanese), JP(japan), UTF-8


 ・Time Zone : Asia, Tokyo


 ・Keyboad : Japan ➡ OADG109


 ・WiFi Country : JP Japan


  


OK をクリックするとリブートを促されるので、Yes でリブートします。






再起動後の画面は日本語の表示に変わっているはずです。










次に root のパスワード設定をします(初期値は無設定状態)


ターミナルを起動して、





 pi@raspberrypi:~ sudo passwd root


 新しい UNIX パスワードを入力してください:任意文字列入力する


 新しい UNIX パスワードを再入力してください:(同 上)


 passwd : パスワードは正しく設定されました






続いてネットワークアドレスを固定アドレスにするため、


ターミナルからエディターで dhcpcd.conf を編集します。






 pi@raspberrypi:~ sudo leafpad /etc/dhcpcd.conf






Leafpad の画面が出てきますから、最終行に下記を追加します。






 interface eth0


 static ip_address=192.168.xxx.yyy ➡ Raspberyy Pi のアドレス


 static routers=192.168.xxx.zzz ➡ デフォルトゲートウェイのアドレス


 static domain_name_servers=192.168.xxx.zzz 8.8.8.8 ➡ DNSサーバーのアドレス(デフォルトゲートウェイと同じ)






保存して終了します。






続いて hosts を編集します。






 pi@raspberrypi:~$ sudo leafpad /etc/hosts





ホストアドレスに「127.0.1.1 raspberrypi」という行があると思いますが、これを「192.168.xxx.yyy  raspberrypi」に変更して保存・終了します(192.168.xxx.yyy は Raspberry Pi の自アドレスです)。






 IPアドレスを固定に変更しホスト名も変更設定すると、/etc/hosts のホスト名の部分のIPアドレスとして、「127.0.1.1」が設定されている(Linux の仕様)。


これは、インストール時に自動的にIPアドレスを取得した場合(DHCPを利用)に固定アドレスに変更すると、このように設定される。




したがって、IPアドレスの設定をDHCPによる取得から固定アドレスに変更する場合は、/etc/hostsの設定については、127.0.1.1の部分を設定するIPアドレスに変更する必要がある(サーバー機能 [Asterisk] DNS参照で 127.0.1.1 を参照してレジストエラーなどになる)。








ネットワーク/ネットワークデーモンの再起動または、Raspberry Pi のリブートで変更を反映させます。





・ネットワークの再起動の場合


 pi@raspberrypi:~$ sudo /etc/init.d/networking restart


 pi@raspberrypi:~$ sudo systemctl daemon-reload















【RealVNC で PC での作業】





最低限の設定をしましたから、ここからは RealVNC を使った PC での作業が可能になります。





Raspberry Pi に接続していたディスプレイ/KB/マウスは外しても構いません。





PC から RealVNC を起動します。





ユーザー:pi   passwd:pi に付けたパスワード


サーバーアドレス/ポート:192.168.xxx.yyy:5900





とします。





デスクトップサイズが最適でない場合は、「設定」➡「Raspberry Pi の設定」➡「システム」➡「解像度」と進んで解像度を変更します。
















RealVNC で PC 上に Raspberry Pi のデスクトップが現れます。


















【ファームウェアとパッケージの最新化】






ターミナルを開いて、





 pi@raspberrypi:~$ sudo su -


 root@raspberrypi:~# rpi-update





ファームウェアがアップデートされたら、一旦リブートします。












自動で RealVNC にデスクトップが表示されますので、再びターミナルを開いて引き続き不要パッケージの削除とそのほかのパッケージの最新化をします。











Libreoffice のアンインストールをします(標準でインストールされていますが、多分使わないでしょう。使うときは残します)。



root@raspberrypi:~# apt-get remove libreoffice

root@raspberrypi:~# apt-get autoremove



続いて、パッケージの最新化です。




 root@raspberrypi:~# apt-get update


 root@raspberrypi:~# apt-get dist-upgrade





途中で /etc/dhcpcd.conf をアップデートするか、ユーザーが設定たまま(デフォルトは 'N' )にするかを問われるので、’N' を入力します。





完了したら再起動して最新化したパッケージの反映をしておきます。














【日本語入力パッケージのインストール】





 root@raspberrypi:~# apt-get update


 root@raspberrypi:~# apt-get install ibus-mozc fonts-vlgothic fonts-ipafont-gothic




















【Samba の インストール】





PC やディスクサーバーとのファイル交換などのために Samba をインストールします。





 root@raspberrypi:~# apt-get update


 root@raspberrypi:~# apt-get install samba






ファイル交換用のディレクトリを作成します。





 root@raspberrypi:~# mkdir /home/share






Samba の環境設定をします。





 root@raspberrypi:~# leafpad /etc/samba/smb.conf






最終行に以下を追加します。





 [share]


 path=/home/pi


 readonly=no


 guest ok=no


 force user=pi





Samba にアカウントを設定します。





 root@raspberrypi:~# smbpasswd -a pi





新しいパスワードの入力と再入力を促されますので、任意の文字列をそれぞれ入力します。





Samba の自動起動設定と反映のため Samba の再起動をします。





 root@raspberrypi:~# update-rc.d samba default


 root@raspberrypi:~# systemctl restart smbd















【ファイヤーウォールの設定】





設定ツールの ufw をインストールして設定します(iptables で設定でも構いませんが、自分は ufw が使い慣れていますので)。





 root@raspberrypi:~# apt-get update


 root@raspberrypi:~# apt-get install ufw


 root@raspberrypi:~# ufw enable


 root@raspberrypi:~# ufw default deny


 root@raspberrypi:~# ufw allow in from 192.168.xxx.0/24 to 192.168.xxx.yyy


 root@raspberrypi:~# ufw allow out from 192.168.xxx.yyy to any





すべてのアクセスを拒否。


プライベート空間からの自アドレスへのアクセスを許可。


自アドレスからはどこへもアクセスを許可。





設定したら確認しておきます。






 root@raspberrypi:~# ufw status numbered


         To                      Action          From


         --                        ------             ----


   [ 1] 192.168.xxx.yyy  ALLOW IN    192.168.xxx.0/24        


   [ 2] Anywhere           ALLOW OUT 192.168.xxx.yyy  (out)


 root@raspberrypi:~#










以上で終わりです。








次回は Asterisk をインストールします。






















Asterisk の再セットアップ -- googletts.agi を使ってみる


前回は Asterisk をインストールして、基本的な利用が可能な状態まで設定しました。

今回は googletts を使ってみることにします。

Googletts は 120 ヶ国語の対応した Text-To-Speech、つまりテキストから音声変換して発声してくれるもので、翻訳までしてくれるすぐれものです。

ウェブでは google 翻訳サイトで知られているもので、これを Asteriskagi プログラムに仕立てて、Asterisk のアプリケーションとして動作できるようにしたものです。

これは作者も触れているように、google の公式なプログラムではなく製作者が GNU ライセンスのもとで作成して公開してくれているものです。

ここにこの作者のホームページがあります。

今回はこれを実装してテストしてみることにします。


-------------------------------------------------------------------------------------------
❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする
❏ Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる ⇐ いまココ
❏ Asterisk にボイスメールを設定する
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる
❏ Asterisk の各種設定ファイル
-------------------------------------------------------------------------------------------



まず、さきほどのホームページの「ダウンロード」の項目の中に zip または tar 形式のファイルがありますから、ここをクリックするとダウンロードされます。


解凍をして googletts.agi を抽出し、/var/lib/asterisk/agi-bin にコピーします。

# cp /home/pi/Downloads/googletts.agi /var/lib/asterisk/agi-bin


実行権限を与えます。

# chmod 755 /var/lib/asterisk/agi-bin/googletts.agi


次に、必要なソフトウェア(さきほどのホームページの「README」に書かれています)をインストールします。


# apt-get update
# apt-get install libwww-perl libcrypt-ssleay-perl sox mpg123


これで使う環境は揃いました。


では実際に extensions.conf に記述して動かしてみます。

  exten => 300,1,Answer()

  exten => 300,n,agi(googletts.agi,"これはテストです",ja)
  exten => 300,n,Wait()
  exten => 300,n,agi(googletts.agi,"this is a test.",en)
  exten => 300,n,Wait(2)
  exten => 300,n,NoOp("Now googletts tested")
  exten => 300,n,Hangup()


クライアントの内線 210 または 220 から内線 300 をダイヤルしてみます。

google 姉さんの声で記述したとおりに喋ってくれます。

うまくいかないときは CLI> agi set debug on とし、 googletts.agi の中の 72行目辺りにある


  my $debug = 0;my $debug = 1; に変更すします。


CLI でエラー内容を確認できますので、エラーの原因を調べられます。


私の場合、実際に「実行権限がない」というエラーになったので、実行権限を与えてOKとなりました。

うまく再生できた場合は、上のデバッグモードを戻しておきます。



googletts.agi の使い方】


  exten=>s,n,agi(googletts.agi,"text",[language],[intkey],[speed])


  ”test"                ;; テキストを記述
  [language]        ;; スピーチする言語(テキストと異なる言語の場合は
                                ここで指定の言語に翻訳
  [intkey]            ;; 割り込みキー(省略可)
                                 IVR で再生途中でも割り込んで受け付ける文字を記述。
                                'any' は任意の文字で割り込む。
  [speed]             ;; 再生のスピード(初期値 1.2
                                 1.2 は英語などは丁度いいが日本語は遅く感じるので
             1.5 くらいがいい


intkey を 'any' にして、そのあとの exten WaitExten などで得た文字を解釈し、IVR 処理を行うことが可能になります。



googletts.agi を使うことによるメリット】


Playback アプリケーションで使用する音声ファイルが標準で用意されていないとき、
  これを作成することになるが、その必要がなくなる。

Playback アプリケーションでは使う音声ファイルの内容を core-sounds-text
  確認する必要があるが、googletts.agi の場合はテキストを直接記述なので見ただけで
  わかる。

IVR にも対応できるので、使い勝手がいい。

④ 実際の使用場面は少ないかもしれませんが、翻訳にも対応しています。



ちなみに、ブラステルは最近翻訳サービスアプリの提供を始めましたが、使っているのは google 翻訳エンジンだそうです。



いいことづくめですネ。



是非活用してみてください。


今回はここまでです。


次回はボイスメール(留守電)の設定をします。








Asterisk の再セットアップ -- Raspbian STRETCH をクリーンインストールする


Raspberry Pi 3 model BRaspbian STRETCH 版をクリーンインストールしましたので、Asterisk も再セットアップします。

当初 Asterisk Jessie 版で apt-get ではうまく落ちてくれなくて(動かそうとするとエラーがでまくり)、当時のパッケージ版の最新版を make && make install して落と込みました。

その後、現在の PIXEL 版が出てきて、クリーンインストールが好ましい、ということでこれを Jessie 版と同じ手順で落とし込んで使っていました。

今回、STRETCH 版を使うにあたり、apt-get で落とし込んでみようとトライしました。

➡ 最初は問題なさげに思えたのですが、Asterisk が謎のクラッシュをします。
 ネットで調べると、類似のクラッシュはバージョン13 で発生している模様。

 二度、やり直しましたが、やはりクラッシュします。
 この時点で apt-get でインストールすることは諦めました。

 apt-get だと、2〜3分で Asterisk のインストールが終わりますが、ソースからの ./configure,  make && make install だと小1時間かかります。 

仕方ありませんからパッケージ版を make && make install することにしました。




PC 側の作業で使ったのは Mac です

Windows は microSD への焼き込みに際して、フォーマットするツールが違うかも知れません。
Windows 機がないのでわかりません(スミマセン)。

類似のツールを使ってください。

ターミナルコマンドも微妙に違うかも知れません。


-------------------------------------------------------------------------------------------
❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする ⇐ いまココ
 Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる
❏ Asterisk にボイスメールを設定する
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる
❏ Asterisk の各種設定ファイル
-------------------------------------------------------------------------------------------


Raspbian STRETCH をクリーンインストールする


Raspbian の公式サイトにはクリーンインストールが推奨、とありますから、PIXEL 版からのアップデートではなく、クリーンインストールしていきます。


準備作業は PC 側(Mac)での作業です。

後々リモートで設定変更作業などができるように、あらかじめ、RealVNC を落とし込んでおくといいでしょう。

Jessie 版では TinyVNC と ssh はデフォルトで使用できるようになっていましたから、ディスプレイ/KB/マウスがなくても PC からリモートでセットアップできたのですが、PIXEL 版と今回の STRETCH 版は  RealVNC に変わったため、最初からリモートでの作業はできません。

これらの設定を終えてからでないとリモート作業は行えません。


そのため、Raspberry Pi にはディスプレイ(HDMI-IFのもの)/KB/マウスが必要です。




【準備作業1】 -- microSD カードの準備と Raspbian を入手する

最初に、落とし込む microSD カード(SHDC以上)を準備します。
容量は 16GB もあればいいでしょう。
最低 8GB 必要ですが、メモリ素子エラー時の代替メモリ領域が確保できる 16GB がいいと思います。

新品であれば初期化は不要です。
そうでなければ初期化します。
初期化は SDFormatter を使います。
初期化の場合「論理整合性はオフ」にして初期化します。


 https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/

から、RASPBIAN STRETCH WITH DESKTOPzip 版をダウンロードします。

2017-11-15 現在の最新版は 1.6GB ほどですが、なぜかダウンロードサイトが遅くて 20分くらいかかります。

ダウンロードした 2017-09-07-raspbian-stretch.zip を解凍して .img ファイルを取り出します。




【準備作業2】 -- microSD カードに .img を焼き込む

PC のターミナルを起動し、microSDカードのディレクトリを確認します。


 MacBookAir:~ xxx$ df -h
 Filesystem    Size   Used  Avail Capacity iused ifree %iused Mounted on
 〜
 〜
 /dev/disk3s1 30Gi 2,4Mi   30Gi    1%       0       0   100% /Volumes/NO NAME
   MacBookAir:~ xxx$

ここでは、最終行に表示の /dev/disk3s1 が対象の microSD カードです。容量やデバイス名などを見て判断します。

例の場合、「…3s1」の「s1」はパーティションです。初期化しても1個はパーティションができていると思いますが、Raspbian は /dev の先頭から焼き込まないと起動しません。
パーティションに焼き込んでも NG になりますので注意が必要です。

microSD カードをアンマウントして、.img を焼き込みます。

   MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3
   MacBookAir:~ xxx$ sudo dd if=/Downloads/2017-09-07-raspbian-stretch.img of=/dev/disk3 bs=4

このとき、デバイスの先頭から書き込みますから /dev/disk3s1 ではなく、/dev/disk3 としないといけません。

焼き込みは 4.92GB ありますので、2時間近くかかります。
途中経過は「control+t」で、ターミナル上で確認できます。


焼き込みが完了したらアンマウント/エジェクトして取り出します。
   MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3 
   MacBookAir:~ xxx$ diskutil eject /dev/disk3




【Raspbian での作業1】-- 起動までの作業をする

ここからしばらくは Raspberry Pi での作業です。

電源を接続しない状態で Raspberry Pi の SD スロットに焼き込んだ microSD を差し込みます。

ディスプレイ/KB/マウス/LAN を接続して電源に接続(通電)します。

起動が始まり、デスクトップ画面になれば起動は完了です。


【Raspbian での作業2】-- 基本的な設定をする

まだ日本語設定していないので、英語表記になっていると思います。
左上のメニューボタンをクリックして、「Settings」➡「Raspberry Pi Configration」をクリックして基本設定をします。

① System : パスワードの変更(初期値は 'raspberry' )➡ 任意のパスワード
  解像度は、いまは初期値でいいでしょう(VNC での見え方でこれを適切なものに変える)

② Interfaces : VNC、SPI を有効化
③ Localization : 下記の設定をします
 ・Locale : ja(Japanese), JP(japan), UTF-8
 ・Time Zone : Asia, Tokyo
 ・Keyboad : Japan ➡ OADG109
 ・WiFi Country : JP Japan
  
OK をクリックするとリブートを促されるので、Yes でリブートします。

再起動後の画面は日本語の表示に変わっているはずです。


次に root のパスワード設定をします(初期値は無設定状態)
ターミナルを起動して、

 pi@raspberrypi:~ sudo passwd root
 新しい UNIX パスワードを入力してください:任意文字列入力する
 新しい UNIX パスワードを再入力してください:(同 上)
 passwd : パスワードは正しく設定されました

続いてネットワークアドレスを固定アドレスにするため、
ターミナルからエディターで dhcpcd.conf を編集します。

 pi@raspberrypi:~ sudo leafpad /etc/dhcpcd.conf

Leafpad の画面が出てきますから、最終行に下記を追加します。

 interface eth0
 static ip_address=192.168.xxx.yyy ➡ Raspberyy Pi のアドレス
 static routers=192.168.xxx.zzz ➡ デフォルトゲートウェイのアドレス
 static domain_name_servers=192.168.xxx.zzz 8.8.8.8 ➡ DNSサーバーのアドレス(デフォルトゲートウェイと同じ)

保存して終了します。

続いて hosts を編集します。

 pi@raspberrypi:~$ sudo leafpad /etc/hosts

ホストアドレスに「127.0.1.1 raspberrypi」という行があると思いますが、これを「192.168.xxx.yyy  raspberrypi」に変更して保存・終了します(192.168.xxx.yyy は Raspberry Pi の自アドレスです)。

 IPアドレスを固定に変更しホスト名も変更設定すると、/etc/hosts のホスト名の部分のIPアドレスとして、「127.0.1.1」が設定されている(Linux の仕様)。
これは、インストール時に自動的にIPアドレスを取得した場合(DHCPを利用)に固定アドレスに変更すると、このように設定される。
したがって、IPアドレスの設定をDHCPによる取得から固定アドレスに変更する場合は、/etc/hostsの設定については、127.0.1.1の部分を設定するIPアドレスに変更する必要がある(サーバー機能 [Asterisk] DNS参照で 127.0.1.1 を参照してレジストエラーなどになる)。


ネットワーク/ネットワークデーモンの再起動または、Raspberry Pi のリブートで変更を反映させます。

・ネットワークの再起動の場合
 pi@raspberrypi:~$ sudo /etc/init.d/networking restart
 pi@raspberrypi:~$ sudo systemctl daemon-reload




【RealVNC で PC での作業】

最低限の設定をしましたから、ここからは RealVNC を使った PC での作業が可能になります。

Raspberry Pi に接続していたディスプレイ/KB/マウスは外しても構いません。

PC から RealVNC を起動します。

ユーザー:pi   passwd:pi に付けたパスワード
サーバーアドレス/ポート:192.168.xxx.yyy:5900

とします。

デスクトップサイズが最適でない場合は、「設定」➡「Raspberry Pi の設定」➡「システム」➡「解像度」と進んで解像度を変更します。




RealVNC で PC 上に Raspberry Pi のデスクトップが現れます。




【ファームウェアとパッケージの最新化】

ターミナルを開いて、

 pi@raspberrypi:~$ sudo su -
 root@raspberrypi:~# rpi-update

ファームウェアがアップデートされたら、一旦リブートします。



自動で RealVNC にデスクトップが表示されますので、再びターミナルを開いて引き続き不要パッケージの削除とそのほかのパッケージの最新化をします。



Libreoffice のアンインストールをします(標準でインストールされていますが、多分使わないでしょう。使うときは残します)。

root@raspberrypi:~# apt-get remove libreoffice
root@raspberrypi:~# apt-get autoremove

続いて、パッケージの最新化です。

 root@raspberrypi:~# apt-get update
 root@raspberrypi:~# apt-get dist-upgrade

途中で /etc/dhcpcd.conf をアップデートするか、ユーザーが設定たまま(デフォルトは 'N' )にするかを問われるので、’N' を入力します。

完了したら再起動して最新化したパッケージの反映をしておきます。




【日本語入力パッケージのインストール】

 root@raspberrypi:~# apt-get update
 root@raspberrypi:~# apt-get install ibus-mozc fonts-vlgothic fonts-ipafont-gothic





【Samba の インストール】

PC やディスクサーバーとのファイル交換などのために Samba をインストールします。

 root@raspberrypi:~# apt-get update
 root@raspberrypi:~# apt-get install samba

ファイル交換用のディレクトリを作成します。

 root@raspberrypi:~# mkdir /home/share

Samba の環境設定をします。

 root@raspberrypi:~# leafpad /etc/samba/smb.conf

最終行に以下を追加します。

 [share]
 path=/home/pi
 readonly=no
 guest ok=no
 force user=pi

Samba にアカウントを設定します。

 root@raspberrypi:~# smbpasswd -a pi

新しいパスワードの入力と再入力を促されますので、任意の文字列をそれぞれ入力します。

Samba の自動起動設定と反映のため Samba の再起動をします。

 root@raspberrypi:~# update-rc.d samba default
 root@raspberrypi:~# systemctl restart smbd




【ファイヤーウォールの設定】

設定ツールの ufw をインストールして設定します(iptables で設定でも構いませんが、自分は ufw が使い慣れていますので)。

 root@raspberrypi:~# apt-get update
 root@raspberrypi:~# apt-get install ufw
 root@raspberrypi:~# ufw enable
 root@raspberrypi:~# ufw default deny
 root@raspberrypi:~# ufw allow in from 192.168.xxx.0/24 to 192.168.xxx.yyy
 root@raspberrypi:~# ufw allow out from 192.168.xxx.yyy to any

すべてのアクセスを拒否。
プライベート空間からの自アドレスへのアクセスを許可。
自アドレスからはどこへもアクセスを許可。

設定したら確認しておきます。

 root@raspberrypi:~# ufw status numbered
         To                      Action          From
         --                        ------             ----
   [ 1] 192.168.xxx.yyy  ALLOW IN    192.168.xxx.0/24        
   [ 2] Anywhere           ALLOW OUT 192.168.xxx.yyy  (out)
 root@raspberrypi:~#


以上で終わりです。


次回は Asterisk をインストールします。