必要なら元ディスクのデータを、復旧した後でコピーして戻します。
「LS210D を元の Linkstation に戻す:当初のやり方のやり直しで ➡ OK【記事訂正あり】」と同じ手順で、次のようになります。
「クロスインストール」方式といいます。
ローダーやインストーラー、ルート展開用ファイル群の塊を用意したディスクに別マシンで設定し、このディスクを本体に装着することでインスタールさせるやり方です。
1.準 備
❏ ディスク:中古でも新品でも構いません
❏ SATA=USB 変換ケーブルを用意します
3.5" HDD の場合は変換ケーブルに電源をつなぐ必要があるかも知れませんので
電源ケーブル付きを用意した方がいいでしょう。
2.5" HDD や SSD は電源は不要かも知れません。
❏ Linux が動作するサーバーまたは PC が必要です
2.ディスクのパーティション設定と、フォーマット
3.ファームウェアのダウンロードと解凍、initrd.buffalo / uImage.buffalo の抽出
4.ディスクへのこれらのファイルの書き込み
5.本体に装着してインストール
6.ファームウェアアップデート適用
もう一つ別の方法「tftp 方式(とでもいいましょうか)」もあります。
tftp サーバーに関連ファイルを置いて、これを NAS 側から取りに来させるやり方です。
こちらの方が少し難易度が高いので、今回は割愛します。
「LS210D を元の Linkstation に戻す」にこの方式のやり方を記載しています。
【1.準 備】
用意したディスクを Linux 機(私の場合は元が LS210D の Debian Serverを使用)に SATA=USB ケーブルで接続します。
Linux 機にファイルマネージャーがインストールされていると起動されるかも知れません。
この場合は、「ファイルマネージャーで開きますか?」と聞いてくるので [キャンセル] します。
また、このメッセージが出る場合はすでにディスクがマウントされていますから、パーティションを設定するのでアンマウントします。
いずれにしてもマウントの有無は df コマンドで確認できます。
linux 機は sdaX(X: 1, 2, 3 ...)というデバイス名になっていて、接続したディスクは sdbX というようになっているはずです(linux 機に複数のディスクが元々マウントされている場合は sdcX とか sddX とか、a, b, c, d の記号の一番あとのものが今回接続したディスクデバイス名です)。
以下は、sdbX であったとして進めます。
df コマンドでこの sdbX がマウントされていなければ fdisk -l でデバイス名は確認できます。
【2.ディスクのパーティション設定と、フォーマット】
すべての sdbX がアンマウント状態を確認して、fdisk /dev/sdb としてパーティションを設定していきます。
root@debian:/# fdisk /dev/sdb
Welcome to fdisk (util-linux 2.29.2).
Changes will remain in memory only, until you decide to write them.
Be careful before using the write command.
Command (m for help):
すでにパーティションがあった場合はすべて消し、改めて切り直しします。
消す場合は d でパーティション番号を聞いてきますから [return キー] で一番最後から順にパーティションが削除されます。
Command (m for help): d
先頭パーティションまで削除して、g を入力します(gpt)。
続いて、n と入力し、パーティション1から順に作成します。
:: パーティションは次の大きさで確保し、タイプを変更します
::(この例では 2.5" HDD 500GB を使用した)
::
:: sdb1 = 最初 〜 +1GB ➡ /boot
:: sdb2 = 続き 〜 +5GB ➡ /(root)
:: sdb3 = 続き 〜 +384KB ➡ swap
:: sdb4 = 続き 〜 +1KB ➡ sdb6 をデータパーティションにするための調整みたい
:: sdb5 = 続き 〜 +1GB ➡ ( 同 上 )
:: sdb6 = 続き 〜 残りすべて➡ データパーティション
::
:: タイプは、sdb3 のみ BIOS boot (タイプ番号:4)
:: 残りはすべて Microsoft basic data (タイプ番号:11)
::
:: パーティションサイズとタイプは、LS210D でのものとほぼ同じ設定です
:: バッファローの LinkStation は原則的にどの機種もこの設定みたいです(未確認)
::
:: コマンド (m でヘルプ) t ➡ 対象のパーティションを指定してタイプ番号を与えます
領域サイズは、上の例のとおりで結構です(およそ、数値があっていれば結構です)。
設定したパーティション情報は次のようになっているはずです。
fdisk モードのコマンド p で確認します。
Command (m for help): p
Disk /dev/sdb: 465.8 GiB, 500107862016 bytes, 976773168 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 4096 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 999AC944-78E7-46C9-99AF-5071F068DC80
Device Start End Sectors Size Type
/dev/sdb1 2048 1955839 1953792 954M Microsoft basic data
/dev/sdb2 1955840 11720703 9764864 4.7G Microsoft basic data
/dev/sdb3 11720704 11721453 750 375K BIOS boot
/dev/sdb4 11722752 11722753 2 1K Microsoft basic data
/dev/sdb5 11724800 13678591 1953792 954M Microsoft basic data
/dev/sdb6 13678592 976773134 963094543 459.2G Microsoft basic data
Command (m for help): w ➡ 設定を反映させて fdisk を終了します
パーティション設定は fdisk ではなく parted コマンドでも結構ですが、私は fdisk を使っています。
パーティション1と2と6を ext3 形式でフォーマットします。
root@debian:/# mke2fs -I 128 -j /dev/sdb1
root@debian:/# mke2fs -j /dev/sdb2
root@debian:/# mke2fs -j /dev/sdb6
※ パーティション6もここでフォーマットしておきます
ファームウェア適用時にフォーマット、またはセットアップ後に
改めてフォーマットしますが、後者が必要な場合、ここでフォーマット
しておかないと「完全フォーマット」しなくてはならず、その場合は
気の遠くなるような時間がかかってしまいます
※ 最終的にはパーティション6は xfs 形式になりますが、ここで xfs 形式に
すると、セットアップ後のフォーマット必要時になぜかうまくフォーマット
されません
【3.ファームウェアのダウンロードと解凍】
バッファローの当該機種の最新ファームウェアをダウンロードします。
本記事掲載時点の最新は 1.74 です。
(Windows 用と Mac 用は少し中の作りが、あとで記載の部分が違うようです)
バッファローの示す解凍方法で解凍します。
以下は Mac での事例ですが、一部を除いて Windows でも同じです。
解凍すると、「update.app(Windows 用は LSUpdater.exe ?)」と「data ディレクトリ」ができます。
data ディレクトリの中の initrd.img / uImage.img をさらに解凍しますが、これは次のようにします。
拡張子を .img から .zip に変えてこれを解凍しますと、パスワードを聞かれますので、次のどれかを入力すると解凍されます。
NFM_TUPSBHFNFM_TUPSBHF
1NIf_2yUOlRDpYZUVNqboRpMBoZwT4PzoUvOPUp6l
aAhvlM1Yp7_2VSm6BhgkmTOrCN1JyE0C5Q6cB3oBB
YvSInIQopeipx66t_DCdfEvfP47qeVPhNhAuSYmA4
IeY8omJwGlGkIbJm2FH_MV4fLsXE8ieu0gNYwE6Ty
initrd.zip は3番めのパスワード、uImage.zip は2番目のパスワードで解凍されました。
機種によってパスワードを使い分けているようです(LS210D はともに2番目)。
initrd.zip の解凍によって initrd.buffalo が抽出されますから、initrd.zip は元の initrd.img に拡張子を戻します。
uImage.zip の解凍によって uImage フォルダが作成され、その中の uImage-lsp.5.x.buffalo を uImage.buffalo に名前変更し、uImage.zip は元の uImage.img に拡張子を戻します。
また、LSUpdater.ini の中を一部変更しますが、Mac はこのファイルがロックされていて編集できません。
そのために、あとのフォーマットの仕方が変わります。
Windows の場合は最終行の NoFormatting = 1 を 0 に変えます。
【4.ディスクへのこれらのファイルの書き込み】
解凍されてできた以下のファイルをディスクのパーティション1(boot フォルダになります)にコピーします。
(コピー不要なものもあるようですが、明確にはわかっていませんからすべてコピーします)
builddate.txt
hddrootfs.img
initrd.buffalo
initrd.img
linkstation_version.ini
linkstation_version.txt
LSUpdater.ini
u-boot.img
uImage.buffalo
uImage.img
uImage.map
root@debian:/# mkdir /mnt/bt
root@debian:/# mount /dev/sdb1 /mnt/bt
linux 機の適当な共用可能フォルダーに上のファイル群を入れて、そのフォルダーから /mnt/bt にコピー(cp)もしくは移動(mv)します。
アンマウントします。
root@debian:/# umount /mnt/bt
ディスクを取り外して LS-AVL の本体に装着します。
【5.本体に装着してインストール】
本体への装着をしたら本体の電源を入れます(電源ボタンを長押しすると電源が入ります)。
インストールが始まります。
青点滅やら、橙点滅や、赤点灯などを何回か繰り返しますが、放っておけば数分〜10分程度で青点灯し、インストールは終了しています。
NAS 自体はインストールとブートがされています。
NAS Navigator2 を起動すると下記のような画面で EM モード状態になっていますので、ファームウェアのアップデートを行います(EM モードはファームウェアアップデートが未完了を意味します)。
右下の [閉じる] をクリックすると下記画面になり、EM モードであることがわかります。
【6.ファームウェアアップデート適用】
EM モードを解消するためにファームウェアアップデーターを起動します。
アップデーターは次の画面のように NAS を自動認識します。
[ファームウェア更新] ボタンをクリックすると、Windows の場合は、最初にフォーマットを求めてきます。
これは、LSUpdater.ini の 最終行の NoFormatting = 0 の設定でフォーマット要求になりますが、Mac はこの .ini がロックされていて編集できませんから、フォーマットはパスされます。
パスされた場合はインストール後にフォーマットします。
フォーマット要求は [OK] をクリックします。
(実は、「tftp 方式」の場合は、このフォーマット要求が Mac でもくるのです。.ini のコピーを編集しておいてこのファイルも tftp で get させるとフォーマット要求がきます)
アップデーターは数分〜10分程度で終了します。
青点灯になれば終わっています。
ほどなくアップデーターは次のような画面になります。
この段階で Windows からの場合は NAS は正常に初期化状態になっていますので、各種設定をします。
------------------------------
しかし、Mac の場合はまだフォーマットが残っています。
そのために、ディスクチェックでエラーになって、赤点滅4回を繰り返します。
NAS に Web 画面からログインします。
そして、「システム」➡「ディスク」と進みます。
ディスクは認識されていますが、「全容量」以下が数値がでていない状態です。
[ディスクチェック] を行います。1分程度で終わります。
その後、[ディスクフォーマット] を行います。
[フォーマット] をクリックすると「通信の確認」でコード入力を要求されます。
この例の場合は「4199」を [確認番号] 欄に入力して、[設定] ボタンをクリックするとフォーマットが始まります。
ディスク容量にもよりますが、3分〜10分程度かかります。
これは領域自体はフォーマットしないで、i-node だけ更新しているようです。
完了すると、電源 LED は青点灯、残量 LEDもすべて青点灯になり次の画面になります。
「システム」➡「ディスク」と進むと次の画面になり、正常にフォーマットされているのがわかります。
初期化状態ですので、各種設定を行います。
<< 終 わ り >>
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