2024-05-18

Rakuten Link は発信するときだけログインする方がいい -- 詐欺電話などへの対策にもなる

 

 


「楽天経済圏のサービスやお得情報」と称して経済圏ポータル化で Rakuten Link ホームのみならず、電話やメッセージでも楽天市場などの CM が張り付いていて、ますます嫌らしさの度合いが鼻につくようになってきました。

 

下図は「ホーム」画面ですが、右上の「設定」ボタン以外は要りません。

 

昔は「通話」に「設定」ボタンがありました。

 

つまり、昔の形に戻せば「ホーム」自体が不要です。

 

ホーム画面は下にスクロールすると、まだまだ余計な情報が満載状態です(狂ってる)。

 


 

 

次の画面は「メッセージ」画面ですが、一番上と中程に余計な情報が表示されています。 



 

 

次の画面は「通話」画面ですが、これにも余計な情報が表示されています。

 


 

 

次の画面は「ウォレット」画面ですが、この画面自体が不要です。

 

楽天 Pay に集約すればいいのでは?

 


 

 

もはや異常、「トチ狂ってる」としかいいようがありません。

 

 

 

楽天モバイル側の目線では楽天経済圏に誘導したいのでしょうが、ユーザー目線では電話アプリとして拒否設定など完成度を高めて余計な機能は皆無にしてほしいと思います。

 

 

楽天経済圏へのポータル化はほかのアプリ(楽天 Pay や楽天カードアプリなど)で十分です。

 

 

あのアプリもこのアプリも、これでもかというやり方はまともには思えません。

 

反感を買うだけでしょう。

 

 

Link の楽天経済圏ポータル化は誰も望んでいないと思われ、むしろ嫌われているのではないでしょうか。

 

実際にこれが嫌で楽天モバイルを解約したというヒトたちがいるようです。

 

 

楽天モバイル自体は大変よいキャリアに成長したと、個人的には思っています。

 

 

Rakuten Link だけは不満があります。

 

楽天グループの誰かがこだわっているとしたら、顧客本位ではない、といえますから早くそのことに気づいてほしいものです。

 

 

ねえ、三木谷さん、「改むるに遅きはなし」ですよ。

 

 

Link の無料通話/無料 sms 自体は大変重宝していますので、何度でもいいますが、電話アプリとしての完成度を高めて余計な機能はなくしてほしい。

 

 

 

さて Rakuten Link では着信拒否設定ができません。

 

 

これって地味に不便です。

 

 

これが嫌で「楽天モバイルやーめた!」なんて人たちもいるようです(まぁチョットしたボタンの掛け違いなのですが)。

 

 

 

昨今、詐欺電話や折り返しで高額通話料のキックバック狙いの海外からの電話が頻発しています。

 

 

sms も同様です。

 

ヘンな URL を入れて送ってくるヤカラがいて、ヘタにクリックすると大変なことになります。

 

 

こういう電話や sms は着信・受信拒否できないと困ります。

 

 

通常はログオフすることで、着信時に標準電話アプリ/標準メッセージアプリになります。

 

標準電話アプリの場合、あらかじめ非通知受話拒否、迷惑電話受話拒否(ブロック番号登録)設定しておくことができます。

 

 

発信時にログインすれば無料通話がいままで通り可能になります。

 

ログインは約 20秒で完了します。

 

 

 

Rakuten Link ログインのヒマがないほどの緊急時は標準電話アプリで発信します。

 

有料発信になりますが、めったにはないので構いません。

 

 

 

なお、標準電話アプリ着信時に受話拒否した場合、留守電に切り替わり音声メッセージがセンター預かりになって、その旨 sms 通知されます。

 

 

これは非通知拒否/迷惑電話拒否設定していても受話拒否と同じ扱いで、留守電に切り替わります。

 

 

本当は留守電にも切り替わらずに無条件拒否してほしいのです。

 

 

楽天モバイルの場合、次のようにするといいようです。

 

「My楽天モバイル」アプリを開き、契約プランで「留守番電話」をオフにすると留守電記録されません。

 

センター預かりも Link 留守電も記録されません。

 

 

このとき拒否設定した非通知やブロック番号からの電話は無条件に即切りになります。

 

ブロック番号からの呼び出しは即切りですが、sms で着信通知されます。

 

 

非通知も即切りですが着信履歴には残り、sms での着信通知はされません。

 

 

これだと即切りなので相手はこの番号の存在の有無すら分かりませんから、詐欺電話などには大変有効です(通知でかけ直すしかなくなるが、ブロックされればそれで終わり)。

 

 

AQUOS の場合は簡易留守電機能があり、拒否していない電話に出られないときはボイスメッセージがここに記録できます。

 

 

 

キャリアのサービス(ドコモの 1410/1411 など)ではどうでしょうか。

 

 

楽天モバイルでは 1410/1411 は現在サービスされていません。

 

「My楽天モバイル」の「留守番電話」設定が 1410/1411 に代わる機能のようです。

 

 

 

「My楽天モバイル」の契約プランで「留守番電話」をオンの場合、受話拒否時の sms には日時と発信番号が通知されていますので折り返し電話するかどうかが判断できます。

 

 

同時に Rakuten Link(センターサーバー?)にも音声メッセージが記録されています。

 

1417 電話で音声メッセージを聞くと有料ですが、Rakuten Link にログインして Link の留守電を再生の場合は無料です。

 

 

普段ログオフ状態の場合は、音声メッセージを聞くためにログインの手間がかかりますが、気になるほどではありません。

 

 

 

ログインして Link アプリのバックグラウンドオフで標準電話アプリに切り替わりますが、このとき発信側は約 10 秒間無音が続きますので、発信者は通じないと思って切るかも知れません。

 

 

後日「あなたへの電話はいつも通じない」などといわれるかも知れませんので、バックグラウンドオフはオススメできません。

 

 

 

ログオフしておくことでハンズフリー着信も可能になります。

 

 

 

どなたかが Macrodroid を使った着信拒否やログイン自動化を行った事例を公開していましたが、ワタシは単純にログオフ、発信時にログインでいいかと思います。

 

 

頻繁に発信するヒトは毎回ログインは面倒かも知れません。

 

 

ご自分の使い方に合わせるとよいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024-05-14

Tailscale という P2P メッシュ型 VPN(2024-05-19 一部追記)

 

 

 我が家における VPN クロニクル 

2016年10月

Raspberry Pi3 B に OpenVPN をセットアップし、Tailscale の Subnets & Exit Node 相当の位置づけで使用していました。

 

 

2019年4月

Wireguard の存在を知り OpenVPN に代えて Raspberry Pi3 B に Wireguard VPN を再構築しました。

 

Wireguard はほかの VPN 方式のような Client - Server 型ではなく Peer to Peer 方式です。

 

なお Tailscale サービスは P2P 方式ゆえに成り立っています。

 

 

2019年8月

Wireguard の IPv6 化をしました(接続は IPv4)。

 

 

2020年4月

VDSL から光ファイバーに回線環境が変わる。

 

 

2021年2月

@nifty(Nojima)の "不"公平制御を嫌って楽天ひかりに乗り換えました。

 

Wireguard は PPPoE とクロスパス併用環境で、PPPoE で接続して利用していました。

 

 

2021年4月

Wireguard と Rakuten Casa のために IPv6 でポート開放し、Wireguard は IPv6 接続に変更し、完全 IPv6 化をしました。

もちろん IPv4 通信もできます。

 

 

2022年2月

楽天ひかり から en ひかり に事業者変更をしました。

 

単純にコストダウンのためで、楽天ひかり に不満があったわけではありません。

 

en ひかり は PPPoE 併用は追加料金発生なので不使用です。

 

Wireguard はすでに IPv6 化していたので何ら問題なく接続です。

 

 

2023年5月

Tailscale を導入し、自前の Wireguard はお役御免となりました。

 

それにしても Tailscale は衝撃的で、ワタシが Wireguard を知った 2019年には、すでに Tailscale Inc. がカナダに設立されています。

 

この発想をしたヒト(たち?)は凄い。

尊敬に値します。

 

 

現 在(2024年5月)

自前の Wireguard 接続環境から Tailscale に代えており、また Asterisk も使わなくなったので Raspberry Pi3 B は遊休です。

 

Tailscale の Subnets & Exit Node は GL.iNet AXT1800 または GL.iNet A1300 に設定してあります

 

メインルーターは GL.iNet MT2500A から YAMAHA RTX830 に戻しています

 

GL.iNet MT2500A は現在遊休です。

 



 

 

 

 Tailscale は P2P メッシュ型 VPN 

Tailscale は同じアカウントでログインした機器間でインターネット空間を越えて VPN 通信できます。

 

(ほかのアカウントに招待し、ほかのアカウント所有者がこれを受諾した場合もインターネット空間を越えて VPN 通信できます。)

 

 

 

デバイスに Tailscale をインストールして初めて登録するとShared Address(100.64.0.0/10)がランダムに割り当てられ、登録削除するまでこのアドレスは変わりません。

 

  Shared Address は Carrier Grade NAT 向けに制定されたアドレス体系

 

Tailscale の調整サーバーがアカウントに紐付いた Shared Address を割り当てますが(初回登録時)、このアドレスはアカウントごとなので、1アカウントあたり 419 万アドレスあり、枯渇することはありません。

  

 

ユーザーから見てほかのサービス(キャリアサービスなど)とのアドレス競合が発生し、不具合の原因になることを防止のため、最近のアップデートで任意アドレスに変更できる機能が加わりました(2023年12月)。

 

 

任意といっても Shared Address の中の任意アドレスで、変更するにはいったんログオフし、管理画面から "Edit machine IP for ~~" から変更します。


変更後、再ログインで新しいアドレスが有効になります。

 

ーーーーー

 

 

 

 

事例ですが、例えば Mac と スマホに Tailscale をインストール・登録してログインしておけば、スマホから Mac のフォルダやファイルにアクセスすることが可能になったり、ssh でログインすることが可能になったりします。

 

これは P2P VPN でお互いのデバイスが通信できるからです。

 

 

このとき Mac 側は Samba 共有設定や ssh 受け入れ許可がされている必要があります。

 

NAS やほかの機器へも同様にアクセスできます。

 

 

【P2P VPN アクセス事例】

下図は Mac mini M1 に外部からスマホでアクセスしたときの画面コピーです。

 

Mac mini M1 のディスクや特定のフォルダが表示されています(アクセスできている)。

 

通知領域の表示で 4G 接続されているのがわかります。

 

4G 接続ではローカルネットワークにはアクセスできませんが、鍵マークが表示されており Tailscale にログインしている状態を示しています。

 

 

このとき Mac mini M1 も Tailscale にログインしており、「Allow Local Network Access:オン」の状態です。

 

 

ローカルネットワーク内の Mac mini M1 に割り当てられた Tailscale アドレス(例えば 100.011.012.013)でアクセスできています。 

 


 

 

 

 

 

Tailscale が特徴的なのは P2P メッシュ型 VPN を構成できる点で、複数の拠点間をインターネット空間を越えてつなぐ(通信する)ことができる点です。

 

 

これが Tailscale の基本的機能です。

 

この基本的機能をより便利にし、拡張した機能がいくつか用意されています。

 

MagicDNS や Funnel / Tailscale SSH / TailDrop などがありますがここでは割愛します。 



 

 

ーーーーー

この記事では Route traffic 機能としての Subnet Router と Exit Node について触れてみたいと思います。



 Subnet Router 

Subnet Router は Tailscale ネットワーク(Tailnet といいます)のトラフィックを物理サブネットに中継する機能です。

 

Subnet Router 設定できるデバイスは Linux / macOS / Windows / tvOS です。

 

 

Subnet Router とするデバイスにインストールされた Tailscale に、Subnets として物理サブネットを設定すると、Tailnet 内のデバイスから物理サブネット内の機器にアクセスができるようになります。

 

物理サブネットとはローカルネットワークのことで、プライベート IP アドレス(例えば 192.168.xxx.0/24 など)が割り当てられたサブネットをいいます。

 


 

 

物理サブネット内の機器にアクセスするとき、アクセス対象機器が Tailscale に登録されている必要はありません。

 

対象機器に割り当てた 192.168.xxx.101 などを指定してアクセスします。

 

アクセス対象機器が Tailscale にログインしていれば Tailnet アドレス(100.011.012.013 など)でもアクセスできます。

 

 

 



 

上図では gl-a1300 に Subnets  Exit Node 表示されており、これらの機能が設定・有効化されていることを示しています。

 

 

Tailnet 内のデバイス(Tailscale にログインしたデバイスのことで、例えばスマホ)が、物理サブネット内の機器にアクセスできるということです。

 

 

 

 

 Exit Node 

Tailnet 内の特定のデバイス(Exit Node 設定されたデバイス)を介して、Tailnet 内のすべてのインターネット・トラフィックをルーティングします。

 

Exit Node 設定できるのは Linux / macOS / Windows / tvOS と、Android です。 

 

Android は Exit Node 設定はできますが Subnets 設定はできません。

 

 

Tailnet 内のデバイスは Exit Node を介してセキュアに(Tailscale VPN を使って)インターネットにアクセスできます。

 

 [Tailnet デバイス]⇦⇨[Exit Node]⇦⇨[インターネット]

 

という経路でインターネットアクセスしますが ⇦⇨ 箇所は Tailscale VPN ですからセキュアです。

 

⇦⇨ 箇所のセキュリティは自局のルーターに依存します。

 


これは例えば Free WiFi を安全に使いたいときの手段になります。

 

 [Tailnet デバイス][Free WiFi][Exit Node]⇦⇨[インターネット]

 

 

 

 

【Android 機を Exit Node とした事例】

Android 機として UMIDIGI S5 Pro を Exit Node 設定した事例です。

 

[図-1]で[Stop running exit node]とあるのは、すでに UMIFDIGI S5 Pro を Exit Node 設定・有効化していることを示しています。

 

図-1

 

 


次に示す[図-2]は自局 IP アドレスを表示してくれるサイトにアクセスしたときのもので、このときの自局アドレスは 133.32.135.114 です。

 

 [AQUOS sense6]⇦[ルーター(133.32.135.114)]⇨[インターネット]

 

 

スマホは AQUOS sense6 で WiFi 接続中なので物理サブネット内にあります(通知領域の表示で WiFi 接続中であることがわかる)。

 

図-2
 

 

 

[図-3]は UMIDIGI S5 Pro に設定した Exit Node 経由で AQUOS sense6 から自局 IP アドレスを表示してくれるサイトにアクセスしたときのもので、133.32.135.114 は自局アドレスです。

 

 [AQUOS sense6]⇦[楽天モバイル:4G]⇨[Exit Node:UMIDIGI S5 Pro]⇦[ルーター(133.32.135.114)][インターネット] 

 

 

Exit Node を GL.iNet A1300 にした場合、上記の経路のうち[Exit Node:UMIDIGI S5 Pro][Exit Node:GL.iNet A1300に置き換わります。


 

下図は通知領域に 4G 接続と鍵マークがあり、Exit Node 経由であることが見てとれます。

 

4G 接続中ですが、WiFi 接続中と同じ自局アドレス・133.32.135.114 になっているのがおわかりいただけます。

 

図-3

 

以上のように Android 機の Exit Node が機能していることが確認できます。

 

 

 

 

ちなみに 4G 接続時のアドレスは 133.106.134.153 で、これは楽天モバイルのインターネット出口アドレスです(図-4)。


 [AQUOS sense6]⇦[楽天モバイル:4G]⇨[楽天モバイル IMS(133.106.134.153)]⇦⇨[インターネット]

 

図-4

 

 

スマホにはクラスA のプライベート IP(10.aaa.bbb.ccc)が割り当てられています(楽天モバイルの場合)。