Rakuten Casa(以下 Casa と表記します)は、これまで「楽天ひかり回線契約者」しか設置・使用できませんでしたが、最近「他社固定回線網」経由でも使えるように改められました。
そこでこれを設置するべく申し込みをしました。
Casa が到着しましたら、接続確認と、使用レビューは別途報告します。
Casa は自宅や事務所・店舗などを、楽天モバイル回線エリアにする小型基地局(フェムトセル)です。
1台で最大 16台までのクライアントを接続できます。
次のような接続形態で小型基地局として使えるようにしたものです。
【Casa】
→【ルーター】
→(NTT フレッツなどの回線網)
→【楽天モバイル・サーバー】
【ルーター】から【楽天モバイル・サーバー】には VPN を張って接続されるようです。
Casa を自宅に設置する意味はあるのでしょうか。
ビルオーナーや店舗などの法人ならば、室内に弱いとされる楽天モバイル回線をサービスできますから、利用者の便宜に供するという意味があるでしょう。
小型基地局ですが、楽天モバイルエリアとしてのマッピングはされないようです。
個人の場合、後述しますが、データ通信に関しては容量無制限になってもあまり意味がないでしょう。
Rakuten Link による 無料通話・sms に関しては、意味があるかも知れません。
Casa・詳細説明 サイトの「よくある質問」の中の「お申し込み後」の中に「楽天回線の電波が入らない場合、どうしたらいいですか?」という欄に、
・NTT フレッツの場合は IPv6(IPoE)に設定されたルーターであること
・その他回線は IPv4 設定がされたルーターであること
とあります。
また、
・VPN(IPSec IKE)パススルー機能が必要
・ルーターのモード設定を「NATモード」にすること
ともありますが、「NAT モード」というのは「ルーター設定使用時」は NAT モードですから気にする必要はないでしょう。
「VPN パススルー」はルーターの配下から外向きは通常は制限されていないはずです。
外(楽天モバイル・サーバー)からルーター配下の Casa への VPN パススルーは必要ないはずです。
「VPN パススルー」は Casa が VPN を張って 楽天モバイル・サーバー と接続するのに必要なようです。
外から中のサーバーには「パススルー」が必要ですが Casa はそのようには動作していないと思われます。
さらにルータの IPv6 パススルー(ブリッジ)で Casa を接続する必要がある、とありますがV6プラスや DS-lite などの IPv4 over IPv6 の場合、これも気にする必要はないでしょう。
PPPoE 接続時に IPoE のパススルー が必要だと思われます。
が、この場合はセキュリティ上の配慮が必要でしょう。
自宅回線が使える回線かどうかは Casa・詳細説明 サイトで確認できます。
NTT 東日本の フレッツネクスト の場合、https://flets-east.jp/(IPv6 サイト)にアクセスできるかどうかで IPv6 対応されたルーターかどうかを判定しているようです。
Casa は PPPoE 接続されたルーター配下でないと使えない、という情報があり、一方で「楽天ひかり」の「クロスパス(DS-lite)」配下で使えた、という情報もありました。
いったいどちらが正しいのかわからない状態でしたが、上記のサイトに記述された内容で理解できました。
Casa は OpenWrt で構成されたルーター機能も保有しているそうですので、いままでに使用していたルーターに代えて使用することもできますが、設定のためには OpenWrt への理解力が求められます。
Casa は申し込み時に事務手数料として3,000円(税込)かかります。
ですが、楽天モバイルが Casa の設置完了を確認した後、3,000円 相当の楽天ポイントを還元してもらえますので、実質的には無料といえます。
「設置完了を確認」は、楽天モバイル・サーバー に VPN で Casa がつながったことを確認、ということでしょう。
月額利用料は「無料」です。
自宅で WiFi が使えていればデータ通信は「無制限」ですから実質的には、Casa を設置する意味はないように思えます。
Rakuten Link による 無料通話・sms に関しては を Casa 配下で使う意味があります。
すなわち、自宅が楽天モバイル回線およびパートナー回線ともにエリア外、または非常に不安定な場合です。
最近、楽天モバイルの人口カバー率が 70 % を越えた地域から徐々にパートナー回線のローミングが終了されつつあります。
楽天モバイルエリアとされてはいるが、実際には楽天回線をつかめない場合に「無料通話・sms」は困ったことになります。
自宅の WiFi 配下で Rakuten Link を使用できるのですが、発信時に相手側には「電番非通知」になるからです。
その結果、相手側が「非通知着信拒否」設定していると電話が拒否されてしまいます。
これが Casa 配下からの発信の場合は「電番通知」されますので、「非通知着信拒否」に合わなくて済みます。
つまり、Casa は、データ通信量無制限のみであれば、自宅 WiFi 配下でのデータ通信無制限使用との比較において実質的に意味がありません。
しかしながら、無料通話に関してはあきらかに一つの解決策になりうるのです。
固定電話や IP 電話からの VoLTE 着信も問題なく可能になります。
パートナー回線ローミング終了に伴う救済策として「ドコモ・モバイル回線+端末」の貸し出しを行っているようですが(非公式)、Casa もまた、救済策になるのではないでしょうか。
まだまだ楽天エリアが狭いのでハンドオーバーはパートナー回線頼りですので、パートナー回線がサポートされている間はとくに困ったことにはなりません。
管理人の自宅はすでに「楽天エリアマップ上では圏内」に入っているはずですが、室内での楽天回線のつかみはあまりよくないのです。
我が家は6階建てマンションの最上階ですから、ベランダでは楽天回線をつかんでくれますが、室内はつかみが悪いのです。
地上では自宅から半径 500 m の範囲ではまったくつかめません。
楽天エリアマップでは「圏内」に色付けされていますが、大変に怪しいのです。
この状態が改善されないまま、人口カバー率 70 % を超えたといって パートナー回線ローミングが打ち切られてしまうと悲惨な状況になりかねません。
一番つかみのいい場所(部屋)の窓際で -90 dBm 前後あるものの、他の場所では -105 〜 -120 dBm と弱くてパートナー回線をつかむことが少なからずあります。
パートナー回線も -100 dBm くらいになることがあり、まぁまぁ使えていますが、できれば 常に -90 dBm 以上は欲しいところです。
LTE では -85 dBm 以上ならばなんら問題なく安定します。
悪くても -105 dBm 以上ないと不安定になります。
これは各社の LTE に共通した電波強度基準と考えて差し支えありません。
自宅はまだパートナー回線のローミングエリアですし、データ通信は自宅では WiFi なので無料通話や sms を含めて困ることはありません。
ですが、万一ローミング終了になればなにか対策をしなければなりません。
一つは DSDV 機に 他社データ SIM(MVNO の安い SIM で十分)を挿して使うことです。
これはローミング終了に伴うハンドオーバー失敗対策にもなります。
ただし、Rakuten Link による発信は問題ないのですが、VoLTE 着信は失敗する場合があります。
このとき、Rakuten Link には不在着信通知はされますから折り返して電話は可能です(ひと手間かかりますね)。
もう一つが Casa です。
Casa は自宅内での Rakuten Link による 無料通話・sms 発信対策として有効なのです。
デメリット(?)は、小型基地局ですから他人が 楽天モバイル の基地局としてタダ乗り(?)して使う可能性があることです。
タダ乗りされたからといってセキュリティ上の問題はありませんが、イヤな人は気になるかもしれません。
管理人の場合は気にもしていません。
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