M1 Mac の電源制御は、同じ Big Sur 11.2.1 でも Intel 版とは少し異なっています。
M1 Notebook の Mac は持ち合わせていませんので、以下の記述は Mac mini M1 についてのものです。
iMac 2019(Intel チップ)とは微妙に異なっています。
この違いは Apple Silicon と Intel Silicon の違いといっていいでしょう。
まず M1 で pmset コマンド で設定内容を見てみます。
% pmset -g
System-wide power settings:
Currently in use:
disksleep 10
powernap 1
womp 1
networkoversleep 0
sleep 0 (sleep prevented by powerd, sharingd)
Sleep On Power Button 1
ttyskeepawake 1
tcpkeepalive 1
autorestart 0
standby 0
displaysleep 10
%
※ sleep 項目の () 内は何のデーモンが有効かを表示しています。
電源制御デーモン(「システム環境設定」の「省エネルギー」)、
共有制御デーモン、バックアップデーモンなどです。
これらはその処理が終わったら表示から消えます。
・共有制御デーモンはネットワークアクセスによるスリープ解除が不要になった
・バックアップが終わった
などです。
電源制御デーモンは常に表示されていて終了しません。
上で示した pmset の表示内容は「システム環境設定」の「省エネルギー」の次の設定時のものです。
pmset コマンドでの表示内容については次の内容になっています。
disksleep : デフォルト "0"(チェックオフ)
「省エネルギー設定」の「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」に対応しています。
"0" :チェックオフ
"10":チェックオン時のデフォルト値
10 分後にスリープの意味と思われますが、実際にはスリープ時に一緒にスリープする
ようです。
powernap : デフォルト "1"(この値は powernap=on を意味します)
「省エネルギー設定」では、この項目がなくなっています。
「省エネルギー設定」はできませんが PowerNap は常に有効、ということみたいです。
womp (wake on demand) : デフォルト "1"(チェックオン)
「省エネルギー設定」では「ネットワークアクセスによるスリープ解除」に対応していますが、Wake on Lan から Wake on Demand に変更になっています。
"0" :チェックオフ
"1" :チェックオン
networkoversleep : デフォルト "0"(ネットワークサービスオフ)
システムがスリープ中に提供するネットワークサービスに関わる設定です。
スリープ中のネットワークサービスに関わる設定をオフの意味は、
ネットワークサービスをスリープ中でも継続する、ということです。
変更は推奨されていません。
Sleep : "n"(「ディスプレイをオフにするまでの時間」と同じ値が入る)
「ディスプレイがオフのときにコンピュータを自動でスリープさせない」に対応しています。
"0" :チェックオン(スリープさせない)
"n":チェックオフ(n 分後にスリープさせる)
Sleep on Power Button : デフォルト "1"(電源ボタンスリープを行う)
電源ボタンによるスリープを行うかどうかの設定です。
デフォルトは「行う」に設定されています。
ttykeepalive : デフォルト "1"(リモートログイン中はスリープしない)
リモートログイン中はスリープしないかどうかの設定です。
"1" :スリープしない
"0" :スリープする
tcpkeepalive : デフォルト "1"(tcp 通信中はスリープしない)
tcp 通信中ははスリープしないかどうかの設定です。
"1" :スリープしない
"0" :スリープする
autorestart : デフォルト "0"(チェックオフ)
「省エネルギー設定」の「停電中に自動的に起動」に対応しています。
"0" :チェックオフ(停電中に自動的に起動しない)
"1" :チェックオン(停電中に自動的に起動する)
これは「停電後に電源供給されれば自動的に起動する」ということです。
standby : デフフォルト "0"(Sleep)
スタンバイモードで、従来の Sleep / Safe Sleep / Deep Sleep の区分がなくなっており、"Sleep" のみになっています。
おそらく省電力チップゆえに Sleep のみになっていると思われます。
つまり Safe Sleep や Deep Sleep にはならない、ということでしょう。
Apple Silicon 以降は Sleep 設定をなくす方向、ということを裏付けています。
ちなみに従来の hibernatemode は3区分で次のとおりです。
Sleep : 0
メモリの内容をストレージにコピーしない。
バッテリー含め電源が完全に切れるとメモリデータが消える。
Desktop Mac では初期値。
Safe Sleep : 3
メモリの内容をストレージにコピーする。
スリープ中にメモリに電源が供給されていればメモリから復元、
そうでなければハイバーネートイメージから復帰する。
Notebook Mac では初期値。
Deep Sleep : 25
メモリの内容をストレージにコピーし、メモリへの電源供給を断つ。
電源が完全に切れるスリープモード。
システムはハイバーネートイメージから復帰する。
バッテリー寿命的には一番最適なモードだが、復帰に時間がかかる。
displaysleep : デフォルト "10"(10 分後にディスプレイオフ)
「省エネルギー設定」の「ディスプレイをオフにするまでの時間」で設定した時間です。
"n" :n 分後にオフにする
"0" :オフにしない
「pmset -a 〜〜」の「〜〜」部分を項目名にして、引き続いて数値を入れれば項目の値を変更できます。
例えば、ディスプレイをオフにするまでの時間を20 分にする場合は次のようにします。
% sudo pmset -a displaysleep 20
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M1 チップ搭載 Mac は「省エネルギー設定」で設定できる範囲にとどめておいた方が無難でしょう。
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