2018年12月9日日曜日

電話線で LAN を通す

家庭内に電話用コンセント(モジュラージャック)が複数の部屋に設置されている場合に、この電話線を使って部屋から部屋に LAN ケーブルの代わりに使う方法があります。


VDSL エクステンダーとか、VDSL コンバーターという技術です。


センター側(図の "CO")とクライアント側(図の "CPE")で VDSL 信号に変換・復号することで、経路上は電話線ですが端末間は LAN にするというものです。


製品種類はあまり多くはないのですが、PLANET 社の VC231G が2台一組で約 23,000 円ほどします。


性能的には PLANET 社のホームページによると次のようになっています。

VC231 ■30a profile時
300m延長時、最大下り/上り: 100 / 100Mbps
400m延長時、最大下り/上り:   90 /   90Mbps
800m延長時、最大下り/上り:   54 /     8Mbps

VC231G
200m延長時、最大下り/上り: 190 /  87Mbps
400m延長時、最大下り/上り: 161 /  60Mbps
800m延長時、最大下り/上り:   59 /  24Mbps


VC231G は VC231 の上位機です。
VC231 ならば2台一組で 20,000 円を切る価格で手に入るようです。


2台一組はまったく同じ装置で、CO/CPE の選択や profile 選択はディップスイッチで切り替えるようになっています。


VC231 を実際に使った方の評価ではノイズや既設の NTT からの貸与品の VDSL との信号競合があるとかなり速度低下が起こることがあるが、例えば独立した2回線があって一方を NTT 貸与品の VDSL、他方をこの VDSL コンバーターに使用できるような環境だとほぼカタログ性能に近い速度を出せるようです。



WiFi で中継するやり方では途中の遮蔽物や近隣機器とのチャンネル競合などでどうしてもうまく中継できないなどの場合は VDSL コンバーター方式も一つの手段です。



最近のマンションは 光ケーブル自体が各戸に配線されていたり、LANコンセントも敷設されているところがあるようですが、少し前までのマンションの場合、電話回線は各部屋に敷設されているが LAN ケーブルを改めて通線工事しにくいなどの制約があります。



我が家もこのタイプです。

電話回線は2回線が敷設されていて、一方はインターホン・内線電話交換・ガス漏れ監視機能を含む回線になっていて、他方は独立した電話回線になっています。


現在主回線に NTT フレッツネクストを接続していて、他方の回線は空いていますので、このやり方は最適なのかな、と考え導入を思案中です。


WiFi 中継で室内のどこでも 50Mbps 以上でていますので、あまり必然はないのですが。





【2018/12/14 追記】

VC231をセットで購入しました。
Amazon で 19,800 円です。

WiFi 中継で間に合ってはいましたが、実際に使用してみないとなんともいえませんので、
少し高いのですが評価のために購入してみました。


まずは動作確認のために電話ケーブルを最短でつないで速度を評価します。






左側が CO で右側が CPE です。
間は 20cm の電話ケーブルでつなぎます。

DIP スイッチは次のとおりです。

 CO(WAN側):
   DIP-1(マスター側)OFF
   DIP-2(Fast)   ON
   DIP-3(30a)   ON(300m以下プロファイル設定)
   DIP-4(S/N比)  ON(6db)
 CPE(LAN側):
   DIP-1(スレーブ側)ON
   DIP-2〜4     ON


結果は、

 下り 83〜84 Mbps
 上り 80〜81 Mbps
 Ping 値 10ms

です。 



VC231 を介さない場合は、

 下り 88〜90 Mbps
 上り 90〜93 Mbps
 Ping 値 8ms

ですから、それぞれ ▲5〜6 / ▲10〜12 Mbps(+2ms)です。


DIP-4 を OFF(9db)にすると下り/上りともに 1〜2 Mbps 改善しますので、S/N比を大きくしたほうがいいでしょう。




我が家の場合インターネット回線はマンションタイプの VDSL 方式ですから、さほどの速度低下はない、ということになります。




実際に離れた部屋での測定は引き続き実施してみたいと思います。

結果はまた改めて記載します。





【2018/12/15 追記】


実際に離れた部屋との間で接続検証しました。




接続変更は赤丸で囲んだ箇所です。

従来は WiFi で飛ばして中継機で受けていました。

これを中継をやめて間を有線接続に替え、中継機は AP(アクセスポイント)にします。



実際の速度は下記のとおり、改善されています。


 ❏ 従来の WiFi 中継方式:DL  56 Mbps / UP  65 Mbps

 ❏ 今回の有線接続方式 :DL  63 Mbps / UP  90 Mbps


Ping値はともに 10ms です。

WiFi 時はわずかにジッターがありましたが、VC231 ではこれはなくなりました。


とくにアップロード速度が大きく改善されていますが、通常の使い方ではまずはダウンロード速度です。

こちらは約 7 Mbps 改善されています。

また WiFi 時のような速度的なフラつきはなく安定しています。



電話線は第2回線側を使いましたが、当初は共用ルーターでの反射があってうまく接続状態にならず、局線側を切り離して接続が安定しました。


したがって現在は家庭内だけの第2回線の電話ネットワークになっています。



なお、S/N比は 6db / 9db での差はありませんでした。



回線1と回線2は並行してケーブルパイプ内を引き回されていますが、実はこれがお互いの VDSL 信号干渉を起こすことが判明しました。

回線1は NTT フレッツネクストの VDSL 信号経路で、回線2を家庭内 LAN 延長のための VDSL 信号経路にしますと、回線1側に影響し、こちらの速度が 4〜5 Mbps 低下するということが判明しました。


このことからすると回線2の VDSL-Link 側も影響を受けていると思われます。


それでもインターネット回線速度は 84 Mbps ほどはでていますから実質的な影響は軽微ですが、気にはなります。

こういう部分はマニュアル(英文)には記載されていなくて、S/N 比を含めてカットアンドトライで最適状態を見つけることになりますが、少々ハードルは高いかも知れません。


純粋に VDSL-Link 速度がどの程度なのかは iperf で測定すればわかりますが、結局はインターネットの速度なわけですから、速度測定サイト(speednet やその他の測定サイト)での測定で足ります。


後発機種の VC231G だと相互干渉問題は改善されるのかも知れません。




電力線を使った PLC は HD-PLC という高速規格品があるようですが、使った方々のご意見では実効速度が 50 Mbps 以下が多いようですので、VDSL コンバーターは一つの方法かも知れません。


G.Fast 規格対応品がでてくるとギガ回線の方々にもいいと思います。
















2018年12月7日金曜日

WiFi 中継の効果的な方法

メッシュ型の WiFi 機器がいくつか出回っていますが 2万円以上と高くつきますよね。


メッシュ型ではなく普通に中継するやり方だと親機と中継機の 2台で1万円前後で済みます。

親機がルーターを兼ねているならば中継機のみの設置で済みますから 5千円前後で済みます。



さて、この中継方式の場合に実は落とし穴があります。


中継機のチャンネルが通常自由に設定できず、親機と中継機間、あるいは親機と複数の中継機間でお互いが同じチャンネルで干渉することがあります。


中継用のチャンネルは 2.4GHz 帯にした方が壁や障害物の影響が 5GHz 帯よりも少ないので中継機まではそのようにします。


中継機は 5GHz のみ、または 2.4GHz との併用にします。

子機(PC / スマホ等)が 5GHz対応していれば中継機で 2.4GHz をサービスする必要はありません。




Aterm の場合は中継機は W52 に固定されるようで変更設定はできません。

1台だけの中継の場合は、親機を W52 以外に設定して中継すると、中継機は W52 で親機と中継機がチャンネルが異なり干渉しなくて済みます。





バッファロー機の場合は親機に連動して同じチャンネルが設定されるようでこちらもまた変更設定できません。


チャンネルが同じだと相互に干渉しやすくなります。





複数の中継機がある場合は中継機同士は同じチャンネルになるので干渉しやすくなります。



そこで中継機は中継だけの役割にして別途ブリッジ接続したアクセスポイントを用意します。



下図のケースのように「親機は W53」、「中継機1は W52」、「中継機2は 2.4GHz 中継のみ」、「アクセスポイント2は W56」のようにすると親子間・中継機間ともチャンネル干渉が避けられます。





上例はあくまで一例ですので、コンバーターモードでのチャンネルの設定のされ方を考えて中継機選びをされるのがいいと思います。



アクセスポイントにする機器はどんな機器でもチャンネル設定は自由なので、機種選択肢は広いといえます(中継機能なしのより安価な機種でもかまいません)。


また、親機もチャンネル設定は自由なのでほかの要件次第ですが(V6プラスを使用するとか)機種選択肢は広いといえます。



複数中継機を設置の場合はお互いに干渉しないチャンネル設定ができる組み合わせが最適です。



メッシュ型の場合はこのような干渉を自動的に避けてくれるようなので楽ですが高くつくというデメリットがあります。


自分で設定する気さえあればもう少し安価に構成することが可能になります。