2018-05-21

050 plus は実用に向かない -- ことはないかも知れない

【2018/06/11 再検証で通りました】

再検証によって変更・追加した箇所は青太字で示しています。


050 plus を使う機会があり、試用してみましたが実用には耐えないそう、という結論に達しました。


まず、050 plus 公式アプリでの使用ですが、少し遅延があり、ともすれば聞き返すことがあるレベルですので、実運用には安心して使えない、と感じました。

遅延は 0.5秒くらいの感じですので(実測はしていません)、これを使えると判断するかどうかは個々人の受け止め方次第、といえます。


次に、GS Wave に 050 plus の SIP 情報を下記のように電番とパスワードを設定してハッキングし、その結果をもとにソフトフォンへの設定をしました。

これは、ブラステルと併用する場合にソフトフォンを使い分けないで済むようにとのことからです。


電話番号 : パスワード:     



レジストされ、発着信はしますが、音声はどのように設定しても通りません




 通らなかったときの設定に対して、次の項目を変更しましたら、チャンと通ります。
 しかも、殆ど遅延もなく、音声もきれいです。

  ❏ Account Settings → 当該 050plus アカウント
   ❏ Register Expiration (m) : 1 (分)
   ❏ Preferred Vocoder : PCMU, G729 をこの順で有効化
   ❏ SDP Bandwidth Attribute : Media Level
   ❏ SRTP Mode : Enabled And Forced
   ❏ Enable SRTP Key Life Time : オフ

  ❏ Advanced Settings → Random Port : オン

 「Advanced Settings → Random Port : オン」でないと音声が通らないことが
 判明しました。

 「SDP Bandwidth Attribute : Media Level(デフォルト)」でよい。
 「Enable SRTP Key Life Time : オン」だと遅延が大きい(Zoiper並みに遅れ)。
 「Preffer Vocoder」は、他 SIP や固定・携帯電話とのコーデック互換を考慮
 すると、PCMU(G.711μ)が良い(050plus 同士の限定利用なら G729 あり)。

 Zoiper での遅延や音質に比べると雲泥の差で良い、といえる状況でこれなら使えると
 思います。

 さすがに GS Wave です




Zioper はどうか、というと音声がちゃんと通りますが、050 plus 公式アプリよりも遅延がひどくてとても使えません。

1秒くらい遅延がある感じです。


GS Wave には TLS/SRTP を有効設定できるのですが、何故か音声が通らず、Zoiper では同様の設定で通ります。

GS Wave で通らないバグなのか、プロトコルの処理方法の違いなのかわかりません。
あまり深く調べてはいません。



また、050 plus が着信側のとき、着信側が切断しても発信側は即切断せず、この点も問題です。




これについては、GS Wave でも引き続き発生する事象です。
着信側が 050plus の場合、着信拒否されても発信側は切れません。
これも問題です。


これらは 050plus が標準的な SIP プロトコルをとっていないのが原因です。

つまり、切断時に BYE を投げずに、自分は勝手に切断しているせいです。
発信側がタイムアウトで切れるまで時間を要します。

この間、発信側には課金されていますから、050plus の重大な問題点です。

これを5年以上前に指摘した方がいらっしゃるのですが、いまだに改善されていません。

発信側が切断のときは、受信側(050plus 側)はチャンと切れます。



また、050plus が発信側のときは、発信側でも受信側でもどちらが切断しても相手側も切断します。



と、いうことで 050 plus を試用した結果では使えません使えそう、というのが私の場合の結論ですが、切断問題は残ります




今夏、娘一家が帰省の折りに彼らに使わせる電番として 050 plus もその候補に、と思いましたが、ブラステル電番をもう一つ確保することにしました。

お互いに無料で通話できますし。



彼らは、Orange モバイルのロックがかかった iPhone なので日本国内では使えません。

Android 機は現在空いているのが1台だけで、一つは仏に出かけていますから、それは持ち帰るようにいいました。

それでももう1台不足なので、購入しました。

これについてはまた後日、記載したいと思います。










2018-05-12

公的 DNS サービス 1.1.1.1

Cloudflare(本社:SF, CA USA)が APNIC の所有する 1.1.1.1 を使って公的 DNS サービスを本年4月1日より開始しました。

この DNS サービスは Google よりも速く名前解決でき、しかも Google のようにアクセスしてきたユーザーの IPアドレスは記録しない、といいます。

公式サイトは https://1.1.1.1/ja-jp/ になります。


1.1.1.1 の公式ホームページより抜粋

確かに世界最速をうたっています。

実際にどうなのか、dig で調べたのが以下です。




Google が 45ms に対して 1.1.1.1 は 7ms と、6倍以上の差があり非常に高速です。

ちなみに、プロバイダ(V6プラスなので JPNE)の場合が一番下の結果で、18ms です。


実は試しに 1.1.1.1 を4月下旬から使っていましたが、本日(5月12日)未明から(?)障害で何時間かアドレスを引けなくなりました。

この記事を書いている 16:00 には回復していました。
どれくらいダウンしていたのかは公式ホームページにも言及がないのでわかりません。

4月にも一度障害があったようで、数時間(?)使えなかったようです。

その時も公式アナウンスはなかったようで、ここらあたりがまだ運用面でも課題を残していますね。


今後、安定性・信頼性が増せば Google に代わる存在になるかも知れません。


結局はプロバイダの DNS サービスに戻しました。

何倍も速い、といっても数ミリ秒〜十数ミリ秒の範囲ですから、体感的に速さも遅さも感じることはできません。

よって、プロバイダの DNS サービスで十分、です。


しかも、プロバイダの DNS サービス異常があった場合は大抵の場合接続自体も切れることが多いと思いますし、公的 DNS を使ってそれが安定していても、プロバイダの接続が切れれば結局は無駄なことですし。


DNS サービスの速さを比較するのに、なぜかスピードテストするヒトがいますが、何か大いなる勘違いをされていますね。


同様に、8.8.8.8 を使えばネットが速くなる、なんて喧伝しているヒトもいますが、名前解決の速さは全体的な速度に比べれば超・微々たるものでしかありません。


ということで、巷のウソを見抜けるくらいにはなりたいものです。