2021-02-25

M1 Mac の電源制御・省エネルギー設定との関連




M1 Mac の電源制御は、同じ Big Sur 11.2.1 でも Intel 版とは少し異なっています。 



M1 Notebook の Mac は持ち合わせていませんので、以下の記述は Mac mini M1 についてのものです。


iMac 2019(Intel チップ)とは微妙に異なっています。




この違いは Apple Silicon と Intel Silicon の違いといっていいでしょう。




まず M1 pmset コマンド で設定内容を見てみます。



 % pmset -g
 System-wide power settings:
 Currently in use:
  disksleep            10
  powernap             1
  womp                 1
  networkoversleep     0 
  sleep                0 (sleep prevented by powerd, sharingd)
  Sleep On Power Button 1
  ttyskeepawake        1
  tcpkeepalive         1
  autorestart          0
  standby              0
  displaysleep         10
 % 



 ※ sleep 項目の () 内は何のデーモンが有効かを表示しています。

  電源制御デーモン(「システム環境設定」の「省エネルギー」)、
  共有制御デーモン、バックアップデーモンなどです。

  これらはその処理が終わったら表示から消えます。

  ・共有制御デーモンはネットワークアクセスによるスリープ解除が不要になった
  ・バックアップが終わった

  などです。

  電源制御デーモンは常に表示されていて終了しません。




上で示した pmset の表示内容は「システム環境設定」の「省エネルギー」の次の設定時のものです。
 
 
 











pmset コマンドでの表示内容については次の内容になっています。



disksleep : デフォルト "0"(チェックオフ)

 「省エネルギー設定」の「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」に対応しています。

 "0" :チェックオフ
 
 "10":チェックオン時のデフォルト値
 
    10 分後にスリープの意味と思われますが、実際にはスリープ時に一緒にスリープする
    ようです。



powernap : デフォルト "1"(この値は powernap=on を意味します)

 「省エネルギー設定」では、この項目がなくなっています。

 「省エネルギー設定」はできませんが PowerNap は常に有効、ということみたいです。
 


womp (wake on demand) : デフォルト "1"(チェックオン)

 「省エネルギー設定」では「ネットワークアクセスによるスリープ解除」に対応していますが、Wake on Lan から Wake on Demand に変更になっています。

 "0" :チェックオフ
 
 "1" :チェックオン



networkoversleep : デフォルト "0"(ネットワークサービスオフ)

 システムがスリープ中に提供するネットワークサービスに関わる設定です。

 スリープ中のネットワークサービスに関わる設定をオフの意味は、
 ネットワークサービスをスリープ中でも継続する、ということです。

 変更は推奨されていません。



Sleep :  "n"(「ディスプレイをオフにするまでの時間」と同じ値が入る)

 「ディスプレイがオフのときにコンピュータを自動でスリープさせない」に対応しています。

 "0" :チェックオン(スリープさせない)
 
 "n":チェックオフ(n 分後にスリープさせる)



Sleep on Power Button : デフォルト "1"(電源ボタンスリープを行う)

 電源ボタンによるスリープを行うかどうかの設定です。
 
 デフォルトは「行う」に設定されています。



ttykeepalive : デフォルト "1"(リモートログイン中はスリープしない)

 リモートログイン中はスリープしないかどうかの設定です。

 "1" :スリープしない
 
 "0" :スリープする



tcpkeepalive : デフォルト "1"(tcp 通信中はスリープしない)

 tcp 通信中ははスリープしないかどうかの設定です。

 "1" :スリープしない
 
 "0" :スリープする



autorestart : デフォルト "0"(チェックオフ)

 「省エネルギー設定」の「停電中に自動的に起動」に対応しています。

 "0" :チェックオフ(停電中に自動的に起動しない)
 
 "1" :チェックオン(停電中に自動的に起動する)

    これは「停電後に電源供給されれば自動的に起動する」ということです。
 
 

standby : デフフォルト "0"(Sleep)

 スタンバイモードで、従来の Sleep / Safe Sleep / Deep Sleep の区分がなくなっており、"Sleep" のみになっています。


 おそらく省電力チップゆえに Sleep のみになっていると思われます。
 
 つまり Safe Sleep や Deep Sleep にはならない、ということでしょう。


 Apple Silicon 以降は Sleep 設定をなくす方向、ということを裏付けています。




 ちなみに従来の hibernatemode は3区分で次のとおりです。


  Sleep : 0

     メモリの内容をストレージにコピーしない。
     バッテリー含め電源が完全に切れるとメモリデータが消える。
     Desktop Mac では初期値。

 
  Safe Sleep : 3

     メモリの内容をストレージにコピーする。
     スリープ中にメモリに電源が供給されていればメモリから復元、
     そうでなければハイバーネートイメージから復帰する。
     Notebook Mac では初期値。

 
  Deep Sleep : 25

     メモリの内容をストレージにコピーし、メモリへの電源供給を断つ。
     電源が完全に切れるスリープモード。
     システムはハイバーネートイメージから復帰する。
     バッテリー寿命的には一番最適なモードだが、復帰に時間がかかる。



displaysleep : デフォルト "10"(10 分後にディスプレイオフ)

 「省エネルギー設定」の「ディスプレイをオフにするまでの時間」で設定した時間です。

 "n" :n 分後にオフにする
 
 "0" :オフにしない






pmset -a 〜〜」の「〜〜」部分を項目名にして、引き続いて数値を入れれば項目の値を変更できます。


例えば、ディスプレイをオフにするまでの時間を20 分にする場合は次のようにします。



 % sudo pmset -a displaysleep 20
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M1 チップ搭載 Mac は「省エネルギー設定」で設定できる範囲にとどめておいた方が無難でしょう。













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