2019-10-24

IPoE(IPv6)接続について

PPPoE(IPv4)接続での混雑時間帯(概ね 20:00 〜 24:00)における速度低下の酷さは、NTT 光回線の場合に発生しています(CATV 事業者の J:COM も速度低下が酷いようですが)。



これはプロバイダと NTT との接続点が「一定の帯域幅以上には自由にできない(細い)」ことが原因です。


NTT 回線を使った場合はプロバイダ経由が速度低下を引き起こしていますが、これはプロバイダが悪いのではなく、NTT の接続約款で遅くならざるを得ない契約をプロバイダが強いられているのが原因です。



使うユーザー一人一人に十分な帯域が与えられていないのが原因なのです。


混雑時間帯でなければ、その時のユーザー数が少ないので、一人あたりの帯域が広く使えるので速度低下がさほど無い状態になるのです。


速度低下は VDSL 方式か光ファイバー方式かの区別なく起こってしまいます。


ギガ回線契約していても、酷いときは 1〜2 Mbps あるいはこれ以下なんていうこともあります。



この接続点を経由しないで、IPv6 接続して、この IPv6 の中に従来の IPv4 パケットを通す方式が IPv4 over IPv6(トンネリング方式)です。


IPv6 はプロバイダとの接続点を経由しないで、NTT の NGN を直接経由しますので、速度低下しにくいということです(NGN バックボーンは十分な帯域幅がある)。


ただ、インターネットに出ていく(入ってくる)ときには、現状では殆どのサービスサイトが IPv4 ですので、これを IPv6 内にカプセル化された(トンネリング化された)状態から IPv4 に戻す必要があります(入ってくるときは IPv4 から IPv6 へカプセル化)。


それを行っているのが V6プラスなどのサービス事業者です。



大きく以下の3つの方式が国内ではサービスされています。

 ■ MAP-E(V6プラス:JPNE、OCN、BIGLOBE)
 ■ DS-Lite(transix:MFEED)
 ■ 4rd/SAM(BBIX:ソフトバンク光)



方式により一長一短がありますが、外からの接続性は V6プラスに優位性があります。


外向きはどれを使っても実態的な差はありません。




なお、独自に回線を提供している au(KDDI)、nuro 光、eo 光(関西地区のみサービス)は PPPoE でも混雑時間帯の速度低下はあまりない、とのことです。


これはこれらの回線提供事業者が接続点を NTT のような「一定の太さ」に限定していないからです。




トンネル方式がプロバイダを経由しないのにプロバイダ契約が要るのはなぜか?


NTT は NTT ネットワークに閉じたサービスしか提供できません(法律上)。


そこで、プロバイダがインターネット接続サービスを提供しているわけです。



V6プラスなどのサービス事業者(JPNE ほか)のサービスを使う場合、プロバイダ契約があって、プロバイダからサービス事業者への接続設定がなされて初めてサービスを受ける、という仕組みです。



そのために、プロバイダはサービス事業者におカネを払っていて、したがってユーザーにもプロバイダ契約でおカネを徴収しています。



ですから、トンネル方式が嫌ならば au(KDDI)、nuro 光、eo 光などを使うしかありませんが、戸建ての場合はともかく、集合住宅の場合は簡単には乗り換えできません。



まず、J:COM が入っている集合住宅の場合は au(KDDI)を導入できません。

グループ企業なのでお互いの商圏は不可侵になっているためです。




nuro 光や eo 光は集合住宅の躯体部に工事が必要ですので、建物のオーナーもしくは管理組合の許可が要ります。


許可されないケースも少なくありません。



一方、NTT は大半の集合住宅に対して VDSL 方式などの配線で設備済み、となっており、これが自由な競争を阻害しているとも言えます。




なので、NTT 回線がある場合で他の回線提供事業者(au/nuro/eo など)の回線が引けない場合の速度低下対策はトンネル方式にならざるを得ない、ということになります。






こういういきさつがありますので、私は V6プラスを @nifty をプロバイダとする契約をして使っています。


回線は NTT 東日本の VDSL 方式です。
NGN(NTT 東日本の回線)の VDSL での基本性能は 95 Mbps 前後です。

V6プラス接続時の速度は 90 Mbps前後ですから、まずまずといえます。


現在、マンション全体の光ファイバー化を NTT 東日本と協議して推進中です。


光ファイバー化ができれば、V6プラスで数百 Mbps が期待できます。








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