2019-10-31

IPv4 アドレス枯渇問題について

欧州では本年11月に IPv4 が枯渇するようです。



これまで世界では何度もこのアドレス枯渇問題が議論され、一部には IPv6 に移行したサイトもありますが、まだまだ圧倒的に IPv4 でのサービスになっています。






国内でもプロバイダをはじめ次のような対策が講じられてきました。



1.グローバルアドレスは動的割り当て方式にする。

  これは接続時のみ割り当て、切断時はそのアドレスを「未使用」状態にして
  未使用状態のアドレスを使い回す。

  ほとんどのプロバイダはこの方式です。


2.グローバルアドレスは割り当てないで、プライベートアドレスを割り当てる。

  ソフトバンクなどはこの方式です。

  また、モバイルでもこの方式を採用しているところは年々増えています。


3.ハイブリッド形 ①(PPPoE + IPoE 方式)

  IPv6 との併用ができるようにし、IPv6 の本格的普及時に備える。

  従来の IPv4 サービスサイト(現在は圧倒的にこのタイプのサービス)には IPv4 で
  通信し、IPv6 サービス(まだ極めて少ない)には IPv6 でできるようにする。


4.ハイブリッド形 ②(トンネル方式)

  IPv4 over IPv6 といわれているもので、どちらかというと PPPoE の混雑時の速度
  低下対策としてサービスされてきましたが、3項と似ています。


  速度低下はフレッツネクスト網を PPPoE で使う場合に発生します。


  3項との違いは IPv4 通信を PPPoE ではなく IPv6 のパケット内に入れて、
  ネットワーク・イネイブラーといわれる事業者の設備で IPv4 または IPv6 で接続
  サービスする方式です。

  ただし、ポートの使い方が2項同様、制約を受けますので自局がサービスする場合
  などに影響を受けます。



以上のような対策が講じられてきても IPv4 アドレス枯渇問題は避けようがなく、いつ枯渇するかは時間の問題になっています。



今般、欧州で近々おとずれる枯渇問題は早晩世界中の地域で発生します。


日本とて例外ではありません。


一般ユーザーがどうこうできる問題ではありません。



ただ、3項や4項の対応をすることによって、来たるべき事態に備えることはできます。


現在できているサービスが制約を受けるかも知れませんが、PPPoE との併用で切り抜けるしかありません。



モバイルも IPv4 と IPv6 の両方に対応したデバイスが主流になってきており、意識せずとも3項の状態になってきています。

 (古い機種はこの対応ができないものもまだ少なくありません)。



WiFi スポットはほとんどが「プライベートアドレス割り当て」です。






抜本的にはすべてのサービスサイトが IPv6 に移行し、ユーザーも IPv6 でサービスが受けられるようにすることでしか枯渇問題は解決しないのです。





逆にすべてが IPv6 に移行すると、IPv4 アドレスは一気に未使用状態になりますから、新たな活用方法が議論されるかも知れません。



管理人の場合、そのような時期までこの世にいないと思いますから、余計な心配はしませんが。











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