PSTN:Public Switching telephony Network、公衆交換電話網(一般加入回線電話網)は「Common Channel Signaling System No.7、SS7」という世界共通の信号方式で接続されています。
発呼すると、自電話が登録されている交換器から STP(Signal Transfer Point)へ、着呼側電番が登録されている交換機を問い合わせます。
このときに SS7 を使って問い合わせます。
交換器には固有の「ポイントコード」が割り振られていて信号制御はこのポイントコードで行われます(IP アドレスに似ています)。
着呼側交換機のポイントコードが得られると、その交換機と自交換機の間で通話用のトランクが開かれて呼び出し・通話、ということになります。
この仕組みはインターネットの仕組みと非常に似通っています。
つまり、通信相手の IP アドレスを DNS(Domain Name Server)に問い合わせて、IP アドレスを得て、その IP アドレスで相手と通信しているわけですが、DNS は位置づけが PSTN における STP と同じです。
もちろんインターネットよりも電話交換網の方がずーっと古くからあり、Arpa ネットから発展したインターネットが交換網の仕組みを参考にしたのではないかと思っています。
インターネットには表のラインと裏のラインがあって、表が IP アドレスならば裏は DNS と言えるでしょう。
電話網の電番とポイントコードの関係と同じ仕組みです。
シグナリングプロトコルはそのバージョンが SS5、SS6、SS7 のようにアップしてきて最終バージョンが SS7です。
NTT の場合「D70改」という交換機が最後に開発された交換機で実に25年間も使われました。
そこで、すべての交換網をインターネット交換網に置き換えてきたわけです。
現在 NTT はバックボーンはすでに IP 網になっています。
ラスト1マイルを完全 IP 化したいようですが、容易ではありません。
ひかり電話になっていればすでに IP 電話ですが、いわゆる黒電話がまだ残っており、これをどうするかなのですが、モデムを無償貸与することでこれを解消しようと考えているようです。
黒電話は交換局から電源を得ており、自宅が停電でも電話は使えますが、モデムになるとこれが使えなくなります。
こういうこともキチンと説明しなければなりませんが、逆にモデム設置を躊躇する方もでてきてそれが大変なわけですが、どこかで半強制的に移行せざるを得ないと思われます。
さて、完全 IP 化ができたとして、インフラはインターネットプロトコルになりますが、サービスはどうでしょうか。
実はここが問題です。
例えば、米国ではいろいろなサービスが試行または実用化されており、SMS は固定電話でも使えますが、日本ではできるのに携帯電話網にしか開放していません。
こういうことがまだまだサービス面の課題なわけですが、一向にサービス面の議論がされているようには感じません。
インフラの IP 化だけが議論されているように感じています。
IP 電話も、一部の 050 扱いのままですが、地域性のない、個人に割り当てた電番、という本来の「ワンナンバー」 にならないものでしょうか。
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