050 IP 電話サービスで使えるソフトフォンアプリを以下に紹介します。
SIP アカウントに対応した標準電話アプリは優れたソフトフォンアプリだったのですが、Android12 から SIP 非対応になりました。
ですので以下の6つが、現時点ではマルチアカウントに対応したソフトフォンアプリです。
1.Acrobits
2.CSipSimple
3.GS Wave
4.Mizudroid
5.SessionTalk
6.Zoiper
これらのうち、CSipSimple は現時点で Google store から消えています。
32bits アーキテクチャーであることが原因で、64bits 対応されないまま、アップデートは 2016-08-19 ver.1.02.03 で止まっています。
アップデートは止まっていますがアプリの完成度は高いので Android バージョンによっては問題ないと思います。
Android10 では動作確認が問題なくできています。
Android13 ではアカウント登録はできますが着信が不安定です。
Android12 以降の場合は避けた方がいいでしょう。
uptodown サイトから .apk をダウンロードできます。
GS Wave は Google Store では素直には検索できません。
UCM63xx IP PBX 用のアプリのほうがヒットしますが、こちらではありません。
下記サイトにあります。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.grandstream.wave&hl=ja
Grandsteam Wave Lite - Video が正式名称ですが、この名前でもヒットしません。
Mizudroid はきめ細かい設定が可能ですが、そのため SIP に対するリテラシーが求められます。
Zoiper は以下の 3つがあります。
・Zoiper IAX SIP VOIP Softphone
プッシュ着信未対応
・Zoiper Pro - SIP Softphone
プッシュ着信可
有料 1,000円
・ZoiperBeta(試用版)
プッシュ着信可だが、動作不安定
Android 機の場合、プッシュ着信未対応でもバックグラウンド起動で着信は問題ありません。
Zoiper は唯一 IAX に対応したソフトフォンアプリです。
IAX は Asterisk(IP-PBX)同士を接続するプロトコルですが、Asterisk とクライアントを接続することもでき、ポート一つで信号(コマンド)とメディアを送受します。
ファイヤウォールや NAT を簡単に越えることができます。
かなり専門的になりますので、興味があれば詳細は "asterisk iax" でググってみてください。
以前、Asterisk サーバーを立てていたときに使ったことがあります。
Acrobits は有料です(1,090円)。
姉妹品の Cloud Softphone がブラステルの My 050 アプリや、G-Call050 用アプリに使われていて定評があるのですが、音質は6種のソフトフォンアプリの中では一番よくありません。
すこしワレた感じがあり、0120/0800 発信では顕著になり、大変聞きづらくなります。
その他のソフトフォンアプリの音質は Acrobits のように悪くはありません。
SessionTalk は SIP Softphone と Pro Softphone の 2種類があります。
前者は Callkit 対応されていますが、SIP アカウントは一つしか登録できません。
後者は主だった VoIP プロバイダーが事前構成済みになってり、SIP マルチアカウントに対応しています。
ただし、OPPO Reno9 A(Android 14)ではバグがあり、連絡帳タブに連絡先が表示されず、かつ通話記録や連絡帳タブで SessionTalk Pro が異常終了します。
通常は SessionTalk SIP Softphone でよいでしょう。
SessionTalk SIP Softphone Premium 版(有料 440円)はプッシュ着信に対応しています。
音質は主観的ですが GS Wave と SessionTalk がいいように思います。
マルチアカウントの切り替えは CSipSimple、GS Wave と Zoiper がしやすい。
プッシュ着信を使わなければ SessionTalk SIP、GS Wave または Zoiper IAX、使うならば Zoiper Pro でしょうか。
CSipSimple も 32bits アーキテクチャーながら大変よい出来で使い勝手はよいのですが Android13 では着信が不安定で残念です。
13 件のコメント:
819-86さん、
またまた興味ある記事のご提供ありがとうございました。一つだけ質問させてください。G-CALL050でアプリを使う場合の設定について、gswaveとcsipsimpleを試そうとして分からなかったのですが、プロキシ(G-CALL050の場合は basix-proxy.brastel.ne.jp:5060)はどこで設定するのでしょうか?これが分からないのでcloud softphoneを使っています。
なお、G-CALL050は将来的にはHT-801で使いますが、今は移行期間のため、仮にスマホに入れて使っています。
電話見習いさん、おはようございます。
まず、GS Wave の方です。
Settings⇨Account Settings⇨+⇨SIP Account と進みます。
Account Name:ワタシは 050 68xx xxxx を入力
SIP Server:sip.g-call.com
SIP User ID:ユーザID
SIP Authentificatio ID:ユーザID
Password:パスワード
Voicemail UserID:(空欄)
Display Name:(空欄)
ここまでで、右上のチェックをタッチして設定します。
次に、プロキシの設定ですが、作成したアカウントを開きます。
NETWORK SETTINGS という項目の中の Outbound Proxy に、
basix-proxy.brastel.ne.jo:5060
を設定します。
戻るとアカウントに緑色の●が点いているはずです。
次に、CSipSimple の方です。
左下の🔑≡をタッチします。
◯に+のアカウントを追加 をタッチします。
一般ウィザードの中の Advanced をタッチします。
この中にプロキシを設定する箇所がありますので、ここに設定します。
以上です。
819-86さん
おはようございます。私のFAQのような質問にいつもご丁寧にお答えいただき、ありがとうございます。CSipSimpleは初めてなので、こちらに設定しました。
見事に一発で緑表示になりました。
お時間をありがとうございました。
819-86さん
追加でもう一つ失礼します。CSipSimplleは大変良好です。Cloud Softphoneでは時として着信音がならないことがあったのですが、CSipSimpleはそのようなことはありません。私のスマホが古い(Anndroid 8.1)なのが幸いしているのかも知れません。
電話見習いさん、
ちゃんと設定できたそうで何よりです。
Android8.1ならばおそらく問題はないでしょう。
私が検証した限りではAndrid10が大丈夫でしたから。
819-86さん
久々の SIP ネタですね。
私も以前、ここでリストアップして頂いているアプリの大半を試しました。
メインの Android 13 端末では、数年前から ZoiPer Pro (Premium) を使用しています。
H.264 プラグイン追加、マルチアカウント利用、SIP-TLS 使用、プッシュ着信不使用です。
自営の Asterisk(ドアホンとのビデオ通話あり)と NTT製のビジネスホンの子機として使用しています。
時々デグレードを起こすのか、エラーを吐いてアプリが終了してしまう時がありますが、わりと安定しています。数年前の評価時点では、ビデオ通話機能を含めると、ZoiPer Pro 一択という感じでした。
SMS付通信SIMの Android 14 端末では、SMARTalk 用として Groundwire を使っています。こちらは数年間、非常に安定して動作しています。
かんきちさん、おはようございます。
Asterisk とドアホンのビデオ通話を接続とのことですが、差し支えなければ具体的な接続方法を教えて下さい。
ウチのドアホンは専用アプリがあり、外出中でもドアホンの呼び出しがあるとアプリが開き、アプリ越しに映像を確認しながら通話ができます。
プッシュを使わないのであれば Zoiper IAX でもいいのではないでしょうか。
いろいろなソフトフォンの中では私好みは CSipSimple なのですが、Android13 では不安定です。
そのため Zoiper IAX にいまは落ち着いています。
返信が遅くなってすいません。
特に何ってことないのですが、Astreisk 側ドアホン用内線番号の許可コーデックにに h.264 を追加するのと、ビデオサポートを有効化しているだけです。ドアホンモニタやソフトフォンも同様に設定しています。
ドアホンとドアホンモニタには、Dahua の VTO/VTHシリーズを使用していて、内線電話として設定しているだけです。
宅内の Asterisk へ外部から接続できる環境があれば、あとはテレビ電話の感覚です。
VTH はリビングに設置していますが、書斎には Panasonic KX-HDV430N を設置しているので、これでドアホンに応答することも多いです。音声対応だけであれば、音声通話専用のIP電話機でも応答できます。
この環境を作るまで、特に RTX830 の設定には結構苦労しましたが、Android スマホの ZoiPer Pro から SIP-TLS で宅内の Asterisk に直接レジストし、外部からでも会社でも宅内でも、何の設定も変えずに、ソフトフォンの同じ内線番号で通話ができているので、非常に満足できています。iPhone の場合は SIP Proxy を使った方が良いみたいですが、Android の場合は、電池の消耗も気にならないレベルです。
なお私が ZoiPer Pro を採用している最大の理由は、端末の IPアドレスがローカルIPかどうかによって STUN を使うかどうかを自動判別させたり、IPアドレスが変わったら、SIPサーバのアドレス解決を(キャッシュを無効化して)やり直すことができたりと、移動機にとって有用な機能があるところだったりします。こう言う細かい機能によって、安定的な FMC運用ができているように思います。
ちなみに、VTO はビデオSIPフォンでもありますが、一般的な RTSPカメラ機能などを備えているので、いろんな応用ができます。
私は、ドアホンのボタンが押されたら録画を開始し、録画が終わってから、録画開始数秒後の映像から静止画を切り出してメールで送っています。録音だけなら Asterisk の簡単な設定でできると思いますが、私は AGI で制御しています。
また、監視カメラとして NVR(私は Linux+ffmpeg で分割録画してるだけ)による 24時間録画も同時にやらせています。最近は置き配を利用することが多いので、何となく安心できるかなと。
かんきち さん、おはようございます。
情報をありがとうございます。
RTX830 設定でご苦労されたというのは NAT 越えやファイヤウォールのことと推察します。
Zoiper にはソフトフォンでは知る限り唯一 SIP IAX が備わっており、難なく NAT 越えもファイヤウォールも越えられますし、ルーターへの設定も必要ありません。
ウチのインターホンにはスマホ連携機能が備わっており、ウチの内外で呼び出しに応じられます。
ルーターへはそのための特別なことはしていませんが、NAT 越えやファイヤウォールも問題ないので、SIP IAX でも使っているのかも知れません。
インターホンの録画機能や解錠機能もあります。
録画をスマホで見るには 300円/月のサブスク契約が必要なので、これは使っていません。
解錠機能も使ってはいません。
Dahua の監視カメラはバックドアがあるとの報告がありますが、漏洩の危険性はないのでしょうか。
かんきち さん、
ご存知かもしれませんが、Asterisk にも iax.conf を定義する必要があります。
もう一つの方法として Tailscale で Subnets を構成し、スマホに Tailscale アプリをインストすれば、用意にイントラネットに入れます。
スマホの Tailscale アプリは起動しっぱなしで 4G でも自宅WiFi でもシームレスに使えます。
この場合もルーターへの特別な設定は不要です。
わが家のネットワークは VLAN が3系統あって、スイッチは全てマネージメント対応のものを使用しています。Dahua のクラウドサービスや専用アプリは一切使用しておらず、Dahua 製機器は L2以下のレイヤで Asrerisk と LAN 内の NVR としか直接通信できない設定にしています。
仕事(テレワーク)用の VLAN は切り離してるので、そっち方面のリスクは殆どないと思っています。
確かに Dahua はセキュリティ面では不安があります。しかし、価格の安さも然る事ながら、ドアホン自体がSIPサーバ機能を持っており、専用アプリを含む単体のSIPサーバや、クラウドサービスに依存せずに環境を作れるため、私が Asterisk を管理しきれなくなったら、その構成に変更すれば良いという安心感があります。カードリーダー・電子錠・ドア状態検出機能等は使用していませんが、API は少しだけ使用しています。
IAX については、その存在は知っていたのですが、何となく敬遠していました。
ヤマハのルータは RT10x くらいからのユーザで、散々弄り倒してきたので設定で何とかできると軽く考えていたのですが、結局、苦労する羽目になってしまいました。
そのうち気が向いたら、IAX 設定を試してみようとは思っています。
VPN系は、Windows でも Android でも標準アプリで対応できるため、RTX830 のリモートアクセスVPN機能を使用しています。
Tailscale は確かに便利だとは思うのですが、クラウド型というところが引っかかります。VPNに常時接続していると言うのも抵抗を感じます。
スマートプラグすら殆ど使っておらず、SNMP 対応の Switched PDU と PoEスイッチで電源制御をしているくらい、可能な限り自営に拘っています。
Grandstream の IP電話機は OpenVPN のクライアントを内蔵しているので、OpenVPN サーバを立てて動作確認まではしましたが、使用してはいません。
WireGuard や SoftEther も試しましたが、結局 RTX830 標準機能で事足りています。
外にいる際に、ZoiPer でドアホンに応答すると、呼び出し音と音声は殆ど遅延しないのですが、映像が見えるまでに2~3秒かかるのが気になるところです。Asterisk のエコーテストモードは、特別な設定なしにテレビ電話モードに対応しており、これで見ると、音声の遅延は 0.2~0.3秒と言ったところです。
かんきちさん、おはようございます。
我が家のインターホンはアイホンのものですが、ECHONET lite という家電の監視や制御のための規格を使っているみたいです。
SIP ではありませんでした。
ECHONET lite は IPsec を使っており、この種の制御は VPN がカギですね。
Tailscale に誤解があるようですので述べておきますが、これはクラウドではなく P2P の VPN で、メッシュに構成することもでき、Wireguard 技術を使っています。
ほかのどんな方式でもこのようなサービスは展開できず、Wireguard なればこそできたサービスです。
VPN を張りっぱなしは何も問題はないと思いますが。
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