Raspberry Pi 3 model B に Raspbian STRETCH 版をクリーンインストールしましたので、Asterisk も再セットアップします。
当初 Asterisk は Jessie 版で apt-get ではうまく落ちてくれなくて(動かそうとするとエラーがでまくり)、当時のパッケージ版の最新版を make && make install して落と込みました。
その後、現在の PIXEL 版が出てきて、クリーンインストールが好ましい、ということでこれを Jessie 版と同じ手順で落とし込んで使っていました。
今回、STRETCH 版を使うにあたり、apt-get で落とし込んでみようとトライしました。
➡ 最初は問題なさげに思えたのですが、Asterisk が謎のクラッシュをします。
ネットで調べると、類似のクラッシュはバージョン13 で発生している模様。
二度、やり直しましたが、やはりクラッシュします。
この時点で apt-get でインストールすることは諦めました。
apt-get だと、2〜3分で Asterisk のインストールが終わりますが、ソースからの ./configure, make && make install だと小1時間かかります。
仕方ありませんからパッケージ版を make && make install することにしました。
PC 側の作業で使ったのは Mac です
Windows は microSD への焼き込みに際して、フォーマットするツールが違うかも知れません。
Windows 機がないのでわかりません(スミマセン)。
類似のツールを使ってください。
ターミナルコマンドも微妙に違うかも知れません。
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❏ Raspbian STRETCH をクリーンインストールする ⇐ いまココ
❏ Asterisk をインストールする
❏ googletts.agi を使ってみる
❏ Asterisk にボイスメールを設定する
❏ Asterisk で FAX 送受信してみる
❏ Asterisk の各種設定ファイル
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Raspbian STRETCH をクリーンインストールする
Raspbian の公式サイトにはクリーンインストールが推奨、とありますから、PIXEL 版からのアップデートではなく、クリーンインストールしていきます。
準備作業は PC 側(Mac)での作業です。
後々リモートで設定変更作業などができるように、あらかじめ、RealVNC を落とし込んでおくといいでしょう。
Jessie 版では TinyVNC と ssh はデフォルトで使用できるようになっていましたから、ディスプレイ/KB/マウスがなくても PC からリモートでセットアップできたのですが、PIXEL 版と今回の STRETCH 版は RealVNC に変わったため、最初からリモートでの作業はできません。
これらの設定を終えてからでないとリモート作業は行えません。
そのため、Raspberry Pi にはディスプレイ(HDMI-IFのもの)/KB/マウスが必要です。
【準備作業1】 -- microSD カードの準備と Raspbian を入手する
最初に、落とし込む microSD カード(SHDC以上)を準備します。
容量は 16GB もあればいいでしょう。
最低 8GB 必要ですが、メモリ素子エラー時の代替メモリ領域が確保できる 16GB がいいと思います。
新品であれば初期化は不要です。
そうでなければ初期化します。
初期化は SDFormatter を使います。
初期化の場合「論理整合性はオフ」にして初期化します。
https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/
から、RASPBIAN STRETCH WITH DESKTOP の zip 版をダウンロードします。
2017-11-15 現在の最新版は 1.6GB ほどですが、なぜかダウンロードサイトが遅くて 20分くらいかかります。
ダウンロードした 2017-09-07-raspbian-stretch.zip を解凍して .img ファイルを取り出します。
【準備作業2】 -- microSD カードに .img を焼き込む
PC のターミナルを起動し、microSDカードのディレクトリを確認します。
Filesystem Size Used Avail Capacity iused ifree %iused Mounted on
〜
〜
/dev/disk3s1 30Gi 2,4Mi 30Gi 1% 0 0 100% /Volumes/NO NAME
MacBookAir:~ xxx$
ここでは、最終行に表示の /dev/disk3s1 が対象の microSD カードです。容量やデバイス名などを見て判断します。
例の場合、「…3s1」の「s1」はパーティションです。初期化しても1個はパーティションができていると思いますが、Raspbian は /dev の先頭から焼き込まないと起動しません。
パーティションに焼き込んでも NG になりますので注意が必要です。
microSD カードをアンマウントして、.img を焼き込みます。
MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3
MacBookAir:~ xxx$ sudo dd if=/Downloads/2017-09-07-raspbian-stretch.img of=/dev/disk3 bs=4
このとき、デバイスの先頭から書き込みますから /dev/disk3s1 ではなく、/dev/disk3 としないといけません。
焼き込みは 4.92GB ありますので、2時間近くかかります。
途中経過は「control+t」で、ターミナル上で確認できます。
焼き込みが完了したらアンマウント/エジェクトして取り出します。
MacBookAir:~ xxx$ diskutil umountDisk /dev/disk3
MacBookAir:~ xxx$ diskutil eject /dev/disk3
MacBookAir:~ xxx$ diskutil eject /dev/disk3
【Raspbian での作業1】-- 起動までの作業をする
ここからしばらくは Raspberry Pi での作業です。
電源を接続しない状態で Raspberry Pi の SD スロットに焼き込んだ microSD を差し込みます。
ディスプレイ/KB/マウス/LAN を接続して電源に接続(通電)します。
起動が始まり、デスクトップ画面になれば起動は完了です。
【Raspbian での作業2】-- 基本的な設定をする
まだ日本語設定していないので、英語表記になっていると思います。
左上のメニューボタンをクリックして、「Settings」➡「Raspberry Pi Configration」をクリックして基本設定をします。
① System : パスワードの変更(初期値は 'raspberry' )➡ 任意のパスワード
解像度は、いまは初期値でいいでしょう(VNC での見え方でこれを適切なものに変える)
② Interfaces : VNC、SPI を有効化
③ Localization : 下記の設定をします
・Locale : ja(Japanese), JP(japan), UTF-8
・Time Zone : Asia, Tokyo
・Keyboad : Japan ➡ OADG109
・WiFi Country : JP Japan
OK をクリックするとリブートを促されるので、Yes でリブートします。
再起動後の画面は日本語の表示に変わっているはずです。
次に root のパスワード設定をします(初期値は無設定状態)
ターミナルを起動して、
pi@raspberrypi:~$ sudo passwd root
新しい UNIX パスワードを入力してください:任意文字列入力する
新しい UNIX パスワードを再入力してください:(同 上)
passwd : パスワードは正しく設定されました
続いてネットワークアドレスを固定アドレスにするため、
ターミナルからエディターで dhcpcd.conf を編集します。
pi@raspberrypi:~$ sudo leafpad /etc/dhcpcd.conf
Leafpad の画面が出てきますから、最終行に下記を追加します。
interface eth0
static ip_address=192.168.xxx.yyy ➡ Raspberyy Pi のアドレス
static routers=192.168.xxx.zzz ➡ デフォルトゲートウェイのアドレス
static domain_name_servers=192.168.xxx.zzz 8.8.8.8 ➡ DNSサーバーのアドレス(デフォルトゲートウェイと同じ)
保存して終了します。
続いて hosts を編集します。
pi@raspberrypi:~$ sudo leafpad /etc/hosts
ホストアドレスに「127.0.1.1 raspberrypi」という行があると思いますが、これを「192.168.xxx.yyy raspberrypi」に変更して保存・終了します(192.168.xxx.yyy は Raspberry Pi の自アドレスです)。
※ IPアドレスを固定に変更しホスト名も変更設定すると、/etc/hosts のホスト名の部分のIPアドレスとして、「127.0.1.1」が設定されている(Linux の仕様)。
これは、インストール時に自動的にIPアドレスを取得した場合(DHCPを利用)に固定アドレスに変更すると、このように設定される。
したがって、IPアドレスの設定をDHCPによる取得から固定アドレスに変更する場合は、/etc/hostsの設定については、127.0.1.1の部分を設定するIPアドレスに変更する必要がある(サーバー機能 [Asterisk] がDNS参照で 127.0.1.1 を参照してレジストエラーなどになる)。
ネットワーク/ネットワークデーモンの再起動または、Raspberry Pi のリブートで変更を反映させます。
・ネットワークの再起動の場合
pi@raspberrypi:~$ sudo /etc/init.d/networking restart
pi@raspberrypi:~$ sudo systemctl daemon-reload
【RealVNC で PC での作業】
最低限の設定をしましたから、ここからは RealVNC を使った PC での作業が可能になります。
Raspberry Pi に接続していたディスプレイ/KB/マウスは外しても構いません。
PC から RealVNC を起動します。
ユーザー:pi passwd:pi に付けたパスワード
サーバーアドレス/ポート:192.168.xxx.yyy:5900
とします。
デスクトップサイズが最適でない場合は、「設定」➡「Raspberry Pi の設定」➡「システム」➡「解像度」と進んで解像度を変更します。
RealVNC で PC 上に Raspberry Pi のデスクトップが現れます。
【ファームウェアとパッケージの最新化】
ターミナルを開いて、
pi@raspberrypi:~$ sudo su -
root@raspberrypi:~# rpi-update
ファームウェアがアップデートされたら、一旦リブートします。
自動で RealVNC にデスクトップが表示されますので、再びターミナルを開いて引き続き不要パッケージの削除とそのほかのパッケージの最新化をします。
root@raspberrypi:~# apt-get remove libreoffice
root@raspberrypi:~# apt-get autoremove
続いて、パッケージの最新化です。
root@raspberrypi:~# apt-get update
root@raspberrypi:~# apt-get dist-upgrade
途中で /etc/dhcpcd.conf をアップデートするか、ユーザーが設定たまま(デフォルトは 'N' )にするかを問われるので、’N' を入力します。
完了したら再起動して最新化したパッケージの反映をしておきます。
【日本語入力パッケージのインストール】
root@raspberrypi:~# apt-get update
root@raspberrypi:~# apt-get install ibus-mozc fonts-vlgothic fonts-ipafont-gothic
【Samba の インストール】
PC やディスクサーバーとのファイル交換などのために Samba をインストールします。
root@raspberrypi:~# apt-get update
root@raspberrypi:~# apt-get install samba
ファイル交換用のディレクトリを作成します。
root@raspberrypi:~# mkdir /home/share
Samba の環境設定をします。
root@raspberrypi:~# leafpad /etc/samba/smb.conf
最終行に以下を追加します。
[share]
path=/home/pi
readonly=no
guest ok=no
force user=pi
Samba にアカウントを設定します。
root@raspberrypi:~# smbpasswd -a pi
新しいパスワードの入力と再入力を促されますので、任意の文字列をそれぞれ入力します。
Samba の自動起動設定と反映のため Samba の再起動をします。
root@raspberrypi:~# update-rc.d samba default
root@raspberrypi:~# systemctl restart smbd
【ファイヤーウォールの設定】
設定ツールの ufw をインストールして設定します(iptables で設定でも構いませんが、自分は ufw が使い慣れていますので)。
root@raspberrypi:~# apt-get update
root@raspberrypi:~# apt-get install ufw
root@raspberrypi:~# ufw enable
root@raspberrypi:~# ufw default deny
root@raspberrypi:~# ufw allow in from 192.168.xxx.0/24 to 192.168.xxx.yyy
root@raspberrypi:~# ufw allow out from 192.168.xxx.yyy to any
すべてのアクセスを拒否。
プライベート空間からの自アドレスへのアクセスを許可。
自アドレスからはどこへもアクセスを許可。
設定したら確認しておきます。
root@raspberrypi:~# ufw status numbered
To Action From
-- ------ ----
[ 1] 192.168.xxx.yyy ALLOW IN 192.168.xxx.0/24
[ 2] Anywhere ALLOW OUT 192.168.xxx.yyy (out)
root@raspberrypi:~#
以上で終わりです。
次回は Asterisk をインストールします。
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