2023-11-02

GL.iNet の AXT1800 と MT2500

 

 

AXT1800(Slate AX)は無線LAN ルーターの位置付けで、一方 MT2500(Brume2)はセキュリティゲートウェイという位置付けです。

 

AXT1800


  【仕様】


 

 

 

 

MT2500A


  【仕様】


 

 

AXT1800 のチップは 32bits アーキテクチャーで、MT2500 のそれは 64bits ですが、性能的にはほぼ同レベルとみていいでしょう

 

 


ただし、メモリ / ストレージは 

 

 ・AXT1800:DDR3L 512MB / NAND Flash 128MB

 ・MT2500 :DDR4 1GB / EMMC 8GB

 

と、かなり違いがあります。

 

 

 

パッケージのインストールのためには AXT1800 は外部ストレージを追加する必要があるかも知れません。

 

実際、tailscale 最新版を AXT1800 にインストールするにはストレージを増やすか、モジュールを upx 圧縮する必要があります。

 

 

MT2500 のストレージは8GB ほどありますから余裕です。



 

 

 

もちろん MT2500 をルーターで使ってもなんら差し支えはなく、無線LAN 設定以外は同じですから、両者はほとんど同等レベルです。

 

 

なので、無線LAN を除けば MT2500 をルーターとして、AXT1800 をセキュリティゲートウェイとして使うこともありです。

 

 

 

ところでセキュリティゲートウェイは tailscale で役割を持たせることができますので、わざわざそのためにだけ MT2500 を使うのはもったいないと思います。

 

 

つまり【AXT1800 + tailscale】で「無線LAN ルーター + セキュリティゲートウェイ」になります。

 

 

ただし OpenWrt の tailscale は IPv6 未対応です。

 

したがってセキュリティゲートウェイは IPv4 に限定されます。


 

 

IPv6 セキュリティゲートウェイを構成する場合は OpenVPN または Wireguard で構成する必要があります。

 

 

 

 

また MT2500 で無線LAN を使うには、USB WiFi ドングルを追加するか、ほかの WiFi-AP 機器と併用します。

 

 

OpenWrt で使える USB WiFi ドングルはかなり限定されます。

 

 

USB WiFi ドングルは RTL8812BU チップを使った機種が多いのですが、現時点の OpenWrt では RTL8812BU ドライバーがパッケージになく、ソースから make する環境もなくまったく使えないのです。

 

 

正確にはソースのダウンロードは可能です。

 

make のためには OpenWrt カーネルのリ・コンパイルが必要で、/lib/mojules/5.4.211 配下に build モジュールを作る必要があります。

 

 

カーネルのり・コンパイルはリスクがありますので、ワタシはあきらめました。

 

 

 

ほかにも OpenWrt では使えないドライバーがいくつかあり、そのために使える USB WiFi ドングルが大きく制約を受けます。

 

 

 

例えばバッファローの WI-U3-1200AX2RTL8852AU というチップを使っていますが、このチップ用のドライバーが OpenWrt にはないのです。

 

 

 

新しいドングルを調べた限りでは、使えるものが見つけられません。

 

 

国内製品であっても現時点の各社の最新機種は全部使えないのです。

 

 

海外製品の一部はドライバーがあるのですが、入手可能な機種はWiFi が 5.8GHz なので国内では使えない周波数帯です。

 

(2.4GHz 帯は使えますが ーー 2.4GHzだけではねぇ・・・)

 

 

 

OpenWrt の次期バージョンではドライバーが増えるでしょうか?

 

 

 

 

なので、無線LAN ルーターとして使いたい場合は、最初から無線LAN が搭載されている AXT1800 の方がよいと思います。

 

 

パッケージ追加のためのストレージ容量確保には 2GB 程度の MicroSD を差し込んでセットアップすれば十分です。

 

 

そうすれば、パッケージインストールの際のストレージ容量不足は解消できます。

 

 

 

 

MT2500 は Docker でサーバー利用するとか、Samba サーバーにするとか、tailscale Funnel 利用するとかには適しているかも知れません。




ウチでは中古品の Buffalo WI-U2-300D を入手して【MT2500 + USB WiFi-AP】としました。

 

MT2500 は単純なルーター設定と tailscale を設定しています。


tailscale は MT2500 の WAN側を Subnets にしていて、家庭内ドメインの機器にアクセスできるようにしています。

 

 

併せて Exit Node 設定もしてありますが、ほとんど使いません。

 

 

 

 

MT2500 + USB WiFi-AP】は大変コンパクトでトラベルルーターとしても持ち運びやすいものになってます。

 

しかしながら使える USB WiFi はすでに入手困難です。

 

同じ Buffalo 製品では WI-U3-866DS が RTL8812au-ct ドライバーで動きそうですが未検証です。

 

 

もし動作すれば USB3.0 なのでかなり速度アップを期待できそうなのですが。。。

 

 

 

トラベルルーターと位置付けられている AXT1800 は野暮ったくて、コンパクトとはいい難く、持ち運びやすいとはとても思えません。

 

 

 

 

 

 

 

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