M.2 SSD は種類も豊富になってきており、高性能なので「外付け起動用ディスク」として非常に有用なものです。
一方で、種類・メーカーの多さ(SSD 自体の種類と、これに対応したケース種類の両方)ゆえにどういう組み合わせがいいのか迷うのではないでしょうか。
そこで今回は USB3.1 Gen2 対応の M.2 PCIe NVMe SSD ケースを調べてみました。
Thunderbolt3 対応ケースが性能的にいいのはいくつか検証してみて明らかなのですが、価格が高くついてしまいます。
比較的に安価で済む USB3.1 Gen2(10 Gbps)対応のケースではどうだろうかと調べてみると最適と思われる商品を見つけました。
この商品は Amazon での使用者レビューに速度性能も記載されていて高性能であると思われること、比較的に評判がよく、商品説明も丁寧であることなどから机上評価をしてみました。
商品説明には「サムスン970 EVOプラスM.2 NVMe SSDの場合は、Macで使用する場合は、SSDファームウェアを更新する必要があります。」と書かれていて、実際に検証したと思われる内容でもあり、信用に足りると判断しました。
Thunderbolt3 対応ケースでも Samsung 970 EVO Plus のファームウェアアップデートに言及した商品はありません。
せいぜい「Samsung 970 EVO Plus は Mac との組み合わせでは動作しません。」とあるのですが、これは間違っていてファームウェアアップデートで問題はなくなるのですが、実際に検証していないのでしょう。
こういう製品はいま一つ信頼を置きにくいのですが、ここで取り上げた商品はまともな印象です。
TDBT USB-C M.2 NVMe SSD 外付けケース ヒート シンク 付き、USB-C 3.1 10Gbps to PCIe NVMe M.2 SSD アルミ 外付けハードディスクケースっす 熱伝導両面テープ 付き、M-Key B&M-Key NVMe SSD に対応、PCIe 3.0x2 USB 3.1アダプター
価格は同クラス最安値とも思える 3,499 円です。
これよりも安価なのは ELUTENG USB C to M.2 NVME SSD ケース USB3.1 Gen2 10Gbps UASP対応 の 2,899 円くらいですが、こちらは使用レビューもないので評価できません(コントローラーチップは同じ JMicron JMS583(PCIe3.0x2)ですから 2レーン対応です)。
Amazon 商品紹介から抜粋 |
レビュー欄に WD Black SN750 500 GB を装着して実測された方のレビューが記載されていて結果は次のようです。
CrystalDiskMark なので Windows PC での実測でしょう。
Mac では多少異なるかも知れません。
Amazon レビューから転載 |
このケースの性能は、Sequential Read が 1GB/s 超えで非常に優秀と思われますが、WD Black SN750 はこのケースには過剰性能なのでもったいない。
WD Black SN750 は Thunderbolt3 ケースがふさわしく、引き出せる性能も格段に速くなります。
そこで、このケースに見合う SSD として M.2 PCIe3.0x2 NVMe 規格の SSD が適切だろうと考えて少し調べてみました。
調べたところ、レーン数が半分の PCIe3.0x2 の方が PCIe3.0x4 よりも少し高いのです。
Western Digital の製品では次のようになっています。
・WDS500G1B0C:WD Blue SN500(2レーン)500 GB が 8,621 円
1700 MB/s, 1450 MB/s, 275 KIOPS, 300 KIOPS
・WDS500G2B0C:WD Blue SN550(4レーン)500 GB が 8,480 円
2400 MB/s, 1750 MB/s, 300 KIOPS, 240 KIOPS
SN550 の方が性能がよくてすこし安いという状況です(不思議)。
WD Black SN750 はこのケースには過剰性能なのと、価格が 13,000 円前後なので性能バランスを考えると SN550 に落ち着くのではないでしょうか。
Western Digital の場合、
・WD Black SN750 :トップレベルのゲーム性能
・WD Blue SN500/SN550:NVMe で PC パフォーマンスを強化
という位置づけです。
SN500 は 2レーン、SN550 は4レーンになっていて、いまや 2レーンは時代遅れということなのでしょう。
このケースのコントローラーは JMicron JMS583(PCIe3.0x2)なので当初 2レーンの SSD がコスト・性能が最適解と考えましたが違っていたようです。
4レーンの SSD でも実際には 2レーンでの転送(20 Gbps)になります。
したがって USB3.1 Gen2 の 10 Gbps の転送性能は得られるはずです。
Western Digital の場合、このほかに SATA SSD もあり、これも WD Blue の名前付けがされています。
また、Red / Green もありますが、主には Black / Blue で前者が高級品、後者が普及品という感じでしょうか。
ですので Black / Blue の間には性能・価格も 1.5 倍程度の差異があります。
なぜ M.2 SSD として Western Digital 製なのか、というと Black / Blue(SATA)を使ってみて性能や発熱の少なさなどがいいからです。
構成と価格は次のようになります。
① WD Blue SN550 500 GB + 本ケース
8,480 + 3,499 = 11,979 円
※ 価格はともに本記事掲載時点での価格
② WD Black SN750 500 GB + TREBLEET Thunderbolt3 ケース
12,800 + 9,990 = 22,790 円
※ WD Black SN750 500 GB の価格は私が購入したときの価格
※ TREBLEET の価格は 本記事掲載時点での価格
およそ倍ほどの価格差があります。
性能はというと Sequential Read 実測性能で ② が 2875 MB/s と「爆速」、対して ① は 1000 MB/s 前後になると思われ「快速」です。
1000 MB/s でも十分に速いので、① を構成するとコスパは非常によいといえるでしょう。
WD Blue SN550 500 GB よりも少し安価な KINGMAX SSD M.2 512GB PX3480 だと 7,980 円で、WD Blue SN550 よりも 500 円安くこのクラスで最安値かも。
「爆速」と「快速」の間をとった WD Blue SN550 + TREBLEET もありかも知れませんが、推定速度は Sequential Read で 1350 MB/s 前後と思われ、6 千円ほど高くなることを考えるとやはり「快速」の組み合わせがコスパはいいでしょう。
購入してみて WD Black SN750 を装着して実測しましたが、残念ながら 1000 MB/s には達せず、玄人志向 の QWM.2NVMe-U3.1AC と同水準の性能でした。
また S.M.A.R.T. 情報は見れません。
1000 MB/s に iMac では達せずとはいえ、差は Sequential Read / Write で 150 MB/s 程度ですから安価に快速を構成するにはいいでしょう。
Mac 操作中に「爆速」と「快速」の差は体感的にはほとんど感じませんが、ブートタイムは「爆速」の方が明らかに速い。
製品内容です。
・本体ケース、熱伝導シート2枚(1枚は予備)、ヒートシンク、基板。
・USB ケーブル2本(USB-C --- USB-C / USB-C --- USB-A)
・マニュアル
・本体ケース用の蓋
・ネジ類(予備が同梱)
SSD を固定する金具(スペーサー)とネジ。
SSD に金具(スペーサー)を付けたところ。
これを基板の穴の裏側からネジで締めて固定する。
SSD を基板に固定したところ。
取り付けた基板の裏側のネジ部分。
基板を真横から見た画像。
スペーサーがネジで固定されているのがわかります。
SSD は裏側がフラットでなくてもスペーサーで浮かせるので問題はない。
M.2 NVMe SSD の取り付けは写真のとおり、少しやりにくい感じです。
SSD によっては固定金具(スペーサー)の当たる半円状の切り欠け部分が金具の溝と合わない可能性があり、その場合は取り付けに工夫が要るかも知れません。
また、ホームページにも詳しく記載があります。
社名の TDBT は "Thunderbolt" にちなんで超高速の意味で付けた、とあります。
他にも Thunderbolt3 対応のケースや、ドッキングステーションを扱っているようですが、Amazon では販売していません。
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